イベントレポート


2015.11.29
『螺旋銀河』草野なつか監督公開座談会開催しました!


才能のある若手監督を紹介している「JAPAN NEW WAVE」。5人目は草野なつか監督です。長編デビュー作である『螺旋銀河』公開初日、11月28日に「公開座談会」なるものを開催しました。

「公開座談会」とは、お客様と監督、そして劇場スタッフが垣根をとっぱらい、一緒に、気軽に、作品について語らおうとする会です。舞台挨拶とは違い、リラックスした雰囲気になるよう努めています。

今回も10名ほどのお客様が参加していただきました。同イベントは『息を殺して』『3泊4日、5時の鐘』に続き、3度目の開催。前回参加されていた方の姿もチラホラ見え、さっそく座談会の常連となっていただいて本当に嬉しいです。監督とお茶を囲みながら話せるのは新鮮。なので、きっとこのイベント、中毒性あるんです(笑)。次は『愛の小さな歴史』という作品で12/12に開催しますので、未体験の方は是非!

毎回話題にでるのがタイトルの話。これがハズレなしでおもしろい。『螺旋銀河』の「螺旋」は綾と幸子の交わりそうで交わらない関係、ぐるぐる回っている、それこそコインランドリーのイメージからきているとのこと。「銀河」は意図していなかったが夜のシーンが多かった事と、幸子が初めて獲得した自分を守ってくれる場所が宇宙空間における宇宙船のような存在ではないかという事からきているそうです。

座談会中、ラストに至る説得力が欠けるという意見も。(感想は人それぞれであります。)こういった忌憚のない意見も言えるのが、この場の魅力です。草野監督がお客様の意見に対し、深くうなづいている姿も垣間見え、「もっとディティールを詰めなければ」という内容の言葉も仰っていました。監督にとっても刺激的な「場」となっていれば嬉しいです。

著名な批評家たちも目を見張るほどの『螺旋銀河』(詳しくは公式HPへ→)ですが、これに超える次回作をはやくも期待させる草野なつか監督、今後も目が離せません。

当日の模様は当館のYouTubeチャンネルにて公開中→

(斉藤)


2015.11.29
11/28(土)ずんね from JC-WC元町映画館に登場!


ずんね?何それ?新しいお野菜?健康に良いの?という奥様方へ。
「ずんね」とは蒼波純(ずんたん)と吉田凛音(りんねちゃん)のユニット名で、ずんたん+りんね=ずんね なのであります。今はすっかりお母さんになった大森靖子さんプロデュースの期間限定ユニットであります。お野菜ではございません。健康には良いかもしれませんが。

そのお二人が映画『女子の事件は大抵、トイレで起こるのだ。』の舞台挨拶のために、元町映画館にやって来た!ということであります。

いやー可愛かったですぅ。もう私なんかおじいちゃん目線で目の中に入れても痛くないほど可愛い孫というカンジでした。このお年頃(14歳!)の女子は何をしていてもキラキラ輝いております。何かもう私たちとは違う生き物であります。
実は蒼波さんは元町映画館2回目の登場で、前回は質問のあと、マイクを持ったまま5秒ほど無言とか、一言だけとか、静かであまりしゃべらなかったですが、今回はなかなか流暢にお話が出来るようになっていて、おじいちゃんとしては成長に目を細めております。

