イベントレポート


2017.11.18
『74歳のペリカンはパンを売る。』内田俊太郎監督&石原弘之さん(企画・プロデュース)のトークを開催しました!

食パンとロールパンの2種しか作らないのに、ファンが絶えない浅草の老舗パン店「ペリカン」の魅力を追ったドキュメンタリー映画『74歳のペリカンはパンを売る。』11/17(金)上映後、内田俊太郎監督と企画・プロデュースを務められた石原弘之さんをお迎えしてトークイベントを開催しました。

このおふたりは、多摩美術大学在学中に『PORTRAIT ポルトレ』という吉村界人さん主演の劇映画を制作され、その上映時にも元町映画館にお越しいただいて以来、ちょうど3年ぶりのご登壇となりました。お帰りなさい!

石原さんは卒業後、映像企画制作の会社を設立されました。ある日テレビ番組でペリカンが紹介されているのを見て、この店のことをもっと知りたいと思い、内田監督に企画を持ちかけたそうです。

前作『PORTRAIT ポルトレ』は空虚な毎日を過ごす青年の日々を、一切の説明を省きモノクロで描いたエッジの効いた劇映画。一転して本作は人々に愛される老舗パン店の魅力を探るドキュメンタリー。全く異なる作品の企画を持ちかけられ戸惑いはなかったのかと尋ねると、「自分の表現の幅を探るならドキュメンタリーを撮る必要があると思っていました。ペリカンのことも以前から気になっていて、時代に逆行するようなその姿勢に学びたいものがあると感じた」と内田監督。

この映画を観ると、ただパン屋さんを紹介した作品ではないことに気づきます。店主や職人さんからじっくり聞き出したペリカンを営むことへの姿勢、そのパンの魅力の虜になった人たちの思い、そこからは自分の人生にフィードバックできる重要な言葉がたくさん見つかります。おふたりも「ペリカンに出会ったことで生き方を考えさせられた」と口を揃えます。

そしてペリカンのパンの魅力や美味しさをたっぷりとお話しいただいたあと、ご来場のみなさまにお土産のペリカンのロールパンを配布しました。コロンとした形状は、内田監督いわく「苔の魅力がわかる人にはこのパンの可愛さがわかる」のだそうですよ。

そして神戸では、「神戸パンのまち散歩」という企画が開催されています。お客さまから「フロイン堂の食パンもぜひ!」とおすすめされ、早速予約していたおふたり。神戸のお客さまからはどこよりも“パン愛”を感じると話されていました。

『74歳のペリカンはパンを売る。』2日間限定上映です。ぜひご覧ください!

(mirai)


2017.11.15
『AMY SAID』三浦誠己さん、渋川清彦さん、山本浩司さんによる舞台挨拶開催しました!

数多くの実力派俳優が所属するマネージメント会社ディケイドの設立25周年を記念して、ディケイド自ら企画・制作を行った『AMY SAID』。11/11(土)の公開初日に主演の三浦誠己さん、出演の渋川清彦さん、山本浩司さんのお三方をお招きして舞台挨拶を行いました。

かつて大学の映画研究会で、一緒の時間を過ごした仲間たちが、20年前に亡くなったファムファタル的存在であったエミの最後の一言を発端に再会する、一夜の大人たちの青春群像劇。

今回の役柄は演じやすかったかという司会者からの質問に対して「ほとんど当て書きをしてあったんじゃないかな。だいぶ演じやすかったです」と渋川さん。隣で山本さんも頷きつつ「そう、あて書きなんですよ。役のとおり、売れない役者を続けてますから」とおっしゃると、隣にいたお二人から「そんなことない!」「めっちゃ稼ぎ頭やん!!」との素早いツッコミが。まるでコントのような掛け合いに、会場から笑いが湧きました。

また山本さん演じる岡本が、本気でハリウッドを目指してることを皆の前で示すため英語で演技を披露するシーンは、監督からのなるべくネイティブに近い発音でという要望に応えるため、4ヶ月間に及ぶ猛練習をしたといいます。以前に海外の作品に出演した際、ネイティブの発音でと指示されたことがあるという三浦さんも「ネイティブの発音って習得するの、めっちゃ難しい!」と山本さんの演技を絶賛。

