イベントレポート


2014.11.25
「MOEBON」実践教室開催しました!

電子書籍の発刊を目指す「MOEBON」プロジェクト。先日開催した「キホン文章教室」に続き、11/23に「実践教室」が開催されました。講師はすでにおなじみプロジェクトの首謀者(?)であるフリーライターの中元文月さん。

前半は映画ライターのギャラも含めた実情のお話から。キビシイのね…と思ったりオイシイやん!と思ったり、実にさまざまなお話が聞けました。
第一線で活躍する方の年間鑑賞本数は600本以上だとか。もちろん、DVDやTV視聴は除いての数です。観るだけでなく、それを原稿にもして…。映画好きでないと続かないですね。逆に映画好きには天国かも?!

後半では、「キホン文章教室」に参加された方から提出されたレビュー原稿をお手本に、編集者目線でどのような部分を直していくかを実際に見せてくれました。文の位置を変えるだけでガラリと印象が変わるなど、目からウロコの連続!

今回の実践教室でも定員オーバーしたため、12/7(日)に再度追加教室を設けることになりました。今後は有志で企画会議を進め、2015年前半での電子書籍出版を目指します。

映画は"観ているだけ"でもじゅうぶん楽しいです。だけど、こうやって違う角度から映画と付き合ってみるのはさらに有意義で、楽しみが増えた気がします。みなさんもぜひ「MOEBONプロジェクト」に参加してみてください!

(mirai)

 


2014.11.25
『くらげとあの娘』宮田宗吉監督&あがた森魚さん舞台挨拶開催しました!

『くらげとあの娘』初日に宮田宗吉監督、2日目には宮田監督に加え、水族館の館長を演じられたあがた森魚さんの舞台挨拶を開催しました。

これほど画面いっぱいにくらげが登場する映画はほかにないと宮田監督(たしかに!かなり癒されます…)。ご自身も本作の制作をきっかけにくらげの飼育を始められたそうです。

映画の原案となったのは、本作の音楽も手がけるゴンチチのチチ松村さんが約20年前に書かれた書籍「私はクラゲになりたい」。チチさんがクラゲにハマるきっかけになったのは、実は神戸の須磨海浜水族園のクラゲ展示だったというエピソードも。

あがた森魚さんは本作について、「つるっとした今の時代にこの映画がどういう意味を持つのか?と考えていたが、観た後はこの映画のことがとても愛おしくなった」と話されました。

上映期間中、元町映画館2Fでは鈴木朱紀子さんのくらげ写真展と、JellyClubさんのご協力によりミズクラゲの水槽展示を行っています。一週間限定の癒しの空間、ぜひご来場ください。

(mirai)

 


2014.11.25
『消えた画』トーク「ポル・ポト時代と向き合うカンボジア」開催しました

11/22(土)に、前田優子さん(前国連広報官@カンボジア特別法廷)をお迎えしてトークイベントを開催しました。

まず、監督についてお話がありました。
リティ・パニュ監督は50歳で、ご自身も家族を強制労働キャンプで亡くしています。1979年にカンボジアからフランスへ渡り、映画を勉強し、90年代にカンボジアに戻り、ドキュメンタリー監督として活躍。カンボジアの黒沢明と呼ばれているそうです。現在、プノンペンに視聴覚センターを作り、昔の映像を残して記録映画を作っていき、積極的に各地で映画上映会を開いているそうです。監督自身の考えとして、「語ることは、生き残った者の務め。社会的に認めてもらうことで、初めて意味づけられる」とのことでした。

次に、映画の舞台となる歴史的背景の説明がありました。
カンボジア人=クメール人とも言います。かつてのクメール王朝とは、タイからミャンマー、ラオス、ベトナムまであったそうです。それからフランス植民地を経て、1953年クメール王国として独立。50~60年代は、映画に登場していたように繁栄していたそうです。ベトナム戦争があり、1970年、王様の外遊中にクーデターが起こります。そして、追い出された王様と手を組んだのが、フランスへ留学していた超エリート集団で、カンボジアで共産党を起こそうとするクメール・ルージュ(政党)だったのです。そして、1975年クメール・ルージュ(政党)は全土を掌握します。なお、ポル・ポトとは、クメール・ルージュ(政党)のトップの人の名前だそうです。そしてポル・ポト政権になり、家族社会の破壊、貨幣通貨の廃止、住民を農村へ強制移住させ強制労働させたそうです(映画にも描かれています)。1979年、ベトナム軍がカンボジアに入り、親ベトナム政権を樹立。1980年代、ベトナムがカンボジアから手を引き、1991年平和条約を経て、1993年総選挙、フン・セン政権誕生。1998年にポル・ポトが死去し、クメール・ルージュが投降したそうです。