映画では蒼波さんは大川たまこ役。トイレに篭城して壁じゅうに絵を描いているという不思議ちゃんです。実際の蒼波さんも絵を描くのが好きで、ヒマな時によくキャラクターとかの絵を描いているそうです。映画の中で実際使用された絵は水野しずさんというモデル&漫画家で、好きなアーティストはヒカシュー、好きなアイドルは蛭子能収(!)と、これまたブッ飛んだ人であります。蒼波さんも水野さんの絵についての感想は「正統派ではないが、独特でドンッ!!ときました」と表現に困っていました。
吉田さんはノン子という、大きなヘッドフォンを首から下げていつもラップ調で喋るラッパー役です。役のために「YOU TUBEで色々研究しましたが、女性ラッパーが全然いなくて、参考になりませんでした。結局自分で考えてキャラ作りをしました。」との事です。元々シンガーなので、そのへんはノリでやれるんですね。
女子中学生という人生でビミョーな位置にいるお二人に「お二人の大人像とは?」という質問に対して、蒼波さんは「言い訳しない大人になりたいです」と、とっても大人なコメントを。吉田さんは「みんなと一緒はきらい」と、個性を大切にしたいとの事。うーむお二人とも中学生とは思えないほどしっかりモンですね。これからの日本も大丈夫そうです。
最後にお互いの感想を聞いてみたところ、蒼波さんは「しっかりしていて、ド忘れとかしなさそうなのに、さっき漢字が読めなくて意外でした」と、吉田さんは「純ちゃんは静かなイメージですが、二人でいる時はけっこうしゃべります」と、このへんになると二人共きゃーきゃーと女子中学生に戻っていました。

その後は、皆さまお待ちかねのサイン会。お母さんとご一緒に来られた中学生風の女子も来られてて、やっぱアイドルは凄いなーと感心しました。
女子中学生は色々複雑ですね。大人でもない子供でもない混沌とした悩み、それでいて輝いている。という相反するあらゆるものを背負っているのですね。天使のようなお二人を観て、おじいちゃんは心洗われました。また来てねー。

『女子の事件は大抵、トイレで起こるのだ。』は金曜まで上映しております。JCの混沌を是非!女子中学生の皆さんに来て欲しいですね。

ずんね from JC-WCの「14才のおしえて」も絶賛発売中!→

(おもしろ)


2015.11.23
「映画はスクリーンと観客の間にある」


11/22(日)、『3泊4日、5時の鐘』三澤拓哉監督をお招きして座談会を催しました。
老舗旅館「茅ヶ崎館」を舞台に繰り広げられる恋愛模様を中心に描いた三澤さんの初監督作品です。
参加者の意見に対して終始和やかに受け答えをされた一部を紹介します。

参加者から、
海辺が舞台の恋愛ものということでホン・サンス作品に近いけども情念の描き方が物足りない
知春(メインキャラの一人)が良い人過ぎる、ぼやっとしていて自己主張が無く日本的
淡々とした描写が好きでハッとするシーンもある
同じ撮影監督の映画を昨日観たがそれぞれの東京の空と湘南の空が印象的
ラムネ瓶の郷愁がありロメール「緑の光線」を思った、波の音も残る
どの登場人物に監督は一番自分を投影していますか?

監督から、
色々お話を聞かせていただいたが全て意図していないことだった
知春役の中崎さんは実際はぼやっとしていない
ある記者さんが「女心のリアリティ」と仰った時に女心にフォーカスしているつもりはなかったが宣伝文句として拝借した
脚本を書いた自分が全てのキャラに少しずつ投影されている、特に誰に一番近いとは思わないが周りからは知春に見えるのかも
意図したことは、ある規則を持たせること(例:知春は物を拾う人)や「組み合わせ」が主たるモチーフだということ
(この辺を深く掘り下げた五所純子さんの分析がパンフにあってその読み解きが見事です)

監督がやや聞き手に回っていたことでむしろ観客(座談会参加者)が映画を作っているような感じを持ちました。
掲題の「映画はスクリーンと観客の間にある」は打ち上げの席で監督が仰った言葉ですがこの座談会にピッタリで拝借しました。

当日の模様は当館のYouTubeチャンネルにて公開中→

最後に観客の一人の私から、
花梨役の小篠恵奈さんは今回映画初主演といってよくその伸びやかな肢体と自由な演技は素晴らしかったです。

茅ヶ崎のジャパンニューウェイヴと5時の鐘が皆様をお待ちしております!

