イベントレポート

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2019.2.13
2/13(水)『無限ファンデーション』舞台挨拶開催しました!

「MOOSIC LAB 2018 in KOBE」 5日目は『デッドバケーション』と『無限ファンデーション』のEプログラム!
長編作『無限ファンデーション』から大崎章監督にお越しいただき、舞台挨拶を開催しました。
『ソナチネ』では助監督、『リンダ リンダ リンダ』では監督補など、名だたる作品に名を連ね、2015年公開の『お盆の弟』が第37回ヨコハマ映画祭で4冠に輝いたことが記憶に新しい大崎章監督。
今回なぜベテランである大崎監督がMOOSIC LABに挑戦されたのかというと…。
スバリ“新しいことがしてみたかったから”とおっしゃいます。

密かに服飾の道に進みたいと願う孤独な女子高生・未来と幽霊の女の子・小雨、演劇部のナノカらとの交流を描いた本作の見所は、なんと言っても全編が即興芝居で進むところです。
このことは有能なプロデューサー・コシカワさんからの助言があり実現されたそうなのですが、決まったのがクランクインの1ヶ月前ということもあり、現場のスタッフたちを日々納得させつつの撮影だったと当時を振り返られました。

また本作の重要な役どころを演じる西山小雨さんの『未来へ』という「自分の未来・友人の未来を想って歌った」楽曲のMVを撮ろうとしていたところから今回の長編作品へとつながったと、その制作の経緯を話されました。

次の作品の上映時間の関係もあり終了時間が迫る中、まだまだ話したりなさそうな大崎監督。
舞台挨拶終了後のサイン会では、1時間近くサイン会参加者の方々と制作の裏側についてなど尽きぬ話題で盛り上っていたようです。

すでに8月からの単独公開が決まっている本作。当館でも上映を予定しています!
MOOSIC LAB 2018で見逃した方も、ぜひ次の機会はお見逃しなく!!

(まりこ)


2019.2.16
『人情噺の福団治』トークイベント開催

2/16(土)、「芸人は日なたを歩くだけやない、日の当らない道もある」とおっしゃる芸歴50年を誇る落語家、四代目・桂福団治さんの姿を追ったドキュメンタリー映画『人情噺の福団治』。本作の上映を記念してトークイベントを開催しました。

ゲストには伊藤有紀監督と、桂福団治さんのお弟子さん、ご子息でもある桂福若さん。上映後の舞台挨拶、2~3分だったにも関わらず、二人が壇上に上がると話のネタが尽きません。

そして2階のイベント会場へ。先にお伝えします。このトークイベント最高でした。参加した皆さんはラッキーです。それはなぜか。ほとんどピー音を入れないとお伝えできない話ばかりだから。

冒頭は福若さんによる「ペケペンオリンピック」独唱。本作のEDテーマにも使用されている楽曲。放送NGな歌詞ですが、頭の中にメロディでした。

そして話題は本作のテーマとも言える、落語をすることと、福団治さんと福若さんとの関係性について話がおよびました。福若さんは「親父は作中でも言っていたけど、後悔ばかりしていた。近くで見ていた自分としては堂々と“する”ならする。ハッキリ言って欲しかった」とおっしゃいました。伊藤監督は学生時代に落研に所属していたこともあり本作の制作/完成を心待ちにしていたそうです。「色々なことがあったが、今回の上映が今のところ最後の劇場公開。実現できて嬉しい」とおっしゃいました。

約1時間、濃密な時間でした。最後列で観覧していましたが、やはり現役の落語家さんです。話せば話すほど引き込まれます。ここでは書けない際どい話題(ほぼアウト)もやんわり、時に過激にブラックにお話する姿が目に焼き付いています。スタッフ/参加者として楽しませていただきました。「どの組織でも、やっぱりあるでしょ、いろいろと」。これに尽きます。人生いろいろ、島倉千代子さんの歌が聴こえてきそう、充実のトークイベントでした。

(芋羊甘)


2019.2.17
『国家主義の誘惑』白井聡さんトーク開催しました!