今作の主な舞台となったレストランでのシーンは5日間、毎日夜中から朝まで撮影だったそうです。それも珍しく順取りだったといいます。 「ただカメラ3台くらいで撮っているから、下手に動くとシーンを繋ぐのが難しい。本当はトマトを食べるたりするのって難しいんです。汁が出るし、角度によって映りが変わるから。取り直しもしたりするので、実際に映ってるトマトはカピカピだったり」と三浦さんからは裏話が。

劇中でも折に触れて数多くの映画について話の飛び交う本作。レストランでの全員が見渡せるアングルの会話劇は演劇の舞台のようでもあり、出演者たちの演技合戦も見所。個人的には『何者』や『桐島、部活やめるってよ』が頭に浮かぶ作品でした。

パンフレットの販売はないですが、各出演者の過去出演作が書かれた用紙の挟まったクリアファイルを販売しております。(裏面には精巧な各出演者の似顔絵も。)本作をご覧になって、出演者の過去作をご鑑賞するのも感慨深いものがあるのではないでしょうか

ディケイド所属の俳優たちが織り成す青春群像劇『AMY SAID』は、11/24(金)までの上映です。

(まりこ)


2017.11.15
『空と風と星の詩人 ~尹東柱の生涯~』愛沢革さんトーク開催しました!

人と人、心と心をつなぐ強いメッセージを持つ韓国映画の特集「ハートアンドハーツ・コリアン・フィルムウィーク」上映作品の1本で、韓国の国民的詩人・尹東柱(ユン・ドンジュ)の青春を描いた『空と風と星の詩人 ~尹東柱の生涯~』。11/12(日)の上映後、詩人・翻訳家の愛沢革さんにお越しいただき、「尹東柱―その詩と詩人のいのちについて」と題してトークを行いました。

尹東柱が治安維持法違反の嫌疑により日本で逮捕されてから、日記や作品は押収され見つかっていないそうです。日本でどのような日々を過ごし何を考えていたのかは闇の中ですが、本作は彼の青春最後の輝き、それが突然断ち切られた痛みが響く劇映画です。尹東柱を演じたのは、愛沢さんいわく「兄弟のようにそっくり」なカン・ハヌル。“ハヌル”という言葉は「空」を意味するそうで、“空と風と星の”詩人である尹東柱との不思議な縁を感じます。

尹東柱の詩には「私はこう思った」「こう感じた」という表現はありません。でも深く読んでいくと彼自身が立ち上ってくるそうで、「〈詩〉=〈詩人〉である人」と愛沢さんは言います。劇中での朗読はつぶやきのような声色で、彼の詩にとても合っていたと愛沢さん。

そして数篇の詩の朗読と解説をしていただきました。「道」という詩に出てくる“失くしたもの”の解釈を、尹東柱の評伝の著者である宋友恵さんは「祖国」だとされましたが、本著を翻訳された愛沢さんは少し違うと感じたそうです。「“奪われた”という気持ちは読み取れない。祖国を奪われるとひとくちに言っても失ったものはそれぞれ違い、その一人ひとりに寄り添うような詩ではないか」と話され、尹東柱の人柄が感じ取れました。

尹東柱の墓碑には〈詩人〉と刻まれているそうです。彼が詩人であったことを知っていたのは家族や友人らごくわずかな人だけでした。そして日本統治解放後、友人らの手により詩集「空と風と星の詩」が刊行されるやたちまちベストセラーとなり、教科書にも採用され、今や韓国で尹東柱を知らない者はいないと言われます。彼が国民的詩人となったこと、それは「詩の勝利」だと愛沢さん。その一方で、詩人を殺したことで日本が失ったものを私たちは考えなければならないと締められました。

『空と風と星の詩人 ~尹東柱の生涯~』は11/17(金)まで、特集「ハートアンドハーツ~」は11/24(金)まで上映中です。愛沢さんが翻訳された「空と風と星の詩人 尹東柱評伝」も上映期間中販売しています。