(高橋)


2015.11.22
『3泊4日、5時の鐘』福島珠理さん舞台挨拶開催しました!


『3泊4日、5時の鐘』初日の11/21(土)、彩子役で出演されている福島珠理さんにお越しいただき、舞台挨拶を開催しました。

単独での舞台挨拶は初めてだという福島さん。最初のご挨拶で「緊張してます」とおっしゃっていました。本作で女優デビューを果たした福島さんですが、彩子という役について「自分との共通点が多い」と話されます。実は福島さんもゼミ長をやっていたことがあるのだとか。ただ、「知春を一途に想い続けるその気持ちだけが理解できない!」と客席の笑いを誘っていました。

本作で福島さんは女優だけでなく、アシスタントプロデューサーも務められています。もともと杉野希妃さんに憧れてオーディションを受けたのだそうです。初めての映画の世界で女優とプロデュースという2つの立場を体験することになり、大変だったけれど裏方の仕事ができたことで映画をより理解でき、演技にも反映できたと話されました。

質疑応答では、三澤監督の演出についてお客さまから質問があり、福島さんは「三澤監督は演技は役者に任せてくれる。それぞれの人物の設定を細かく作っていて、疑問があるとどんな小さなことでもすぐに答えてくれて安心感があった」と答えられました。人間観察が得意だという三澤監督、それぞれのキャラクターの詳細設定も聞いてみたいところです。

この8月には、フランスとの合作になる初のプロデュース作品の撮影を終えられた福島さん。公開はまだ先になりそうですが、着々と"映画人"への道を歩んでいらっしゃいます。今後のご活躍も非常に楽しみです!

(mirai)


2015.11.15
11/14(土)『シャーリー&ヒンダ』神田浩史さんトーク開催しました!


「経済成長ってどうなの?」数字ばかり追い求めるアメリカ経済のあり方に疑問を抱いた92歳のシャーリーと86歳のヒンダが好奇心のおもむくままに大学教授や経済アナリスト、果てはウォール街まで突撃するドキュメンタリー『シャーリー&ヒンダ ウォール街を出禁になった2人』 。公開を記念して、映画と合わせて経済についての知識を深められるトークを開催しました。

ゲストは持続可能な社会を目指して、政策や提言などを行っている団体「NPO法人AMネット」の理事を務める神田浩史さん。今でこそ過度なグローバル化に異を唱える神田さんですが、過去には諸外国で農業の工業化に従事し、単一栽培、つまり投資収益率を重視したシステムに扶助していたとのこと。そこでの疑問が現在の活動のルーツにあると話します。

現代が如何に利益を重視しているのか。エビの養殖を例にしたお話がたいへん分かりやすかったです。シンプルな話ですが単価を安くするために、大量のエビが押し込まれて養殖されているとのこと。それは東京の満員電車のような状態だそうです。そうすると問題が起こります。身動きが取れない状態は、当然エビにとってはストレス、病気にかかります。それに対して大量の薬が投与されるんですが、これがまた水や土壌の汚染を引き起こし、結果、使い捨て、永続性がない養殖となってしまうそうです。こうした現状を聞くと、トーク内で紹介された少数民族の方の「森は自分たちのスーパーマーケットだ」という言葉が、ほんとうに心に沁みます。

生活するにはお金に頼るしかないのでしょうか。日本も昔は「森はスーパーマーケット」に近い感覚を持っていたのではないかと思います。物流が発展していなかったので、狭い範囲でやり繰りするしかありません。そこで生まれる所謂「暮らしの知恵」を神田さんは引き継ごうともしていらっしゃいます。しかし、そうした時にお祖母様に言われた言葉は「お前はお金で買えるやないの」だったそうです。真っ当な答えだと思います。世代間が浮き彫りになる印象的なエピソードです。

シャーリー&ヒンダ然り神田さんや他、いろんな人々が「経済成長」について疑問を持ちはじめています。今だからこそ昔(田舎)の人や、森に暮らす少数民族たちのようなライフスタイルの価値が再見されていくのではないでしょうか。環境やライフスタイル、いろいろな問題をはらんだ経済について、好奇心の芽が私の中にも生まれるトークとなりました。

(斉藤)


2015.11.13
『息を殺して』公開記念、五十嵐耕平監督とお客様による公開座談会を開催!