フランス在住の渡辺謙一監督によるドキュメンタリー『国家主義の誘惑』公開2日目の2/17(日)上映後、映画にも登場されている政治学者の白井聡さんをお迎えし、「戦前・戦後と反復する日本の『国体』」と題してトークを開催しました。

日本の近代史を紹介しつつ「そして“今”、どうなっているのか」を国内外の論客によるインタビューも交え考察する本作。無謀な侵略戦争を繰り返した天皇制への反省をベースに戦後の国づくりをしたはずの日本が、なぜか戦前回帰しているのです。白井さんが戦前回帰を強く感じられたのは東日本大震災に伴う原発事故だったそうです。政府の対応は先の大戦時と酷似していたと言います。

回帰しているとはいえ「まったく同じに再現されることは歴史上あり得ない」と白井さん。たとえば国家主義=ナショナリズムが形成された19世紀的常識であった《お国のために死ぬ》という思想、これは“今”のナショナリズム現象では実現し得ず、今のナショナリズムは極めて無内容、から騒ぎでありフェイクとしてしか現れていないと続けられました。

天皇制ファシズムがまだ生きているとはいえ、天皇を批判しても「天皇制」の批判でしかなく空回りにしかなりません。今の天皇は、「天皇制の中の天皇」の役割を果たしていないからです。では、何がその役割を担っているのでしょう。それは《アメリカ》だと白井さんは言います。

“ネトウヨ”と呼ばれるインターネット上で右翼的な発言をする人たちの中には「天皇は反日左翼」と主張している人もおり、そこには論理矛盾が生じています。彼らには実際の天皇ではなく“心の中の天皇”がいるのだろうと白井さん。それは何かと言うと、やはり《アメリカ》なのです。今日本が回帰している奇怪なナショナリズムは、アメリカに支えられているに過ぎないと指摘されました。

このあたりのお話は、白井さんの著書「国体論:菊と星条旗」(集英社新書)に詳しく書かれています。ぜひご一読いただきたいです。

最後に、日本の戦後“国体”レジーム崩壊の兆しが見えている今に向け、マルクスの「歴史は繰り返す。一度目は悲劇として、二度目は喜劇として」という言葉を紹介されました。喜劇としていかに笑い飛ばせるか否かでその国の底力がわかる―さて、日本はどうなのでしょうか。

(mirai)


2019.2.12
MOOSIC LAB 2018『内回りの二人』柴野太朗監督&『月極オトコトモダチ』穐山茉由監督の舞台挨拶開催しました!

2/12(火)「MOOSIC LAB 2018 in KOBE」のDプログラム上映後、『内回りの二人』から柴野太朗監督、『月極オトコトモダチ』から穐山茉由監督にお越しいただき、舞台挨拶を開催しました。

監督お二人には神戸のこの2本の組み合わせをとても気に入っていただけました。

まず『内回りの二人』の"後ろ向きアイドル"という発想はどこから?という司会者の質問に柴野監督は「グイグイ来ない女性にグッとくる男性は一定数いるので、売れるんじゃないかな」というところからとのことですが、今のところあまり浸透していないそうです…
柴野監督は鉄道マニアで、土地勘がある人にはわかるオープニングのネタなど自分の好きなものを映画で表現されています。
印象に残る振り付けは演劇をされている友達に依頼し、昭和の雰囲気であえてかっこよくしないように気をつけたそうです。

『月極オトコトモダチ』は「男女の友情は成立するのか」がテーマになっています。
ネットニュースの"レンタル友達"を見て面白いなと思ったのがきっかけで、実際に穐山監督はレンタルして取材されたそうです。
登場人物の名前は大事で変わったものにしたいので、主人公の那沙(なさ)という名前は響きも気に入り、宇宙も感じるNASAからです。
画角がヨーロピアン・ビスタという通常のアメリカン・ビスタより少し狭い画角の理由は、カメラマンの「この映画はヨーロピアンな気がする!」の一言と、登場人物の関係性が変化していくので通常より狭い画角にしたとの事です。

柴野監督からは「鉄道マニア的には鶴見線の国道駅で待ち合わせとはどんなデートなんだ」とつっこみがありましたが、鉄道マニアにはつっこまれても大丈夫なようにその後のデート先はすべてその駅から歩いていける場所を設定しているそうです。

『内回りの二人』主題歌、「長所はスーパーネガティブ!」がただいま配信中です!
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『月極オトコトモダチ』主題歌、「ナニカ」も配信中です!
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柴野太朗監督、穐山茉由監督、お二人の今後のご活躍を楽しみにしています!