(mirai)


2017.11.15
『女になる』未悠さん、歩夢さんによるトークイベント開催

11/11(土)ドキュメンタリー映画『女になる』。未悠さまのパートナーでもあり男性から女性となった歩夢さんとのトークイベントを開催しました。

トークタイトルは「ありのままに生きたい!」。映画のことだけでなく、今の日本での心と身体の違和に苦しむ人にぜひ聞いてもらいたいトークとなりました。

まずは本作で印象的だった未悠さんが女性へと変わる手術シーンがお客様もお客様にとって印象深かったようです。そのような光景を初めて見たという声もあり、未悠様は当時の状況を細かく説明されました。

参加者には自身が手術を経験したり、ご家族にそのような違和に苦しむ方がいるなど、社会にはそのような悩みや葛藤を持っている人が案外近くにいるのだと感じました。「お客様からの質問にはなんでも答えるんで、どんどん質問してください」とおっしゃるゲストのお二人のファンになったかたも多いのではないかと思います。

未悠さんは自身の過去を掘り下げて「自分は本当に家族や友人などに恵まれていた。自分が女性として生きたいと告げた時も周りはすぐに理解してくれた。本当にありがたい」とおっしゃいました。

歩夢さんは日本での性転換する上での苦悩を語り、「医師から診断書を受けて初めて手術することが認められる。このような性別違和は生まれる前に決定している」とおっしゃいました。生活する上で様々な悩みもあったと語り、「毎日がカミングアウトの連続。カミングアウトして僕の周りから逃げる人もいる。逃げるなら逃げてくれ。それくらいの覚悟でいる」とおっしゃいました。一言一言に迷いがなく、こちらも引き込まれます。

未悠さんは自分と同じような悩みを抱える人に対して「オネエやオカマなどテレビに出ているタレントのイメージが広く世間には浸透している。この映画に出ることで性別に関する悩みをカミングアウトできる社会になって欲しい」とおっしゃいました。

最後には男性の大切なソレの行方も話されました。やはり使い続けないと錆びてくる。未悠さんの想いは身体にも現れていたようで、それを笑いながら話すお二人も素敵でした。

『女になる』は11/17(金)までの公開、お見逃しなく!

(芋羊甘)


2017.11.11
「池谷薫ドキュメンタリー塾 #3」開催しました!

ドキュメンタリー映画の知られざる魅力に迫る「池谷薫ドキュメンタリー塾」。3回目の講義を11/2(木)に開催しました。今回は前回鑑賞した映画『先祖になる』の徹底分析を行いました。

前回の終わりに、『先祖になる』は演出が少なめであることを池谷監督は語りました。池谷さんの作品の多くは、対象と「共犯関係」を結びながら作り上げていくアプローチを採ります。ただ本作に限っては、その対象への介入が少なかったとのことです。しかし、とは言いつつもやはり本作にも「演出」と呼べるものがあります。それは編集の中にあるのですが、今回の講義ではそのあたりの話を中心に進みました。

編集の中で何が行われているのか。撮影で得た膨大な映像素材の中から取捨選択をし、だいたい1時間半から2時間の映画が出来上がります。本作で言えば映像素材が約125時間あるのですが、そこから単純に時系列に沿って並べるだけでは映画は完成されません。そこでは「いかに物語を編むか」が重要となってきます。

例えば冒頭のシーン。3.11から間もないとある日の朝、主人公・佐藤直志さんの「おはよう」という掛け声から映画はスタートします。100mはあろうか、隣の民家に向ってメガホンを通して挨拶するこのシーンは、震災後の状況を説明しながら、そこに暮らす人々(佐藤直志さん)の態度も伝えています。 実はこのシーン、当初は別のものを想定していました。車で被災地に入っていく映像を考えていたそうです。どちらを採用するかで作品の印象は全く違ってきます。池谷さんは前者を採用した理由に「佐藤さんでこの映画を撮りきることを宣言したかった」と語っています。確かに震災が作品のテーマの全体なら後者でも相応しいかもしれませんが、本作は佐藤直志さんに迫った映画なので前者の方が適しているでしょう。 このように「いかに物語を編むか」を全うするには「何を描くか」にも自覚的でなければいけません。

その他にも、個人に迫りながらも普遍性を表現するアイデアや、季節・時間の描き方など、「物語の編み方」を多岐にわたってご紹介くださいました。

次回は11/16(木)に番外編を開催します。映画『蟻の兵隊』上映に加えて、解説も行います。塾の様子をつかむのには最も適した機会だと思いますので、これまでの講義に参加されていない方もぜひお申し込み下さい!