3つ目に、フン・セン政権からポル・ポトの死去を機に、ポル・ポト時代を振り返る取り組みとして、カンボジア特別法廷でのクメール・ルージュ裁判のお話をされました。2006年に設立されたこの法廷は、カンボジア人判事も国際判事もいる、というカンボジア政府と国連の共同運営です。ただ、いろいろな手続きに時間がかかったり、人数が少ないため、8年の間に扱った事件はたった4件で、解決できたのは1件だけだそうです。ただ、学生や大人にかかわらず、いろいろな人に法廷に来てもらい、当時のことを語ろうとしない犠牲者が大半な社会で、声を上げるきっかけづくりをしているそうです。そういう時代があったことは知っていても、何も知らない高校生達も、興味を持ってくれるそうです。

最後に質疑応答があり、今のカンボジアのお話もされました。
教師の給料は、かつては月20ドルだったが、今は60ドルだということ。それでも、縫製の仕事の初任給の方が高いということ。カンボジアの産業は、農業と観光業が主で、まだまだ豊かではなく、でも政府高官はお金を持っており、二極化になっていること。クメール・ルージュ裁判は、中国とベトナムは、お金も出していないし、黙って見ているということ。カンボジアへの観光は、食事はおいしいしエステも安いのでお勧めだが、ひったくりにだけは、気をつけて欲しい、とのことでした。

カンボジアは、みんなニコニコしていて普通の国に見えるけど、心の中では痛い過去を抱えていることを覚えておいて欲しい、という先生の言葉が印象的でした。

(空飛ぶ猫)

 


2014.11.23
元町シネクラブ Vol. 13  開催しました!

まずは恒例のスイーツ紹介から。今回は『グレート・ビューティ/追憶のローマ』にちなんで、イタリアのお菓子、トローネです。卵白とアーモンドを混ぜて固めたもので、ヌガーっぽい食感。美味しくいただきましたー。

さて、一本目は、お題ではなかったのですが、その日観た人の多かった『フランシス・ハ』。

「最後が取って付けたようにハッピーエンド。わざとらしいが、それが受ける要因では?よくできてる。みんな現実的な厳しいエンディングは望んでない。一流ダンサーにならなくても、幸せはあるよ、という話は悪くない」「ハンパな私で生きていく、というコピーがいい。できることとできないことがあって仕方ない」「タイトルの意味は?取り敢えず一人で住めるようになったけど、名字が全部入るほどではない。ファーストネームで呼び合う世界から少し出て行く、という事?」「女版『テッド』みたい。痛い映画。食事中に独り話し出して、皆があきれてる場面とか」「フランシスがダメな人として描かれてるのが救い。恥ずかしい、という感じはある。でも、本人はあまり落ち込まないところがいい」「主人公が走ってる途中で転ぶとか、ばかばかしいところが好き。女子2人の話は『花とアリス』思い出した。踊るところも似てる」

一方、「最後に結局うまくいくところがちょっと。彼女は実家もちゃんとしていて、決して悪い境遇にはいない。友達も金持ち。セリフで「君のは本当の貧しさではない」というの出てくるが、映画全体がどこか非現実的。ヌーヴェル・ヴァーグやウディ・アレンへのオマージュも、スタイルだけ。視野が狭い」という意見もありました。

『フランシス・ハ』は12/5(金)まで絶賛上映中です!

