イベントレポート


2015.4.29
「あなたの情熱をぶつけろ! 映画版ビブリオバトル in 元町映画館」開催しました!


4月18日と19日 の2日間、「映画版ビブリオバトル」というイベントを開催いたしました。

知的書評合戦(=ビブリオバトル)とは
限られた時間で自分の好きな本を発表する催しです。
そしてどの発表者の紹介した本が一番読みたくなったかを最後に決定します。

それを映画に置き換えて開催したのが今回のイベント!

当館としては初の試みとなりましたが、
まず言わせてください!

「映画版ビブリオバトルって超楽しい!!!」

主催者自ら言ってしまいました。

イベントを運営しながらも、ふと気がつくと
発表を熱心に聞き入っている自分がいる。

バトラーのみなさまの練りに練られた発表は、
仕事をしていることを忘れさせてしまうくらい
惹きつける力がありました…!

作品に対する、バトラーの愛情も伝わってきますし、
何よりほんとうに観たくなってくる!

発表の大きな見所は紹介する切り口がそれぞれに違うところです。
ほんとうに発表には個性が出るんです!

ある人は映画の中の登場人物に恋をしてしまったことを打ち明け、

またある人は「自分の人生を狂わせてくれた!」と
複雑な笑みを浮かべながら作品の魅力を語るのでした。

また観戦していて感じたことは
作品を鑑賞する段階でも個性が出るのではないかということ。

ストーリーに注目するのはもちろんですが、
バトラーのひとり、映画『ろまんちくろーど』の今井いおり監督は
監督の人柄などを交えて作品を語っている印象的で、
映画の楽しむ方法をまたひとつ教わった気がしました。

映画への関わり方は人それぞれ!

でも共通してるのは、みなさん映画が大好きだということ。

バトラーのみなさんも、観戦者の方も双方楽しんで、
イベント企画時に目指していた「映画愛の共有」が
できていたのではないでしょうか?

実は今回のイベントの模様を5月23日まで動画で配信しています。
(詳しくはこちら→

投票も募っており、得票数の多かった作品は
8月の当館の周年イベントでの上映も予定していますので
ぜひ、そちらもご参加ください!

(さいとう)


2015.4.28
『あの娘、早くババアになればいいのに』頃安祐良監督による舞台挨拶開催!


4月25日(土)『あの娘、早くババアになればいいのに』上映を記念して、頃安祐良監督による舞台挨拶を開催しました。

横浜から急遽、神戸に駆けつけてくれた監督。
自身のプロフィールにも記載されたいる「アイドルに傾倒...」ということでアイドルに詳しいのかと聞かれると「アイドルは好きです。汗を流して頑張ってる姿みてると応援したくなるじゃないですか」とキッパリ。映画愛×アイドル愛があるからこそ、この作品は生まれたのでしょうか。アイドルへの純粋な想いは作品からもひしひしと伝わってきます。

作中に出てくる本屋は監督の知り合いの方が経営していると語り、そこには映画監督、ジャン=リュック・ゴダールの書籍が!そしてなんと、この作品、どんな場面で出てくるかは伏せますが、ゴダール監督が出てきます(もちろん偽物ですが)。

お客様からの質問ではゴダール監督役の外国人タレントさんのお話へ。「ゴダール監督役の人のギャラは?」「○円です」とかなり突っ込んだ質問にも答えて頂きました。顔ももちろん、似ている人をキャスティングしたんだと思っていましたが、監督曰く「似てない。監督写真を見てさらに似てないな...と」と答え、観客の笑いを誘っていました。

最後に監督から清水君役の切田亮介さんについて「映画の中でキスシーンがありましたが、切田くん、あれが人生で初だそうです」とのタレコミが!確かに、見ている観客側も緊張しそうなキスシーンがありました。これぞ、まさに青春、恋。そんなものが自分にもあったのかな~と思いつつ、このシーンは今作の見所の一つです!

次回作も製作中とのこと。いろいろな問題が勃発しているそうですが果たして当館で公開されるのでしょうか?今から完成が楽しみです。

あの娘、早くババアになればいいのに』は連日20:00~上映。5/1(金)まで!!

(芋羊甘)


2015.4.23
『おんなのこきらい』スペシャルトーク開催!