11/7(土)元町映画館が日本の新人監督を応援する"JAPAN NEW WAVE"作品(以後JNW)『息を殺して』五十嵐監督を交えての公開座談会を実施致しました。

JNW"新しい才能を見つける、育てる"をテーマに公開座談会は開催されました。五十嵐監督は開口一番「舞台挨拶で壇上に上がるよりも緊張します」とのこと。ゲストとお客様が同じ目線で近い距離でお話できるところが公開座談会の良いところ!

(質問)タイトルの『息を殺して』洋題は"Hold Your Breath Like a Lover"なぜ?

(監督)はじめは『恋人のように息を殺して』という(仮)タイトルだったそうだが、それを見た知人に「ロマンポルノみたいだね」ってと言われて変更した。"恋人同士が息を殺して見つめ合う"それを縮めて『息を殺して』というタイトルにした。洋題は気に入っていたのでそのままにしておいた。

(質問)映画の中に出てくる犬はどういう役割が。犬を捉えているのはどんな人からの目線なんでしょうか。

(監督)犬は死んでいて、誰も彼を助けることができなかった。そして彼が舞台となった工場に霊を呼び込んでいる。本作に出てくる主な登場人物は作品に出てくる犬と同じ犬種を飼っている。それぞれ違う悩みを抱えているけど、犬の存在がみんなを繋いでいる。観客は3人の違う人間を見ているけど、結果的には1匹と1人の人間を見ている。

(質問)日本映画が今より浸透するにはどうすれば良いか。

(監督)映画を見ることが、作ることが"かっこいい"と思ってくれたら良い。自分自身も"ジョン・カサヴェテス"の作品を見てかっこいいと思ったから、自然と作品を撮ろうと思った。あとは雑誌と映画がタッグを組み、何かを仕掛けて行くことが効果的じゃないですか。

かなり白熱した公開座談会。
当日の模様は当館のYouTubeチャンネルにて公開中→

新しい日本映画を元町映画館が応援するJNW作品『息を殺して』11/13まで公開中。

(芋羊甘)


2015.11.9
『帰還証言 ラーゲリから帰ったオールドボーイたち その2前編』いしとびたま監督舞台挨拶を開催しました。


11/9(土)『帰還証言 ラーゲリから帰ったオールドボーイたち その2前編』上映初日、いしとびたま監督舞台挨拶を開催しました。
まず、いしとび監督が、なぜ映画を撮ろうと思ったのかをお話されました。
それは、「なんで?」という疑問から始まったそうです。60万~90万といわれている数が、なぜ?抵抗もなく、満州からシベリアへ行ったのか?実際は何があったのか?という疑問からインタビューをすることになったそうです。

今作のタイトルが「その2」となっています。実はここ元町映画館で、2011年1月に「その1」を上映しました。その前作を上映した時に、観に来られたのが、今作のチラシの表紙になっている河野氏でした。
監督は言います。最初は「その1」だけのつもりでしたが、「その1」を上映した際に来られたお客様が「私にもシベリア抑留の経験があります。」ということで、また新たにインタビューを撮ります。それが貯まって続編が出来てしまいました。その2を上映した今回もまた新しい方を紹介されたりして、続いています。
監督もこうなっては、もうライフワークのようになって来ています。実際、これら莫大な量のインタビューを編集するのは、大変な時間を要すると思います。その間もご高齢のためインタビューをされた方々の何名かは亡くなられています。河野氏も今年、逝去されたそうです。今日は監督の舞台挨拶があるということで、河野氏の奥様も来られました。