(和田)


2019.2.10
MOOSIC LAB 2018『1人のダンス』安楽涼監督&片山享さん舞台挨拶開催しました!

2/10(日)「MOOSIC LAB 2018 in KOBE」のBプログラム(『書くが、まま』+『1人のダンス』)上映後、『1人のダンス』から監督・主演の安楽涼さんと脚本・出演の片山享さんにお越しいただき、舞台挨拶を開催しました。

『1人のダンス』は、やりたくない仕事を無気力にこなす売れない映像作家が、友人のミュージシャンのMVを撮る役から外され抱えていた鬱屈が爆発する…、そんなストーリーです。企画のアイデアはどこからかと聞くと、ほぼ実体験をベースにしていると安楽さん。ひとつのドラマでありつつ、“安楽涼”そのものでもある作品のようです。

登場するミュージシャンのRYUICHI(OOPARTZ)さんは幼なじみかつ親友で、MVをずっと安楽さんが撮っていました。ところがあるとき別の人が撮ることになり、大げんかに。口もきかないまま数ヶ月が過ぎても一向に怒りが収まらず、映画にすることを思いついたのだそうです。

クライマックスの河原のシーンでは、RYUICHIさんにほぼ何も伝えずに撮影したそうです。観ているこちらにもビリビリ伝わる緊迫感、魂から叫び続ける安楽さん、戸惑いながらも圧巻のパフォーマンスを見せるRYUICHIさん。シナリオはあるもののそこに映っているのは“生の感情”でした。

制作は、脚本を手がけた片山さんと二人三脚で行われました。安楽さんから話を聞いて片山さんが書き上げた脚本は、見せてはいなかった安楽さんの作ったプロットと不思議と共通点が多く、2人とも「いける!」と思ったと話します。

劇中での片山さんは、半ば諦めながらも現実に妥協もしきれない安楽さんの役とは対照的な、“社会”を体現するいわゆる嫌な大人の役どころ。ところが舞台挨拶では口ベタな安楽さんをフォローする良い兄貴分という雰囲気。2人の信頼関係が随所で感じられました。

MOOSIC LABでは30分の短編として公開されましたが、最初に完成させた時は60分だったそうです。長編部門への変更は叶わずやむなく30分に削りましたが、元バージョンの60分版が5月に池袋のシネマ・ロサで公開になります。そして当館でも公開することが決まりました!!ドラマ部分の厚みが増しているそうなので、30分版を観た方はぜひこちらも観てほしいです。

安楽さんも片山さんも、俳優としても映画監督としても活動していらっしゃいます。舞台挨拶後の打ち上げでも熱い想いをたくさん語ってくださいました。今後もぜひ注目してほしいお2人です!

(mirai)


2019.2.7
2/7(木) ハル・ハートリー監督〈ロング・アイランド・トリロジー〉公開記念トーク【インデーズの権化 ハル・ハートリー入門】を開催しました!

ハル・ハートリーの初期3部作(『アンビリーバブル・トゥルース』、『トラスト・ミー』、『シンプルメン』)のデジタルレストア版の上映である〈ロング・アイランド・トリロジー〉。公開を記念して2/7(木)の『トラスト・ミー』上映終了後に映画ライターであり本特集の配給も担当された村山さんによるトークイベントを開催しました。

まずどういった経緯で村山さんが本特集の配給に携わることになったのかというと、一昨年頃に村山さんが参加していたクラウドファンディングがことの発端となったようです。サイトからの自動配信と思われるメールに対し、「もしプレスなどがあるのなら日本語に訳してメディアに投げてみることはできますよ」と提案のメールを返したところ、わりと即答気味で「ぜひやってくれ!ハル」(←実際の文面は英語です)と監督から直々に返信がきたのだとおっしゃいます。
元々90年代に日本で上映されていた頃からハル・ハートリーのファンだったとおっしゃる村山さん。「これは惚れたものの弱みですね」と気がつけば無給で(!)ハル・ハートリー監督作品を日本で広めるため、ポッシブルフィルムズの日本代理として配給業務に取り組まれています。(現在発売中の〈ヘンリー・フール・トリロジー〉DVD-BOXにはフォーリンアンバサダーとして村山さんのお名前が記載されています)