(斉藤)


2017.11.08
『逆光の頃』小林啓一監督による舞台挨拶開催

11/5(日)、京都で長期ロケを実施し、祇園や鴨川などの名所が随所に見られる青春映画『逆光の頃』。思春期が抱える不安や葛藤などを描いた本作の上映を記念して小林啓一監督による舞台挨拶を開催しました。

原作は「コップのフチ子」などのマンガ家・クリエイターでもあるタナカカツキさんによる処女作。小林監督は本作の熱烈なファンであり、「誰か映像化してくれないかな」と思っていたそうです。そんな作品の大ファンでもある映像化をご自身で実施する上では緊張もあったそうです。

主演の赤田孝豊を演じるのは黒沢清監督の『散歩する侵略者』など話題作に出演する高杉真宙さん。なぜ高杉さんを主演に据えたかというと「『ぼんとリンちゃん』という私の作品がキッカケです」と語り、「高杉さんは演技に対して素直で役にひたむきで、良い意味で本当に真面目。できていないところは自分でも工夫できる。そういうところが良い」とおっしゃいました。

他にも出演者の一人である俳優・金子大地さんのことを司会者が「非常に存在感のある存在だった、京都が舞台ということもあり伏見稲荷の狐の神様っぽい」と監督に伝えると会場からは笑いが起こりました。監督も「確かに神様っぽいかもしれません、彼は」とおっしゃいました。

最後に監督は「一生懸命作った作品です。楽しんでいただければと思います」と締めくくりました。

本作の幼馴染・みことを演じるのは10月から放送されているNHK連続テレビ小説『わろてんか』のヒロイン、葵わかなさん。話題の二人が出演した、大人でも楽しめる青春映画『逆光の頃』は11/17まで公開。

(芋羊甘)


2017.11.08
『リミット・オブ・スリーピング ビューティ』舞台挨拶付き先行上映会を開催!

中学時代から自主映画を撮り続け、『SLUM-POLIS』を25歳の二宮健監督の商業デビュー作。巷では『リミスリ』と呼ばれる本作の上映を記念して、10/28(土)舞台挨拶付きの先行上映会を開催しました。

ゲストは主演オリアアキを演じた桜井ユキさん、二宮監督、『ヒミズ』(園子温監督)なども手がける梅川プロデューサー。

まずはお三方から、劇場に集まった観客のみなさまに挨拶を頂きました。 二宮監督は学生の頃、当館で『わたしはロランス』をご覧になったことがあるそう。学生の頃、ロランス…何か時代を感じてしまうのは私だけでしょうか。

挨拶前の舞台裏ではエンディング曲に合わせて桜井さん、監督ともにステップを踏むくらいノリノリでした。そんな勢いそのままな舞台挨拶がスタート。 『過激派オペラ』など当館で上映した作品にも出演した桜井さんですが、当館での舞台挨拶は初。本作ではすっと役柄に入ることができたと言います。「難しい役柄だったのでは?」という問いには「監督の演出もあり良い雰囲気で入ることができた」とおっしゃいました。

二宮監督の演技方法はすばりスキンシップだったようです。屋上での高橋一生さん演じるかつての恋人カイトとのラブシーンも自由にできたといい、演じやすかったとおっしゃいました。テレビ番組の司会者のチャーリーなど個性的なキャラが立っています。そんな皆さまをまとめあげる二宮監督の手腕が本作では随所に見られます。