いしとび監督はホームムービーで撮って何も手を加えていない。とおっしゃっていましたが、私はそこがこの映画の良いところだと思います。撮り手が方向性を出さない。観る者各々が「考える」映画になっているというのは大事なことです。答えは一つだけではありません。
ひとりひとりのお話しを総合しても全貌は解りません。でも一人一人のお話は、紛れもない真実です。戦争の恐ろしさ、悲惨さを、時に涙をうかべ話すその姿に、今を生きる私たちは「けっして戦争をしない」と心に刻まなくてはなりません。

いしとび監督のこの「偉大なホームビデオ」を、悲惨な戦争を繰り返さないためにも、皆さんに伝えていくことが元町映画館の使命であると思います。
一人でも多くの人に観てもらって、考えて欲しいと思います。

(※「その2」の後編は来春上映予定です)

(藤島)


2015.11.3
『101回目のベッド・イン』おコメダーズ舞台挨拶開催しました!


11/3(火)の夜なんと23:00から、「MOOSIC LAB 2015」Bプログラムの『101回目のベッド・イン』舞台挨拶を開催しました!元町映画館史上最も遅い時間からの開催です。

登壇されたのはサーモン鮭山監督、脚本の当方ボーカルさん、出演されていた倖田李梨さん、津田篤さん。この4名で"おコメダーズ"というユニットを結成されているだけあって、舞台挨拶はまるでコントのよう!

それぞれのご挨拶の後は、ほかのキャストなどについての裏話がたくさん飛び出しました。アクションのスペシャリスト・三元雅芸さん(『極道大戦争』のKAERUくん!)をノーアクションで起用したり、かつてのトレンディ俳優・江口良介役の深澤和明さんは伝説のバンドボ◯イの元メンバーだったりとなんだか無駄に(失礼)贅沢な感じ!

ベッド・インのお2人とはなかなか打ち合わせの時間が取れなかったそうなんですが、かおりさんとはプロレス談義で盛り上がって終わり、ちゃんまいさんからは「80's語録」みたいなリストがダーッと送られてきたと笑います。さらにお2人は劇中でもアドリブを連発しているそうで、劇中でベッド・インに巻き込まれてゆく人々と同様、撮影現場もそうだったのかな~と思ってしまいました。

破れタイツのお2人は、部屋の場面でトロフィーが映りますが、実際にしたまちコメディ映画祭で2年連続グランプリを獲得している実力派監督ユニットでもあります。現在東京と大阪のロフトプラスワンで毎月交互にイベントも開催しており、新作にはサーモン鮭山監督がご出演されているそうです。ぜひこちらも観てください!

当方ボーカルさんと津田篤さんは神戸のご出身でもあり、地元凱旋ができたと喜んでいらっしゃいました。舞台挨拶後のサイン会でもお客さまと盛り上がっており、面白い夜でした。遅くまでお付き合いいただいたお客さま、どうもありがとうございました!

(mirai)


2015.11.3
11/1(日)『ある取り調べ』村橋明郎監督と戸津井康之さんとのトークを開催しました。


90分間、ベテラン役者二人の取り調べ場面で成り立っている希有な映画です。
容疑者役の佐藤B作さん、刑事役で脚本も兼任した中西良太さん、容疑は妻と息子の殺害。
セリフのやりとりや表情、時々雨のショットで観る者に息をのませます。

戸津井さんは現在文化部の新聞記者で映画をたくさん観ておられ(現在年間200本、多かった時は300本!)、警察周りの取材もされていたという方です。

トークは多岐にわたりこの作品のことはもちろん現在の映画製作の困難や問題点、他の映画との比較までとても幅広く全部紹介できないのが残念で す。その中からほんの少しですがご紹介します。

戸津井さん:よくある映画の技法である回想シーンがこの映画には1度も無いのは何故なんでしょうか?
村橋監督:最近の映画、映画に限らずテレビドラマでも説明し過ぎで考えさせてくれない。観ている途中はそれで楽しいんだがすぐに何を観たのか 忘れてしまう。
観る者の想像力をかき立てるものを作りたい。それによって少しでも心に残るものを。