続いて、『So young 過ぎ去りし青春に捧ぐ』。

「中国の90年代は大きな変化があった。頑張れば自己実現できる、という希望がひらけた時代。手の届く範囲で幸せに、という今の若者にはわかりにくいかも」「愛とは何か、女性の視点で初恋の愛情の普遍性を描いている」「恋愛をとるか自分の夢をとるか」「当時は女子はなかなか外に出られなかったからこそドラマになる。今は制約がないので、ドラマが生まれにくい」「大学の雰囲気は、現実よりは自由過ぎ?台湾映画かと思った」「少数民族の女性の話が意外。相当優秀じゃないと大学に行くのは無理では。お金も必要だろう」「出てくる女性が強烈。日本の草食系男子ならひくくらい?でも、中国ではハッピーエンド」「中国人は面子が大事、というのがよくわかる。屋台してる男の子が成功してるふりするとか」「亡くなった好きな女の子にかすみ草を持っていくとか、中国の男性はロマンチック」などの意見がありました。

トレンディドラマ的な内容ですが、だからこそ日中の違いが分かって面白いかもしれません。大女優のヴィッキー・チャオが大学で監督の勉強をして、その卒業制作が本作です。「年代がわかりにくかった」などの意見もありましたが、次回作も楽しみです!

続いて、『グレート・ビューティー/追憶のローマ』『大いなる沈黙へ』は観た人が少なかったので簡単に。

『グレート~』は、「ローマのいろんなところ撮ってる。絵はきれいだけど話は難しい」「フェリーニを意識した観光映画」「「文壇への憧れ」みたいなものに共感できないと入り込みにくい」「イタリア男性はおしゃれ。石田純一みたい」などの意見がありました。

『大いなる~』は、「とても崇高で深淵な映画。映像美しい。でも、俗人が観ると、食事の前の手洗いのシーンとその後の議論や、猫に餌をやるときに一生懸命話すところなど、少し滑稽に感じてしまった」「あの中だけで完結してしまっている。俗世間で苦しんでいる人たちへの配慮は?」「あの生活様式が続いていることに意味がある。あれを通じて悟りをひらく。私が正しいとか何かしたということでなく、神から見て自分がどうか、ということ」などの意見がありました。

さて、次回のシネクラブはこちらです。たくさんのご参加お待ちしています!

(S/N)

 


2014.11.23
毎日書いて、リライトする。一番簡単で、最も難しい

11月20日木曜日、元町映画館で行われた「MOEBONキホン文章教室」に参加した。講師は中元文月さん。映画の批評からニュースの取材までマルチにこなす編集ライター兼Webディレクターだ。ジャンルにとらわれず取材している人の話を食い入るように聞いた。

  文章教室に行ったことがない私にとって、そこでの2時間は満足のいく話ばかり。文章を書く際にまず何を行うか。これがなければどれだけ言葉を並べても誰も読まない。その絶対的「3要素」。「面白い文章には必ずある」と中元さん。

その基本を学ぶと他のノウハウやテクニックがさらに有効的に見える。とくに絶対的ノウハウでは小学校や中学校の国語の授業に通じるところがある。学生の時に真剣に取り組んでいたら文章の力があがっていたかもしれない。

授業の途中には、出版にむけての手順や、出版業界についての裏話も説明も聞けた。聞いたことのない話もあり、出版業界を目指す人はぜひ、この講座を受けてもらいたい。

この講座と元町映画館の無料招待券がついて3800円。安い。
文章を書く力があって損はない。こんな講座が増えれば文章を書く人も増えるのではないか。「MOEBON」製作に向けて、11月23日、12月7日には実践講座も設けられる。

基礎を学ぶだけで文章がグッと変わる。リライトには時間がかかるが文章上達への近道に違いない。 実践編は、どんな話が聞けるのか今から楽しみだ。

(芋洋甘)

 


2014.11.10
第2回「神戸元町シネマスタート」開催しました!

11/9(日)の午後、"元町映画館パワースポット大作戦"というテーマで、第2回「神戸元町シネマスタート」を開催しました。

参加者それぞれが自慢の映画お宝グッズを持ち寄るという今回、主催の中元文月さんは「誰も持って来ないかもしれないから」と大量のグッズを持参。島本和彦さんのマンガ「アオイホノオ」に登場し、今年の東京国際映画祭でも大々的に特集上映が組まれた庵野秀明さんの大学時代の直筆サインや、ガイナックスの前身となった「DAICON III」OPアニメビデオ、今敏監督が1998年に発表した映画『パーフェクトブルー』の企画書(中元さん著!)などなど、みなさん目を輝かせながら手に取っていきます。

そして中元さんの杞憂をよそに、参加者からも出るわ出るわのお宝の数々。震災をくぐり抜けたという『ルパン三世 カリオストロの城』のスチール、日活ロマンポルノのポスター群、古いサントラLP、学生時代に講義をさぼって映画の感想を書き付けた数冊のノートまで…!お宝はもとよりそれらを手に語られるエピソードがどれも胸熱で、もはや会場は暖房いらずの熱気!!