4/18(土)『おんなのこきらい』上映を記念して、加藤綾佳監督、木口健太さん、谷啓吾さん、西島大介さん、ミルクマン斉藤さんによる舞台挨拶&トークを開催した。

本日、司会3本目のミルクマン斉藤さん。まだまだガス欠にはならず、走り続けていた。

ミルクマン斉藤さんは開口一番「ホント、この映画凄いし、可愛いよね、それなのになんでこの作品、準グランプリなんだろ?」と加藤監督に尋ねると「私もなんで取れなかったんでしょ。この映画に関しては可愛いということが大前提」と本音と本作のテーマを述べた。

「可愛いという言葉を初めて映像化した映画」と絶賛のミルクマン斉藤さん。その表現は正にその通りだと思った。

パンフレットに寄稿しれいる西島大介さんは作品について「女の子同士で可愛いと言い合うコミュニケーションがあるじゃないですか。この映画は視聴者が考えるよりも2、3段上にかわいいという基準を設定している。可愛いクオリティーが高い」と語った。ロジカルな作品でもあるとこちらも絶賛。男性目線でありつつ、この映画を可愛いという目線で語れるのはマンガ家ならではの観察眼だ。

木口さんは今作で一番初めにキャスティングが決まったという。初めのセリフは何度か変更があり、後付けの設定が変更しても映画が成り立つということにご本人も驚いていた。
スタッフはほとんど男ばかりで、木口さんにはほとんど照明が当たらなかったという裏話も。鍋をみんなで食べるシーンでは照明さんが女優陣を可愛くとりたいがために木口さんの通路を邪魔するといったことも。

「ぬるい可愛いの言い合いは嫌い」と語る加藤監督。そこまで断言できる気持ちがあるからこそこの映画が生まれたのかも知れない。

公園で木口さんが森川さんを慰める本作でも特に見所のあるシーンでは何度も撮り直しがあったという。アクシデントがあった中でも撮影は続行されて、1テイク目で全力を出し切った森川さんを励ますため、木口さんはアドリブで肩を叩く動作を交えたそう。女の子なら誰しも憧れるシチュエーション。それをあっさりやってのける木口さん。男から見てもイケメン。現実でもこんなに男前なのか!

最後はお客様からの質問で「どうやったら気になる女の子を落とせるか」という話題に。回答は谷啓吾さんに集中。さらっと周りに助けを求めるものの援護は無し。そこですかさず加藤監督が「弱っているところを狙う」と映画に即した的確なアドバイス。さらには木口さんは「人の心、相手の心情を読み解くために色んな本を読んでます」と良いところをかっさらっていた。

森川葵さんを筆頭に女の子の心情、そして可愛さを追求した作品に思われるが、男性からの目線の描き方も丁寧に描かれている作品。出演者1人1人が作品に対してどう想うかで映画の雰囲気は全く違ったものになっていたかもしれない。少なくとも本日のキャストの方々はみんな同じベクトルで映画に取り組んでいるように見えた。ミルクマン斉藤さんの言葉を借りるなら「この映画怖い」。『おんなのこきらい』はかわいさと怖さ両方を表現したまさに傑作だ。

(芋羊甘)


2015.4.21
『世界の終わりのいずこねこ』舞台挨拶&スペシャルトーク開催しました!


初日の4/18(土)上映前、スウ子役の蒼波純さん&ミイケ先生役の西島大介さん&竹内道宏監督の舞台挨拶を開催しました。

映画の中では蒼波さん演じるスウ子のトレードマークでもあるヘルメットと「反対!」と書かれたプラカードを、なぜか西島さんが着用しての登壇です。日帰りで駆けつけてくれた蒼波さんは舞台挨拶のみに参加し、廃墟での撮影が楽しかった話をしてくれました。

そして上映後、映画評論家のミルクマン斉藤さんをお迎えして、竹内監督と西島さんとたっぷりトークをしていただきました。

昔から西島さんのマンガを愛読していたというミルクマンさん。西島さんのデビュー作「凹村戦争」と本作の共通点を挙げますが、それもそのはず、本作の脚本は竹内監督と西島さんとの共同執筆なのです。作品はきっちり〈SF〉しており、未来の設定だけど「ひりひりするほど"今"を感じる」とミルクマンさん。