村橋監督:限られた条件と低予算でもできることはあり、もっと予算があればと思うこともある。
戸津井さん:『BANK』という84分の村橋作品があって全て1ショットの長回しに見せる緊迫した場面を撮ることに成功しており『バードマ ン』を思わせる。
(戸津井さんは繰り返し『BANK』を話題にされていました)

戸津井さん:取調官と容疑者の家庭環境に一つの共通点(妻の鬱病)を持たせることで、容疑者とそれを取り調べる者の境界はほんの紙一重で仕切 られていると思わせる。

村橋監督:B作さんに着せる古着を下北沢で探し、3日間髪を洗わないようにお願いしたらB作さんはきれい好きなので大変落ち込んでいた。

紙数が尽きました。

『ある取り調べ』11/6(金)迄連日12:20、お見逃しなく!

(高橋)


2015.11.3
『私たちのハァハァ』公開記念、井上苑子さん、真山朔さん、直井卓俊さんによる舞台挨拶を開催いたしました。


10/31(土)絶賛公開中の『私たちのハァハァ』の公開を記念して出演者の井上苑子さん、真山朔さん、企画プロデューサーの直井卓俊さんによる舞台挨拶を開催いたしました。

当日はハロウィーン。各地でイベントが開催される中、当館のイベントも本日2本目。井上苑子さんも他所でのイベント終了後にハァハァしながら舞台挨拶に駆けつけて頂きました。何とか間に合って良かったです。

舞台挨拶、さすが現役女子高生、若さ溢れるトークとなりました。

・モトコーでの撮影について
今作は元町映画館近くの駅高架下、通称モトコーもロケ地となっています。地元民にはなじみ深い土地。ここで撮影されたシーンは物語でも重要な場面でした。司会の直井さんから、そこでの撮影について聞かれると、あのシーンはアドリブはなく台本通り。しかし、それぞれで案を出し合ってリアルに見えるように心がけたそう。ここでの内容を詳しく書くと作品のネタバレになってしまうのが惜しい。詳細はぜひ劇場でご確認を!

・松居大悟監督との関係について
監督とはかなり現場でも仲が良く、お2人曰く、映画の中の4人に感情移入していたそうです。しかし、舞台挨拶では監督の姿は見当たらず、その理由を知る井上さん、真山さん。時々、愚痴?を言いながらも松居監督の話題では本当にお二人とも楽しそうでした。参加できなかった理由は皆さん想像してください。

映画の中では標準語を話されていたお二人。舞台挨拶では関西弁でお話をされ、個人的に勝手に親近感わいてました。

最後は笑顔で写真撮影。冗談を言い合いながら、本作で見せた笑顔さながらの満面の笑みで応えて頂きました。

最後に井上さんは「この作品がこれからどんな風に変わっていくかは、皆さん次第です。これからもハァハァをよろしくお願いします」と語りました。
真山さんは「ハァハァが何十年後も見て頂いた皆さんの記憶に残る作品になっていたら嬉しいです」と語りました。

これからの日本映画に欠かせない存在になるであろう、井上苑子さん、真山朔さん。今後もお二人から目が離せません。

(芋羊甘)


2015.11.2
『首相官邸の前で』SEALDs KANSAI大野至さんトーク開催しました!