お客様から出たQ&Aでは劇中の音楽に関しての質問が出ました。

本作にはシーンに合う音楽も印象的です。これは監督が探してきた音源だそうです。使用許可をとて来るのは梅川プロデューサー。梅川さんは「どこでこんな音楽見つけてくるんだろう」と不思議に思っていたそうですが一方で「すごい音楽を見つけてくるな」と思い、監督は「本当にありがたかった」とおっしゃいました。 桜井さんも監督の音楽プレーヤーを借りて「この曲良いな」と思った曲が劇中で使用されるなど関係者の息もやはりぴったりのようでした。

25歳の二宮監督が作るリミスリの世界観をぜひ劇場で。11/17(土)まで公開。

(芋羊甘)


2017.11.08
『女になる』田中幸夫監督、未悠さん、みむさん、NAOさん舞台挨拶開催しました!

神戸の現役大学生が、女性として社会に出るために性別適合手術を受けるまでを軽やかに描いたドキュメンタリー『女になる』。初日の11/4(土)、田中幸夫監督と主演の未悠さん、出演のみむさん、NAOさんの舞台挨拶を開催しました。

性的マイノリティや性倒錯、フェティシズムを持つ人々に焦点を当て、2014年に元町映画館でも上映した田中監督の『凍蝶圖鑑(いてちょうずかん)』を観た未悠さんが、手術をする自分を撮ってほしいと監督に持ちかけたことから本作の企画は始まりました。

「手術をしても男性だった記憶は消えない。それなら30、40歳になってから、こんなこともあったな~と明るく振り返ることができる映像がほしかった」と未悠さん。田中監督は「これは、手術をするという覚悟を持った未悠ちゃんとそれを応援する人たちのハッピーな映画」と話します。

未悠さんとは高校からの友だちのみむさん、後輩のNAOさん。映画の冒頭は3人の〈ガールズトーク〉がたっぷりと収められています。「自分は女の人が好きだけど、女の人の気持ちはわからない。でもこの〈ガールズトーク〉を見て、3人が“女でしかない”ということを強く実感した。まずは観る人にもそれを印象づけたかった」と田中監督。このシーン、思わず混じりたくなる楽しさ。私も一緒におしゃべりしたい!

この日は地元・神戸での初日とあって、客席には3人の友人やご家族たちがたくさん駆けつけてくれました。未悠さんは「どうしても感想を聞きたい人がいる」と、映画にも出演していた大学の先生、アルバイトをしているおそば屋さん、そしてお母さんを次々指名し、感想を発表してもらいました。それぞれ未悠さんへの思いも熱く語り、周囲の人たちの温かい支えを改めて実感できる一幕でした。

NAOさんは「いろんな人に出会うことができ、自分自身も変わろうと思えるきっかけになった。周りに悩んでいる子がいたら声をかけたい」、みむさんは「未悠とはライバル意識があったけど、もっと仲良くなったし自分も成長した。よりステップアップしたい」、未悠さんは「同じような悩みを持つ人じゃなくて、一般の人に向けたメッセージ。普通の女性と同じ生活を送ってることをまず知ってほしい」とそれぞれ締めくくり、田中監督は「この映画が、これからの彼女たちの人生の後押しになれば嬉しい」と締めました。

『女になる』は11/17(金)まで上映中。ぜひ彼女たちに会いに来てください!

(mirai)


2017.11.08
11/4(土)『禅と骨』初日舞台挨拶開催!

禅僧ヘンリ・ミトワを追ったドキュメンタリー映画『禅と骨』が当館で公開になり、11/4(土)公開初日にゲストをお迎えして舞台挨拶を行いました。
監督の中村高寛(タカユキ)さん、ヘンリ・ミトワさんの長女で出演もされている京子・ミトワさん、そして本作のプロデュースをされてご自身も映画監督である林海象さん、にご登壇頂きました。

製作はヘンリ・ミトワさんを面白いと思った林プロデューサーが中村監督に話を持ちかけて始まります。
2008年から2011年まで3年間を取材に費やして、それからやっと撮影という長期プランだったということです。