村山さんはハル・ハートリー監督がインデーズの権化である理由を“青臭く頑固”“良い意味で妥協ができない人”なところだとおっしゃいます。
作風としては“善き人であれ”という特徴があるということと“ネッド・ライフル”“ヘンリー・フール”を筆頭に、何度も繰り返し同じモチーフを使うということを挙げられました。
“善き人であれ”という作風であるということに関しては、『アンビリーバブル・トゥルース』を除いてほとんどの作品で最後に登場人物たちが追い詰められて終わるのは、ハル・ハートリー監督自身の「社会というものは“自分らしくあるということを抑圧するもの”だから、どうしても自分の描く人物は最後、追い詰められるしかないんだ」という考えが反映されてのことだと語られました。

また当館で12月に上映した『あみこ』の山中瑶子監督も、劇中に『シンプルメン』のオマージュのダンスシーンを取り入れるなど、大のハル・ハートリー監督ファンのお一人。これらの作品に影響を受けた今の19歳の子が、そこからさらに自分で映画を撮り、その作品が世界に受け入れられてというこの流れを“健全な継承”と村山さんはおっしゃいます。

当日、当館にいらしたお客さまに挙手していただくと、今回初めてハル・ハートリー監督作を観たという方が約9割だったものの、最終上映回にしては、全日多くのお客さま(リピート率も高し!)に足を運んでいただいた本特集。
神戸でもハル・ハートリー監督作品の“健全な継承”があったように感じる一週間でした!

(まりこ)


2019.2.9
『ゆかちゃんが愛した時代』舞台挨拶開催

映画×音楽が組み合わさった映画祭「MOOSIC LAB」。今回の上映では候補作品から当館スタッフが厳選してラインナップを決定しました。そんな話題性抜群の映画祭、連日舞台挨拶を開催中ですが、初日となる2/9(土)は伝説の夜となりました。

トップバッターは『ゆかちゃんの愛した時代』から監督/出演の吐山ゆんさん。子ども役時代を演じたひがし沙優さん。プロデューサーの西尾孔志さんの3名。

冒頭、ひがしさんが「今夜はこの作品とまさかのR18ぽい『松永天馬殺人事件』の異色な組み合わせのために、えらい大人たちが動いたそうです」とおっしゃいました。ぐぬぬぬぬ…大人の事情を理解しているとはさすが平成生まれ…。そして「時間があったので神戸町歩きをしていました。松永さんのコスプレも…どうですか、松永さん…?」と困り顔。実は予定では松永さんが会場に入る予定でしたが、別件で不在、それでもひがしさんは堂々としていました。そしてその活躍がその後の奇跡を生むとは…。

吐山さんは本作に対して「平成元年生まれとして、平成が終わるということを悲観的に捉えずに昭和の景色が残っているように平成も普遍的に続く風景もあるのでは…という想いで作品を作りました」とおっしゃいました。それを表現するように本作では平成生まれには分かるオマージュが散りばめられていました。やっぱり平成も捨てたもんじゃないな(個人談)。

最後にひがしさんは次の時代を代表して西尾さんが「どんや役を演じてみたい?」という質問に「アクションやってみたい、体育は得意じゃないけど」とおっしゃり、笑いを誘っていました。
(『松永天馬殺人事件』舞台挨拶に続く…)

まさに日本映画の今があるMOOSIC作品、選りすぐりのラインナップを最後までお見逃しなく!

(芋羊甘)


2019.2.9
『松永天馬殺人事件』4DIEX上映、舞台挨拶を実施しました。

2/9(土)「MOOSIC LAB 2018」神戸編、初日ラストを飾ってくれるのは『松永天馬殺人事件』で監督/主演などを務め、本映画祭では「松永天馬賞」を受賞した松永天馬さん。

本作の4DIEX上映。何を言ってもネタバレになのでこれだけ。「真犯人はあなたなんです!!」「股間!、それは狂気(狂気)なんです!!」以上!!。「こんな映画館体験はじめて」。松永さん「こんなところでごめんね。」「映画っていいもんですよね」という言葉から始まった舞台挨拶。次の目標は「シネコンで同時多発的に実施したい…」。これがどういう意味を持つのかは想像にお任せします。

松永さんは初めて本作を観たお客様に「映画館それぞれにノリがある。皆さんも映画の一部になってほしい。自分の人生を楽しんでほしい。人生はミュージカルなのだから」とおっしゃいました。そして「何か悩んで苦しい時、それは自分に“スポットライト”が当たっている、それを楽しめよ」と。