キャスティングの話題では、イツ子役の茉里さん(ex.いずこねこ)とスウ子役の蒼波さんが真逆のタイプだというお話が印象的でした。茉里さんはどんな状況でも明るく表情豊かで、脚本に書かれている言葉の意味を理解していなくてもそれを表現できるし、伝える力がある。「まさにアイドル」とみなさん口を揃えて言います。

逆に蒼波さんは、口数が少ないばかりか声も小さく、表情にもあまり変化がない。でも何もせずそこにいるだけで"映画的"なものが立ち上ってくるほどに印象的だと話します。

客席からの質問では、最も影響を受けた映画について、竹内さんと西島さんから「スタンリー・キューブリック」の名が挙がりました。本作のエンドクレジットはキューブリックの手法を取り入れていると竹内さん。ぜひ実際に観て確認してみてください!

お気に入りのシーンについては、「脚本の意図を超えたところにグッとくる」「言葉にならないところが映像になっているシーン」だという答えが聞かれました。

いろんなところに挑戦が見られる『世界の終わりのいずこねこ』。一週間限定ですが、ぜひ劇場で体験してください!

(mirai)


2015.4.21
『ワンダフルワールドエンド』スペシャルトーク開催!


4/18(土)『ワンダフルワールドエンド』上映を記念して、主演を務める蒼波純さん、松居大悟監督、ミルクマン斉藤さんによるトークを開催した。

ミルクマン斉藤さんによる司会で始まった今回のスペシャルトーク。このあとの作品でも司会を務めるのにも関わらずいきなりギア全開!そして東京以外での舞台挨拶が初という蒼波純さん。なんと宮城からお越しになり、トーク終了後にすぐ宮城へ帰るという弾丸スケジュール。滞在時間わずか2時間ながら強烈な印象を残していった。

松居監督によると当初の予定では"亜弓"は高校3年の設定だったよう。映画初主演の蒼波さんの雰囲気を気に入り監督が中学生の設定に変更したそう。共演の橋本愛さんは蒼波さんに対して「とにかく好き」と称しており、年齢の設定を変更しても「絶対大丈夫だから」と太鼓判を押したそうだ。ミルクマン斉藤さんもこのキャスティングには「映画の中の2人に化学変化が起きている」と解説した。

蒼波さんと橋本さんの互いを携帯で撮影するシーンは松居監督の考えよりも可愛くなっており「相手のことを可愛いとなぁと思いながら撮影した方が女の子本来の良さが画面に映し出される」と解説し「自分たちの仕事ってなんなんだろうかと考えさせられた」とぼそり。

お客様からの質問では「蒼波さんが絵を描くのが好きなんですか?という問いがあり、蒼波さんは「はい」と語った。さらに監督は「その絵が好きなところを愛情表現の1つとして取り入れた」と語った。蒼波さんの雰囲気、性格が大きく影響している作品となっていると感じた。

舞台挨拶の最後には蒼波純さんの公式Twitterで話題沸騰の"おやすみじゃんけん"も開催。「おやすみじゃんけん~」から始まると思いきやまさかの「最初はグー」という始まり方に驚き。「あいこと負けの人はだめ」と説明を行い、蒼波さん直筆サイン入りパンフレットは誰が獲得するのか。異様な雰囲気の中、じゃんけんが行われた。1度目のじゃんけんでは蒼波さんが全員に勝利。さすが、おやすみじゃんけん考案者!「2度目やります」と宣言されると観客からは拍手が。最後にはお客様同士でじゃんけんをして頂き、見事、勝利されたお客様は蒼波さんからサイン入りパンフレットを受け取った。

あっという間の時間だった。とにかくずっと見ていたい。観客の誰もがそう感じたはずだ。
その場にいた誰よりも最年少、しかし誰よりも存在感があった。あまり多くを語らないその姿を生で見れた人は本当に幸運だ。若干13歳だが、見るものを釘付けにするこの魅力はなんなのか。可憐、可愛い、綺麗、褒める言葉は多くあるがどれにもあてあまらない。全く新しいタイプの女優さんではないだろうか。ますます目が離せない。じゃんけん勝ちたかったのが本音。

『ワンダフルワールドエンド』は残り1週間!4/24(金)まで。
連日17:20から

(芋羊甘)


2015.4.12
『ろまんちっくろーど~金木義男の優雅な人生~』スペシャルトーク開催。


『ろまんちっくろーど~金木義男の優雅な人生~』公開を記念して、4/11(土)今井いおり監督、金木義男さんによる舞台挨拶&トーク、そして音楽を担当する、よしこストンペアさんによるミニライブを開催した。