後半はみなさんの書いたアンケートをもとに、好きな映画や最近観た映画について語り合いました。元町映画館で公開中の『フランシス・ハ』も「ダメな女の子だけど、彼女が踊ると舗道がステージになる!」と大絶賛。『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』の話題ではディカプリオの在り方についての爆笑論議まで飛び出しました。

ディカプリオと言えば、前回のシネマスタートでは【『タイタニック』の最も重要なシーンはこれだ!】という話題がありましたが、11/15(土)に大阪で開催されるシネマスタートでもこのテーマが登場しますのでまだ聞いていない方はぜひご参加ください!
詳細はこちら→

映画への愛で会場が埋め尽くされた今回のシネマスタート。いつも大盛り上がりの楽しいイベントです。次回もぜひお楽しみに!

(mirai)

 


2014.11.10
『ポルトレ』内田俊太郎監督&石原弘之プロデューサー舞台挨拶開催しました!

11/9(日)、元町映画館オリジナル企画《特集 JAPAN NEW WAVE》第一弾の最後の作品である『ポルトレ』の内田俊太郎監督と石原弘之プロデューサーにお越しいただき、上映後に舞台挨拶を開催しました。お2人は現在20代で多摩美術大学在学中という、まさに《JAPAN NEW WAVE》!

モノクロで撮られた『ポルトレ』は、懐かしいのに現代的、クールでスタイリッシュなのにどこか泥臭さも感じさせ、相反する印象を同時に受ける不思議な映画です。
「16mmフィルムとデジタルを織り交ぜて撮った」という内田監督。主人公の青年が鏡に映った顔を見るときはフィルム映像が使われるなど、編集にも工夫が凝らされています。
その主人公を演じる吉村界人さんがとても印象的な『ポルトレ』。キャスティングはどのように?との質問に、「ハチマキ巻いた変なやつがいて、ひと目で彼に決めた」と内田監督。吉村さんは『ポルトレ』撮影中に故・松田優作さんの事務所入りが決まり、その後は新進俳優として活躍の場を広げています。当館でも来年公開する『百円の恋』にも出演されているので、ぜひ応援してください!

監督志望で多摩美に入り、映画祭を主催するうちに映画を作るだけじゃダメだ、お客さんに届けるまでのことを考えなくてはと思い、今作からプロデューサーとして活動し始めた石原さん。元町映画館について「地域に根ざして活動していることを感じられる、大好きな劇場」と話してくださいました(感激!)。

この日から最終日の11/14(金)まで連日の舞台挨拶と宣伝活動をしてくださるというお2人、映画館近くにウイークリーマンションを借りての神戸滞在です。作品をつくること、それを観客に届けること。映画への思いと真摯に向き合い、言葉を交わせばその情熱がバシバシ感じられます。ぜひご来場の際はお2人とお話ししてほしいです。そして若い才能をみなさんの映画愛で育ててください!

(mirai)

 


2014.11.05
MOEBONプロジェクト キホン文章教室を開催しました。

11/3、元町映画館2Fにて「MOEBON キホン文章教室」の第1回を開催しました。
講師は編集ライター兼webディレクターの中元文月さん。

映画を題材にしたレビューをもっと上手く書けるようになりたい。自分の気持ちを上手く表現したい。そのためには何が必要なのか。そのキホンのイロハを教えてい ただく文章講座です。

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まず覚えてほしい事。

100%の完成度の文章はないという事。しかしリライト(文章を再度書き直す事)をしていくことで、文章の完成度をあげることは100%できる。それが一番重要な事 です。