そして、事件はこの現場で起きました。

終盤、司会から「松永さん…実は一人の女の子の人生を変えてしまったのかもしれないんですよ」と。これには松永さんも驚きの顔を隠せません、「え?どういうこと?」。そして登場したのは先ほど舞台挨拶したばかりのひがし沙優さん。松永さんのために用意したコスプレ写真を本人に見せることができず、リベンジです。作品の枠を超えた競演が実現。これには会場も大盛り上がり。ひがしさんが私のコスプレ何点ですがと聞くと「そんなの100点中の300点だよ」という答えが。そしてひがしさん持参の顔ハメパネルとともに2ショット写真撮影へ。「パパだよ~こういう大人もいるんですよ」という松永さんに対してひがしさんは満天の笑顔。最後に松永パパへ一言「テンション高っ!」というと、パパも負けじと「テンション低っ!」良いコンビ(親子)が生まれた瞬間でした。退場の際には「階段に気をつけて」と優しい言葉をかける松永パパにグッときました。

「松永天馬映画祭2019」に引き続き、奇跡の夜となった「MOOSIC LAB 2018」神戸編1日目。日本映画の“今”は元町映画館にあると感じた一夜でした。

(芋羊甘)


2019.2.9
シネマルネサンスプレゼンツ「松永天馬映画祭2019~神戸編~“映画談義”」開催

2/9(土)、FM MOOVにて放送中のラジオ番組「シネマルネサンス」から生まれたこの企画。番組では映画を切り口に文化を発信していく中で、松永天馬さんにも本番組に出演していただきました。その中で、松永さんの音楽はもちろん、映画や文化に対する考えかたに感銘してこの企画が実現。

司会には松永さんの出演作にエキストラでも出演したというキムラユウナ(シネマルネサンスMC)が務めました。

当日は松永さん主演の短編映画『カメラ×万年筆=夏』の上映に加えて、影響を受けた映画についてお聞きしました。

『カメラ×万年筆=夏』の話題から松永さんの好きな映画になり、「シネマハラスメント」について話が。「映画好きは自分の好きを相手に押し付けてくる。「自分が好きなのに、観ていない人がいると少し馬鹿にしてくる。これをシネハラと言うで皆さん気をつけてください」とおっしゃいました。

そんな松永さん、自身のファンクラブ会報紙に好きな映画を掲載したことがあるそうです。松永天馬さんの大ファンでもあるキムラも勿論観たそうです。松永さんオススメ映画の中でも涙したというのが『トーク・トゥ・ハー』(監督:ペドロ・アルモドバル/2002)。昏睡状態に陥った美女と看護士、女性闘牛士とその恋人たちが複雑に絡み合った名作です。邦画では『メイン・テーマ』(監督:森田芳光/1984)をあげられました。松永さんは「『家族ゲーム』という傑作を作った森田監督の描く、実験映画。薬師丸ひろ子さんがキラッキラしているが、桃井かおりさんの演技も見所」とアツくなりました。「桃井さんだと、もう一つ『幸せの黄色いハンカチ』…ていうのもあって…」とここでタイムアップ。

中盤では『松永天馬殺人事件』のもう一人の主役でもある冨手麻妙さんを「発見」した『アンチポルノ』(監督:園子温/2017)の紹介など、話題は事足りません。この作品を「映画から脱出しなければならない」とおっしゃった松永さん、独特の言い回しに釘付けでした。

4月からはサンテレビ開局50年目にて初制作ドラマ「元町ロックンロールスウィンドル」の出演も決定。松永天馬さんの活躍(映画も)から目が離せません。

(芋羊甘)


2019.2.11
2/11(月・祝)『バスキア、10代最後のとき』関連企画「オリジナル缶バッジをつくろう!ワークショップ」開催!

映画『バスキア、10代最後のとき』上映期間中(2/2〜2/15)、2階ロビーにバスキアをテーマに描かれた絵が展示されています。展示の絵を描かれた廣中薫さん(アーティスト/神戸芸術工科大学ビジュアルデザイン学科准教授)にお越し頂き、バスキア風のラクガキ缶バッジを作るワークショップを開催しました。

缶バッジ作成に必要なものは、元になる素の缶バッジ、色とりどりのペン・インク、絵を描く白い紙、円型にくり抜く機械、缶バッジ表面を覆う透明フィルム、そしてレバーを下げると絵と缶バッジがくっ付くプレス機、です。