毎日のように当館へ足を運んで作品を宣伝して頂いた金木さん。本日も宣伝&舞台挨拶のために現れるかと思いきや来ない。何分待っても来ない。監督含めたスタッフがそわそわする中、舞台挨拶本番直前に現れた金木さん。それでも笑って舞台挨拶されるその姿はまさに映画の中の優雅な人生そのものだ。

当館2階にて行われたトークショーは開口一番「本は1700冊売れた。でも1つもリアクションがかえってこん!」と想いを語った。今井監督との具体美術協会の話では金木さんのここでしか言えない話しがもりだくさん。お客様の中にはその道に精通している方もおり、さらに濃い質問がとびかった。

"オリジナル"についてのお話では「誰かの真似をして作品を生み出している人は進化しない。常にオリジナルな作品を作る人は進化し、人間も強い」と語った。「でも、コピーで上手いこと行く人は賢い人だ」としっかりフォローもされた。

よしこストンペアさんのミニライブでは、アコースティックギターとピアニカを使い分けて、劇中の「よろこびも悲しみも」も披露。昨日家に届いたばかりという出来立てホヤホヤの新アルバム「GO FIGHT !!」から「再会」を披露した。ライブの最後は印象的な劇中のメインテーマをイシダストンさんがピアニカで演奏され、会場の手拍子と共に大きな拍手に包まれた。

いつも宣伝のために当館に来て頂いている金木さんはサイン会でも元気。「俺も頑張るから、君も頑張れ」とリヤカーを引きながら声をかけてくる通行人にサラッと言うその姿に改めて心ひかれる。

金木さんは笑いのセンスが抜群。「この映画を撮った動機は?」という客席からの問いに対して監督が応える最中に「お前らあかんわ。賢くないと」と金木さんがコメントし客席の笑いを誘った。劇中の中では若者に向けてのメッセージは?と問われると、ご自身は頭は良くないと明言した上で「やっぱり勉強やな」とキッパリ。その裏表のないはっきりとした性格は誰にも真似できない。まさにオリジナルだ。

そんな金木義男さんの人生を追ったドキュメンタリー映画『ろまんちっくろーど~金木義男の優雅な人生~』は4/17(金)までの1週間限定公開。連日12:20から。

(芋羊甘)


2015.4.8
『パンク・シンドローム』さそりの兄弟トーク開催しました!


4/5(日)上映後、謎のユニット〈さそりの兄弟〉によるトーク、題して「俺たちパンク・シンドローム族~言うこと聞くよな奴らじゃないぞ~」を開催しました。

謎のユニットの正体は、ロック漫筆家の安田謙一さんと、DJで画家のキングジョーさん。音楽系映画のトークでは何度かお越しいただいているので、元町映画館ではおなじみのお2人です。

なんで〈さそりの兄弟〉?!それはお揃いで着ているジャンパーの背に住むさそりが由来でした。このユニフォーム、2012年公開のアメリカ映画『ドライヴ』で主人公が着ていたもののレプリカで、たまたまそれぞれがネット通販で購入していたんだとか。「でももうこれ着るの暑いから解散かな」と安田さん。ちなみにトークタイトルは「ECDのパクリ」だそうです。

この映画の主役〈ペルッティ・クリカン・ニミパイヴァト〉はフィンランドのバンド。キングジョーさんは「いろいろ調べてきました」と、税率や福祉など、フィンランドがどういった国なのかを説明してくれました。"福祉大国"とも呼ばれ、国家の理想型のひとつと謳われることも少なくないフィンランドですが、「どれだけ居心地の良い場所でも耐えられない面はあるし、そこにパンク精神が生まれる」と安田さん。

バンドの特徴として、「歌詞がそのまんますぎる!」とお2人は口を揃えて言います。比喩がひとつもなく、全ての歌詞が彼らの日常そのまんま。「種田山頭火とか、まるで俳人のよう」とジョーさんが言います。