ネタ探し、継続するコツ

毎日文章を書いていれば半年後にはプロになっていたりする。そんな毎日の事をアウトプットする場としてはブログが一般的。世界にある7000以上のwebサイト の中で、実は日本語のブログが一番多いのです。
教室に参加されてた人の中にも、自身のブログをもっているという方がいらっしゃいました。とはいえ、毎日続けるのは大変。ほぼ間違いなく数日でネタがなくな り、続かないと誰もが嘆きます。
しかし、好奇心・疑問をもって世の中を見渡せば、ネタは満載です。
ネタ探しの基本は主にニュースなど、毎朝目に入ったものの簡単な感想を書いてみる事です。

またシナリオ作家がよく使っている方法は50音カルタを作ってみること。リンゴ、ごま、男、女、ある単語ひとつから連想し、ゲームのようにして書いていき、バ ラバラになったものを組み合わせてストーリーを書く。これはプロもやっている方法なので非常に有効な手段です。
いずれも興味のあるものを自ら調べる事が大事。知識が増え、継続するコツになります。

書き始める前の準備

書くという事は、なんだかんだと「コミュニケーション」の第一歩。
なぜ書くのか、誰に向けて書くのか。結果どうしたいのか。これが絶対的な入り口です。いわゆる、ターゲット設定。日本にあるマーケティングの世界ではよく「ペ ルソナ」なるものを設定します。
こう書いたらあの人は喜んでくれる。そういったイメージを思い浮かべながら書いてみる事が大事です。

誰にも読んでもらえない事を意識すること

他人に自分の書いたものをどうすれば読んでもらえるのか。
文章を書くとき、覚えておきたい絶対的「3要素」があります。

読者に役立つ情報を伝えること。
知識のない読者への説明、または紹介をすること。
ただの紹介だけに終わらないように主観、または共感を得やすい主観を書いてみる事。

さらに要素を追加するならば、有名な人の言葉、または客観的データ(数字や過去の記録)を引用してツカミにもってくるのが有効的です。

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こういった書き始める前の準備段階、文章についての絶対的ノウハウ、絶対的テクニックのキホンなど、中元さんが丁寧にレクチャーしてくれました。

私自身、文章を書く事が苦手です。しかし自分の気持ちを文章で表す事は人と関わりあう中で、重要なコミュニケーションのツールだと思います。これを機に上手く 文章が書けるようになる努力をしようと思っています。

1を現在の実力だとして毎日0.01努力するか、さぼって0.01後退するかが大きな差になってくる事。中元さんもおっしゃていました。日々の努力がなにより大事なこ とですね。

次回のMOEBON教室は実践編。リアルタイムで原稿をチェックし、より高い文章執筆をその場でシュミレーションします。

MOEBONについてのQ&Aはこちらから→その1その2

(つ)

 


2014.11.04
元町シネクラブ vol.12 開催しました!

さて、今回のスイーツは、『GF*BF』にちなんで台湾のパイナップルケーキです。こういうのが名産となると、やっぱり南国なんだなぁ、と思い知らされますね。確 かに、台湾の青春映画は眩しい光に汗がキラキラ光ってるイメージです!

ということで、お題の『GF*BF』から。
口火を切られたのは、「大阪アジアン映画祭で最初に観て号泣、その後何回も劇場に足を運びました」という方。「メイバオ(グイ・ルンメイ)の白紙の手紙の意味 は?」という問題提起でした。 これには、実際友人が同じことをしていたという方から、「好き過ぎて何も書けないという事もあるのでは?」という意見が。 この手紙をチョンリャン(ジョセフ・チャン)が「読む」シーン、最初に出てくるときは笑ってるんですが、後半では号泣してるんですよね。メイバオの真意を汲ん で、それに応えられないというもどかしさや、自分のシンレン(リディアン・ヴォーン)に対する気持ちとの重なりなど、いろんな感情が相まっての号泣だったと思います。

そのほか、「CM出身の監督だからか、映像がきれいだった。メイバオが窓から浮気相手を見るシーンや、空港でパスポートをエスカレーターの手すりに流すところと か。あと、不倫してる者同士の会話内容や、前半でメイバオが髪の毛を半分切るシーンなど、表現が凝ってる。お腹痛い時に草をもんであげるシーンもいい」 「台湾の歴史を入れ込んでいるのがいい。『悲情城市』の続きみたいな話」 「経済は発達しているのに、政治的にこんなことがあったとは知らなかった」(学校に軍人がいたり、この辺りは日本の感覚とはかなり違いますね) 「台湾は同性愛に対してはオープン。でも、結婚していない人は父親になれない、という面もある」