さて白紙に何を描こうかという参加者へ廣中先生が、「今日食べた朝食とか身近なものにしましょう、バスキアはバナナとかもそうだけど身近な物をたくさん描いてる」と言って始まりました。参加者の皆さんが何かを描くというか白紙に色を塗って線を引くのを廣中先生が見て励ますという進み行きでした。手本として廣中さんがあっと言う間に缶バッジ1個を完成させ、その色鮮やかさに皆やってみようという愉しい気分になりました。

廣中さんが呟きながら励ますのがとても良かったです。
「それきれい、その色重ねるのもいい、同じ色でもきれい、これもかわいい」
「こういうのは上手に描くとダメ、左手で描くのもいい」
「無になってやるのが一番いい」(この言葉に夢中は無中なのかと思い付く)
「ただの黒、ただの緑なんだけど重ねるときれい」

そして皆さん缶バッジが完成して行きました。紙に描いた色が缶バッジ表面の透明フィルムと合わさることで鮮やかさがとても増すのが不思議でした。光がフィルム表面に集中してるんでしょうか。

廣中先生も仰ってましたが「バスキアと落書き缶バッジは合う、かわいい」
ワークショップのあと参加者の皆さまは映画をご鑑賞されました。

『バスキア、10代最後のとき』は2/15(金)まで連日16:10から上映しております。ご来館をお待ちしております!

(高橋)


2019.2.8
映画ライター・村山章さんによるトーク「ペニス映画闘争史 ~スピルバーグからキュアロンまで 表現の自由と可能性への飽くなき挑戦~」開催しました!

メジャー映画において“男性器”がどのように扱われてきたかを30年来独自に追い続けている映画ライターの村山章さんにお越しいただき、「ペニス映画闘争史 ~スピルバーグからキュアロンまで表現の自由と可能性への飽くなき挑戦~」と題してトークをしていただきました。

まず冒頭に、〈ペニス映画〉とは何か?をお話いただきました。村山さんの定義は、「ペニスが映り込んでいるメジャー映画、またはペニスと向き合う強い意識のある映画」。そしてこの視点から映画史をふり返っていきます。

1991年以前は、【出しちゃダメ】な時代でした。当時の映倫は18禁指定でもボカシ必須。その限界に挑戦した野心的な作品が、ピーター・グリーナウェイ監督の『プロスペローの本』です。シェイクスピアの「テンペスト」を下敷きにした作品で、村山さん曰く「全裸のシルク・ドゥ・ソレイユ」。登場人物みな全裸で、多すぎてボカシきれていないと知った当時高校生の村山さんは衝撃を受けます。

そして1993年、ある天才監督が歴史を変えます。村山さん言うところの〈チ◯コ元年〉到来です。それはスティーブン・スピルバーグ監督の『シンドラーのリスト』。収容所のシーンで身体検査される大勢のユダヤ人の全裸が登場しますが、ボカシは無し。ホロコーストの映画なので、ボカシを入れる(=猥褻だと判断する)ことはふさわしくないと、誰にも文句を言わせずにペニスを堂々とスクリーンに映し出したのです。ハリウッドの革命児はペニスでも革命を起こしていました。

そこからは次々とペニス映画の黒船が来襲、特殊メイクが流行ったりアクション映画に進出したりさまざまな展開を繰り広げ、ターニングポイントとなった2008年を迎えます。それは所謂〈メイプルソープ事件〉。写真家ロバート・メイプルソープの写真集の猥褻の是非を問う裁判で、性器が見えている問題よりも芸術性が認められ、原告が勝利したのです。これにより、映倫もただただ【出しちゃダメ】でいられなくなり、その内容が見直されました。

その後の大きな変化は、2015年のNETFLIXの登場です。映画ともテレビとも違うこの媒体は、現在村山さん曰く「ペニスの無法地帯」。法整備がされる前にぜひご覧くださいとのことです。映画祭で話題になったアルフォンソ・キュアロン監督の『ROMA』もNETFLIXでボカシ無しで観ることができます。

爆笑に次ぐ爆笑の2時間、たっぷりとお話しいただきました。最後に、参加者のみなさんからもリクエストがあったので、トークで紹介された作品の一覧を載せておきます。その数、実に39本…(よくメモした、私)!ぜひこれからの映画鑑賞の参考にしてください!