今回のお2人のお揃いのジャンパーや、イギリスのパンクバンド、ザ・クラッシュが結成時にみんなで古着屋へ行き、革ジャンを買って「これで俺たちはバンドになった」と言ったというエピソードなど、いわば"バンド感"が彼らには全くない、と安田さん。メンバー間はけっこうドライな感じで、日雇いで組んだチームっぽい。でも、これがバンドの理想型ではないかと言います。映画では彼らの未来を示唆するような描写はないですが、このバンドはこの先どうなるんだろう、どこを目指すんだろうと考えたと安田さんが言うと、「KEEP ONとしか言いようがないですよね」とジョーさん。

バンド経験のあるお2人だからこその感想や、脱線トークも飛び出しゆる~いながらも笑いの絶えない楽しいトークでした。

(mirai)


2015.4.8
『ワンダフルワールドエンド』スペシャルトークを開催しました


4/4(土)上映終了後、森茂起さん(甲南大学文学部教授)森年恵さん(甲南大学文学部非常勤講師)のお二人に精神分析&映画学を用いて"ネットアイドル×ゴスロリ÷精神分析"というテーマで映画を解説して頂いた。

その答えはいかに?

まずは森茂起さんから精神分析を全く知らない人に向けた基礎的な講演から始まった。"無意識""フロイト"などの基礎的な単語の説明後"心の成長・形成"について講演された。「赤ちゃんの時から人の顔を見て心があると判断する」「幼い時から人は自分と同じ心を持っていると理解する」と心の形成は生まれた時から続いているものであり、常に成長していると語った。

「人にどう見られたいか。それを実現するために人間はキャラ作りを覚えた。それを可能にしたのは鏡」と語り、鏡を見て人はより良い自分を作りあげるため、着飾り、化粧をし、最近では撮った写真を加工し、スマートフォンでは自撮りをも可能にした。映画の中のネットアイドルの"詩織"のより良く見られたい願望をもとに形式立て、説明して頂いた。

次に劇中の"詩織"と"亜弓"の関係に触れ、 相手に想いを伝えることで自分が傷つくかもしれないという不安を感じているが、一方で感情を伝えたいという願望をツイキャスが可能にしたと語った。

ラストシーンの解説では「はっきりと断言はできないが"詩織""亜弓"という同性同士の親友になることで心の責められることのないキャラ作りの解放が行われている」と語った。

森年恵さんの映画学を用いた解説では今作は"フレーミング"が上手く使われていると語り、"オンスクリーン""オフスクリーン"という言葉を用いて解説した。特にツイキャスのシーンを例にあげ、画面が二重、三重の効果を生み出していると語った。

「ツイキャスの登場で、近代、映画では表現しきれなかった新しい表現が生まれた」と語り、画面に人が存在しなくても次々と更新される視聴者のコメントによって「見る側が映画の中に参加しているという効果が生まれている」と解説した。

またサブタイトルにもある"さよなら男ども"というフレーズにも注目した。これは女性同士の連帯感を表現しており、ゴスロリファッションを着用することがそれを決定付けている。同じ服を着用することで男性は単なる自分たちのファンとして共有認識する効果があると語り、これは社会に居場所を見つけるための"戦闘服"という表現をされた。

ゴスロリを単なるファッションとしてとらえるのではなく、何かに立ち向かう戦闘服という表現には驚いた。この映画が単なるアイドル作品ではないことを理解した。客席にいたお客様も大きく頷かれていた。

最後に森茂起さんがキャラ作りに話を戻し、誰かに見られる、そして見られたいという願望が見事に表現されており、今作は精神分析的に考えられる要素が至る所に散りばめられている作品だとも語った。

テーマである数式の答えは「愛の∞」。人間と人間の愛は昔も今もこれからもずっと続いていると締めくくった。

1本の映画をシーンごとに解析し、それぞれに自分なりの解釈を持つことはあまりなかった。しかし、疑問に思うシーン、なぜゴスロリを着ているのか不思議に思うことは多々あったが、その疑問が講演を聞いて解消した。

橋本愛と蒼波純という若手女優が映画で生み出す独特の雰囲気をぜひ劇場でご覧いただきたい。その際、これはどんな意味があるのだろうか、このセリフの意味は?など常に疑問に持たせる表現が多々有る。「来ないで」と言われても何度でも観たくなる不思議な魅力がこの作品にはある。4/24(金)まで公開中。

(芋羊甘)


2015.4.5
『徘徊』田中幸夫監督・酒井アサヨさん・酒井章子さんトーク開催しました!