『禅と骨』は、『赤い靴』という映画製作が夢のミトワさんを追いかけた特異な内容となっており、撮影当時90歳を超えるミトワさんのためにというモチベーションが製作スタッフにあったそうです。

中村監督は横浜出身で『ヨコハマ・メリー』という作品でデビューされました。
2006年に公開されたこの作品は横浜のホームレスの老嬢メリーさんを追ったドキュメンタリー映画です。
今回の『禅と骨』もそうですがじっくりと年月をかけて映画を撮る方なんですね。

京子・ミトワさんが中村監督のことを「しつこくて」と仰って笑いが起きましたが、一人の人物を追いかけて掘り下げていく情熱はすごいです。
そういう風に撮られた映画にはその人物と共に生きた時代が映っているんでしょう。

舞台挨拶は約10分と短い間でしたがゲストのお三方とも舞台挨拶後、神戸を楽しまれていました。
中村監督の地元である横浜と神戸は街の様子が似ていて親近感を抱かれたそうです。
林海象さん曰く「豚まんは旨かった」
京子・ミトワさんも元町近辺を散策されていました。

ところで舞台挨拶では触れられなかったのですが『禅と骨』の骨ってどういう意味があるんでしょう。
まさに禅問答のような作品名ですがとても気になります。
その由来とその先がきっと書かれている本作のパンフレットは、映画のパンフレットにしては分厚く83ページもあり、映画のサブテキスト(中村監督)として読み応え十分です。
皆さま、ご鑑賞後に手に取られてはどうでしょうか。

『禅と骨』は11/16(木)まで当館で上映しております!

(高橋)


2017.11.04
『すべての政府は嘘をつく』田畑暁生さんトーク開催しました!

真実を追究するフリージャーナリストたちの闘いを描いたドキュメンタリー『すべての政府は嘘をつく』。10/29(日)の上映後、神戸大学大学院人間発達環境学研究科教授の田畑暁生さんにお越しいただき、メディアとジャーナリズムについて考えるトークを開催しました。

〈ニュース〉とは一体何でしょうか?19世紀の新聞編集者チャールズ・デーナは「犬が人間を噛んでも大したニュースではないが、人間が犬を噛めば立派なニュースだ」という言葉を残したそうです。ニュースの価値はその異常性や意外性、非日常性に現れるという考え方は、それから100年以上経った現在も変わっていないように感じます。

ジャーナリズムは、センセーショナルに書き立てて読者の注目を引こうとする一面からは逃れられません。映画『市民ケーン』のモデルにもなった新聞王ハーストは、当時の反スペイン感情を煽る記事(でっちあげの嘘だったと言われています)を掲載し、翌年には開戦となりました。ハーストは社員に、「戦争を起こしてやろう」と言っていたそうです。センセーショナルな事件報道は人々の体感治安を悪化させると田畑さんは言います。現実の社会に与える影響は思ったより大きいようです。そして、戦争がジャーナリズムの需要を増やすことは否めないとも指摘されました。

ジャーナリズムは「番犬」なのか、はたまた「愛玩犬」なのかという問いがあるそうです。「番犬」とは権力を監視する役割で、「愛玩犬」とは政治や経済から自立しておらずそれらの見方を反映したもの。私たちが普段何気なく目にしているニュースはいったいどちらなのでしょう。

本作のタイトルにもなったI.F.ストーンの言葉「すべての政府は嘘をつく」。これに間違いはないと田畑さん。ではインターネットも含めると数多くのメディアが存在する現在、“正しい”ものを選ぶにはどうしたら良いかという参加者からの質問に、会場でディスカッションも行われました。「ニュースは無料で流れてくるもの」という認識を改め、能動的に情報を手に取り見比べたうえで自分に“合う”メディアを選ぶという姿勢が必要だということを話し合いました。

ほかにもジャーナリズムの起源や政治が介入した報道の実例など、いろいろお話しいただきました。『すべての政府は嘘をつく』は11/3(金)まで上映中。「ニュースを疑う」視点を持つために、多くの方に観ていただきたいです。

(mirai)

本日の上映作品

Tweets