『プロスペローの本』1991/『クライング・ゲーム』1992/『バッド・ルーテナント 刑事とドラッグとキリスト』1992/『ピアノ・レッスン』1993/『シンドラーのリスト』1993/『アミスタッド』1997/『ミュンヘン』2005/『ショート・カッツ』1993/『ワイルドシングス』1998/『ブギーナイツ』1997/『メリーに首ったけ』1998/『トランスアメリカ』2005/『ファイト・クラブ』1999/『エニイ・ギブン・サンデー』1999/『ブラウン・バニー』2003/『バッファロー'66』1998/『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』2006/『ブルーノ』2009/『さくらな人たち』2008/『イースタン・プロミス』2007/『恋する女たち』1969/『リストマニア』1975/『ハードキャンディ』2005/『ホステル2』2007/『セックス・アンド・ザ・シティ 劇場版』2008/『タクシデルミア ある剥製師の遺言』2006/『寝取られ男のラブ♂バカンス』2008/『バッド・バイオロジー 狂った性器ども』2008/『思春期まっただ中』2008-2010/『メビウス』2013/『ニンフォマニアック』2013/『リアリティのダンス』2013/『名もなき塀の中の王』2013/『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』2013/『最後の1本 ペニス博物館の珍コレクション』2012/『世界の果てまでヒャッハー!』2015/『俺たちポップスター』2016/『はじまりへの旅』2016/『ROMA/ローマ』2018年/アルフォンソ・キュアロン監督

(mirai)


2019.2.2
『毎日がアルツハイマー~ザ・ファイナル~最期に死ぬとき。』新城拓也さん、青山ゆみこさんトークイベント開催

2/2(土)『毎日がアルツハイマー』シリーズ、通称“毎アル”完結編である本作。上映を記念して新城拓也さん(しんじょう医院院長)、青山ゆみこさん(フリーランスのエディター/ライター)によるトークイベントを開催しました。

新城さんは緩和ケア専門の在宅診療クリニックを開業後、「がんと命の道しるべ」余命宣告の向こう側』(日本評論社)を出版。青山さんは編集業を経て、淀川キリスト教病院ホスピスの「食のケア」を取材した『人生最後のご馳走』を出版するなど、どちらも本作のテーマにぴったりなお方です。お二人の体験談も交えつつ、内容の濃い時間となりました。

「死に方のオプション」から話は始まり、新城さんは「20年近くこの医療の現場で働いているが、痛みを軽減する能力はぐっと減ったが、痛みはなくならない」とおっしゃいました。最も盛り上がった話題が「トイレの話」。「患者さんが辛いとおっしゃるのはトイレ。今までできていたことができない。転倒し、怪我をする。そして漏らしてしまう。患者さんの家に行くとベットからトイレまでの導線が混雑している。車椅子必須なのに廊下が狭い。これでは患者さんも辛い」とおっしゃいました。

青山さんはご自身の家族の体験も交えて「父の入院中、身体のさすり方一つ、いろいろと言われる。『看護師』の方がうまい』など」とおっしゃいました。家族の「死ぬ時」、それをどうしてほしいかを事前にどういう形で残すのが良いかという問いに「冷蔵庫に貼るのが良し」と新城さん。迷惑をかけないために毎日見るものに掲示しておくのが一番だとおっしゃいました。

お客様との交流会では「ガンや老老介護は必ずイバラの道になる。でもその棘を少なく小さいものにしていくのか…それが私たちが患者さんにできること」とおっしゃいました。

イベント参加者もお二人の話を熱心に聞いておられ、誰にでも起こりうる、「近い」問題だと痛感しました。本作や『ぼけますから、よろしくお願いします。』(監督:信友直子)もお客様の関心が高く、当館でも連日満席となるほど盛況でした。自分にはまだ遠い話…と思っている方も一度ご覧ください。「これから」を今、考えましょう。

(芋羊甘)


2019.2.3
『赤い雪 Red Snow』永瀬正敏さん&菜葉菜さん&甲斐さやか監督舞台挨拶開催しました!

30年前の雪の日、一人の少年が忽然と消えた。事件の真相を追う記者が容疑者の娘を見つけ出したことから、自分を責め続ける被害者の兄と容疑者の娘、それぞれの運命の歯車が大きく動き始める…。『赤い雪 Red Snow』公開を記念して、主演の永瀬正敏さん、菜葉菜さん、これが長篇デビュー作となる甲斐さやか監督の舞台挨拶を開催しました!

まず一言ずつ、永瀬正敏さんは以前「戦争と一人の女」(2013年)で来ていただいたので「ただいまです」と、菜葉菜さんには「初めて来たけど観たい作品がいっぱい!」、甲斐監督「こだわりのラインナップに加えていただいて感動」とおっしゃっていただきました!