4/5(日)上映後、田中幸夫監督の舞台挨拶に加え、酒井アサヨさん・章子さん母娘にもお越しいただき、トークイベントを開催しました。

トーク会場に設置していたチラシのうち、なぜか『あの娘、早くババアになればいいのに』をみなさんに見せるように持っているアサヨさんの姿に、トーク開始から会場が笑いに包まれます(なぜそのチョイス!?)。

トークはお客さまからのご質問やご意見にお答えしてゆく形で進みました。

もともとどんなお母さんだったのかと聞かれ、「大嫌いな母でした」と章子さん。「水と油。価値観が正反対で、18歳で家を出たのでほとんど母がどんな人なのか知らなかった。認知症になったことで一緒に暮らし始め、いろんな面を知ることができて良かった」と話されます。

でも発症した最初の頃は「まるでエクソシストと極道の妻を足したよう」だったそうです。アサヨさんがいることで自分の生活がバラバラになってしまうことに怒りを抑えられず、「死んでくれ」と思ったことも。

でもアサヨさんを中心に置き、折り合いを付けながら自分の生活を再構築したことでとても楽になったそうです。映画の中の章子さんにも、実際にお話しする章子さんにも、"悲壮感"はまるで感じられません。

昨年当館でも上映した『凍蝶圖鑑』のイベントを、章子さんの主宰する「10w gallery(テンワットギャラリー)http://www.10w.jp/」で開催したことで章子さんと出会ったという田中監督。お2人の生活や会話を目にするうちにこの〈関係性〉に魅力を感じ、撮影がスタートしたのだと話します。

何をしている時が一番楽しいかと聞かれたアサヨさんは、「ねんねこして楽しい夢を見ている時」だとお話しされました。トーク中にもいろんなお話をして会場を笑わせていたアサヨさんですが、ほぼ全てが作り話。「記憶はできなくても、延々作り話ができるのだから脳は働いている。この"楽しむ力"には感心します」と章子さん。

章子さんいわく「私が娘だということはほとんどわかっていない」とのことでしたが、トーク中、アサヨさんが章子さんを指して言った「この人は私の"育ての親"」という言葉が、妙に真実を突いている気がして心に残りました。

家族に被介護者がいる方、また介護の現場で働いている方はもちろん、まだ介護なんて関係ないとどこかで思っている30代の方にも、ぜひ観ていただきたいです。私も、まだ介護が自分の身に降り掛かってはいませんが、笑いながらこの映画を観た後には、なんだか心のどこかが軽くなったような気がしました。

(mirai)


2015.4.5
『仲代達矢「役者」を生きる』稲塚秀孝監督舞台挨拶開催しました!


4/4(土)初日の上映終了後、稲塚秀孝監督が東京から舞台挨拶のために駆けつけてくださいました。「観に来てくださるお客さまに直接お会いしたい」と、どんなに短い時間でも可能な限り全国の上映館に足を運んでいるという稲塚監督。地方の劇場としては嬉しい限りです!

『二重被爆 ~語り部・山口彊の遺言』『書くことの重さ 作家 佐藤泰志』などをこれまで手がけられた稲塚監督。今回"役者・仲代達矢"をテーマに選んだのは何故か?というところからお話は始まりました。

テレビの現場で仲代さんに出会ってから数十年、俳優、そして人物そのものに魅せられ続けていたと稲塚監督。今回仲代さんの主宰する"無名塾"で不条理劇「授業」に挑戦するとの話を聞き、俳優生活60周年を迎える仲代さんの新たな挑戦を記録しようと思ったのだと話されます。

撮影が進む中、無名塾の入塾審査に立ち会う機会があったり、仲代さんが脇役にひいての舞台「ロミオとジュリエット」の企画が持ち上がったりということがあり、「授業」だけに留まらない作品に仕上がったということでした。

折しもお越しいただいた当日、無名塾の今年度の契約式が行われているということもお話しいただきました。今年は例年よりも多い7名の入塾が決定しているそうで、その中からまた新たな才能が育っていくことを楽しみにしておられました。

この秋全国公開となる稲塚監督の新作『NORINTEN ~稲塚権次郎物語~』では、世界の小麦の70%を占める育種源を生み出した稲塚権次郎の半生を描き、仲代達矢さんが主演を務め、無名塾出身の俳優さんも多数出演しています。こちらの公開もとても楽しみです。

(mirai)

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