と、ここまでは女性陣の意見なのですが、男性陣は、 「後半、大人になってからの展開が俗っぽくてわからない。メイバオの子どもを育てる、というのも非現実的」 「監督の自己愛が強い印象。表現、編集手法が独りよがり」 「グイ・ルンメイ目当てで見た。髪の毛切るシーンがいい。アップに耐えられる顔をしてる稀有な女優。でも映画としてはいいと思えない。『So young』『あの頃、 君を追いかけた』など最近観た中華系の青春映画の中では、最も突き刺さるところがあった。古傷を暴いて塩を塗る、みたいな」
などと辛口の感想が多かったです。

なお、最後のご意見に対しては、「この、苦いところがいいのに!」という女性陣の反論もありました。
女性のほうが打たれ強い?のでしょうか??

続いて、『ソウォン/願い』。
こちらも、3回くらい見た、という方が。
「親が狂って復讐、という映画が多いが、これはそうでないのがいい。まずは子供を立ち上がらせることを優先してる。着ぐるみで喜ばせたり。また、近所の子が女 の子に手紙を書いてあげるなど、救われるシーンがある」 「被害者がこんなに大変なんだ、というのがよくわかった(テレビに映される側の大変さ)。傷が癒えるまでには時間がかかるので、お父さんが会社を辞めざるを得 ない、というのもリアリティがあった」 「監督はヒットメーカーで、よくできてる。カウンセラーは子供の言うことを否定しない、というのがよかった」 「こういう作品ができるかどうかというのは、社会全体の成熟度の問題。レイプを絶対悪として捉えているかどうか。日本はロマンポルノやAVの影響か、女性もそれ を望んでいるのでは、などと考える男性も少なからずいそう」 といった意見がありました。

私は、このような犯罪は、弱い者がさらに弱い者を攻撃する、という側面もあると思います。その点では、容疑者像が単純な悪人ではなくもう少し掘り下げて描かれ ていれば、もっと事の複雑さを伝えられる映画になっていたかも、と感じました。

そのほか、 「少女の心電図の画面とか、細かいところまでちゃんと表現できてた」 「警察は治安を守る。マスコミは売れる情報を取材して流すだけ。結局被害者を守るのは、家族とか周囲の人。そこがちゃんと描けていて、その"周囲の人"的存在で ある観客が共感できる内容になってた。でも、近所の人があんなにいい人か?という気はする」 「そこは作り手の願望も入っているのでは。親子の情愛についてなど、深く考えさせられた」 「残虐なシーンはないが、病院で傷を見せる場面などでそれをわからせている」 などの意見がありました。

一方、「キャッチコピーの〈幸せに生きていく それが最大の復讐〉に期待して観たが、被害者本人に負担を強いて終わっている感じがした。彼女がいい子すぎるの で。大人になっても幸せ、というシーンがあれば希望が持てたが」という意見もありました。 確かに、私もお父さんが犯人に襲いかかろうとして女の子が止める場面などは、なくてもよいかと思います(あまりに女の子が献身的に描かれているので)。

被害者が「幸せになる」のは容易なことではないからこそ、エンディングはあそこで終わらざるを得なかったのかもしれません。ちなみに、韓国映画でこの作品のそ の後を描いたような映画として、『チャーミング・ガール』(2005)という秀作があります。機会があればぜひ見てみてください。

最後は『ジプシー・フラメンコ』です。
「だんだん踊りの音とリズムに惹かれていった。ダンスシーンが少ないので不満、という意見を見たが、これはカルメン・アマジャからロマの男の子につながる、ジ プシーの絆のようなものを描きたい映画。差別を受けてきた歴史の上にある、ロマの文化としてのフラメンコ」 「男の子がカルメンの映像を見て歓喜するシーンに感動。子供の時に本物の芸術に触れるのが、どんなに大切かわかる」 といった感想がありました。

さて、次回のシネクラブはこちらです。

(S/N)

 

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