菜葉菜さんは撮影中、難しい役だったのでひとりぽつんとされている事が多かったのですが、他の演者の方もその孤独感がよくわかるので、いろんな方に声をかけてもらい肩の力を抜いていたそうです。夏川結衣さんに役の相談をしたり、甲斐監督に見守られながら早百合という役を演じ切りました。甲斐監督からは面白いお話ですごくぴったりな役があるとオファーされ、この早百合が私にぴったりなのかと衝撃を受けつつも、大変だけどやりがいがある、こういう役こそやりたいと思い受けたそうです。

永瀬さんは「脚本を読んで凄い脚本だと驚きました。読んでいて途中で中断する脚本もありますが、これは一気に読んでしまった」と。久しぶりに心にズシンとくる脚本に出会ったと思えたそうです。

お客様から背中や表情の見えないショットが多かった理由を聞かれると、「永瀬さんは背中で伝わる部分が多かったので、前に回らず、背中から撮りました」と監督。
菜葉菜さんが演じる早百合はやばい雰囲気の人だと監督に言われ、旅館のシーンではその雰囲気を出すために何度も撮り直したそうです。監督は一見、小柄な可愛い方ですが、現場では一切ブレずに役柄や作品の向かうべき道を示し、演者は監督を信頼し撮影は進んでいきました。

「10年に1本」と言われた脚本に、日本映画界屈指の実力派俳優陣が勢揃いした『赤い雪 Red Snow』。元町映画館では2月15日までの上映です!是非、劇場でご覧ください。

(和田)


2019.2.2
『バスキア、10代最後のとき』廣中薫さんトーク開催しました!

『バスキア、10代最後のとき』公開初日の2/2(土)、バスキアとN.Y.をこよなく愛するアーティストで神戸芸術工科大学ビジュアルデザイン学科准教授の廣中薫さんにお越しいただき、「HOW TO バスキア & ‘80sアート」と題してトークを開催しました。

廣中さんは、多摩美術大学に入りたてのときに行ったアート界隈の人たちが集まるパーティで、映画『ワイルドスタイル』の出演者たちがおり、アーティストなのにジャージを着ていてびっくりしたのだそうです。幼少の頃から油絵を描いて美術に親しんできた廣中さんですが、このとき“ストリートカルチャー”を初体験し、絵を描くことと音楽やダンスをすること、ファッションなどが一緒になっていることに驚くと同時に強く惹かれたと言います。

瞬く間にこのカルチャーにのめり込んだ廣中さんは、80年代なかばからN.Y.に通い始めます。時代の寵児グレン・オブライエンが司会を務める「TVパーティー」を貪るように観て、紹介されるアーティストたちに夢中になりました。そのうちの一人がバスキアだったのです。

映画では、グラフィティからドローイング、コラージュ、洋服のペインティングなどバスキアの挑戦したいろんな表現や作品の変化が、ともに時間を過ごした人たちのある種生々しい言葉からよく見えてきて興味深いと廣中さん。同じ界隈にいてバスキアの創作にも大きな関わりを持っていたのにこの映画には出てこない人がいたり、サラ・ドライバー監督自身の人間関係もそことなく見えているのが面白いと、当時のシーンをよく知る廣中さんだからこその感想も飛び出しました。

廣中さんが感じるバスキアの絵の最大の魅力は「リズム感」。たくさんの線を重ねていますが、いらない線はひとつもないと言います。手先だけでなく身体全体を使ってストロークを決めながら描き、描いては塗りつぶして…を繰り返して層を重ねていきます。よく見ると筆圧を変えたり、様々な画材を使って質感を変えたりしていて、それがリズム感を生み出しているのかもしれません。

実際に作品の画像を見ながら、色を重ねた順やストロークの方向などを解説していただきました。「無になって作品と向き合っていると、描いた手順がだんだん見えてきて、当時本人が描いていた“ライブ感”が蘇って肌で感じられるようになる。それがとても好き」と廣中さん。絵を描く人が絵を見る視点が新鮮で、次に美術館に行ったときには私もチャレンジしてみようと思いました。

『バスキア、10代最後のとき』上映期間中の2/15まで、2Fロビーでは廣中さんのバスキアへオマージュを捧げた作品展示を行っています。こちらもぜひ合わせてお楽しみください!

(mirai)

本日の上映作品

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