11/1(日)『首相官邸の前で』の上映後、SEALDs KANSAIの大野至さんをお招きしてトークをしていただきました。

大野さんは島根県隠岐島出身。3.11の年に高校を卒業し、明治学院大学に入学されました。入学した年に官邸前のデモに行ったがその時点では懐疑的だったそうです。ご実家の60キロ先には島根原発があり、その電気は広島で使われている。このデモに来ている人たちの大半は電気を使う側で、どれだけ当事者という意識があるのか、本当に福島のことをわかっているのかという思いがずっとあったと話します。

その後「特定秘密保護法」に疑問を感じて学内集会を開き、さらにできることはないかとデモをするようになり、他大学との連携も深めていく中でSASPL(特定秘密保護法に反対する学生有志の会)という学生団体ができ、その解散後に後続団体としてSEALDsが発足します。大野さんは牧師を目指し関西学院大学へ編入。関西には国会もないし、デモの大変さに疲れてもいて、「何もしないつもりだった」と話します。ところが「関西でも何かやりたい」と集まった学生たちの「地方でも民主主義を育てる必要がある」という言葉に動かされ、SEALDs KANSAIを立ち上げました。

大人には「学生のくせに何がわかる」と言われ、沖縄では「あなたたちが基地を引き受ける覚悟があるの?」と問われたと大野さん。「だからと言って発言しない理由にはならない。ひとりひとりが発言し続けることが大事」と強く言います。誰もが当事者であるという意識が生まれた時、以前感じていた反原発運動への嫌悪感もなくなったのだそうです。

質疑応答では、対話の重要性、そして"日常の言葉""自分たちの文化"で話すこと、18歳選挙権について、そして「大人も頑張らなくてはいけない」ということなどが話されました。

『首相官邸の前で』は11/13(金)まで上映しています。まずは映画を観て、近くの人と話し、考えてみることから始めてみませんか?

(mirai)


2015.11.2
『首相官邸の前で』小熊英二さんとのトークシェアを開催しました!


2012年夏、全国から約20万人もの人々が首相官邸前へと集まり、原発政策に対する抗議デモが行われました。主要メディアでは一切報道されなかったこのデモの体験談や無償提供された現場の映像を交えて制作されたドキュメンタリー映画が『首相官邸の前で』です。

公開初日10/31に本作の監督を務められた社会学者の小熊英二さんとSkype(スカイプ)でネット中継しながらのトークシェアを開催しました。

初め、Skypeで小熊さんと連絡が取れないというトラブルに見舞われ、会場に緊張が走ります。《ご来場のお客様には大変ご迷惑をおかけしました。本当に申し訳ありませんでした。》

司会の市民社会フォーラム岡林さんのもと、前半は会場だけでトークシェアが行われます。小熊さんに聞きたい質問などを先に挙げていただきつつ、意見が少しづつ出はじめたところで、ようやく通信が繋がって一同ひと安心。
一時はどうなるかと心配でしたが、良かった点もあります。といいますのも地域でネットワークを作ることが大切とトークシェア中、小熊さんは繰り返し話されていたからです。

先日の安保法案をめぐる大規模なデモがありましたが、このうねりが次回の選挙に反映されるかというと、まだ時間がかかると小熊さんは仰っていました。なぜかというと、首相官邸前へと集まった人々も各選挙区にもどると、政権が変わる数には満たない可能性が高いためです。そこで小熊さんは投票率を上げることの重要性を説き、ひいては地域でネットワークをつくるべきとお話しされました。なので会場で偶然居合わせた地元のお客様同士がコミュニケーションをとれたことはとても意義のあることだったと思います。

今回のトークシェアで個人的に印象に残った箇所は「専門家は専門以外のことは一般人以下」というお話。小熊さんの発言に会場は笑いに包まれます。しかし小熊さんいたって真面目。「本当ですよ!」と付け加えます。理由は社会が複雑になってきたため、専門家が広い範囲を見れなくなってきたとのこと。これからの時代は誰が専門家を使いこなすかが重要になるとも仰っていました。

『首相官邸の前で』は貴重な記録映画であり、また民主主義が危ぶまれる今こそ観ていただきたい映画でもあります。公開は11/13まで。是非ともご鑑賞いただければと思います。

(斉藤)


2015.11.1
10/31(土)『劇場版 神戸在住』白羽監督の舞台挨拶を開催いたしました。


2014年、開局45周年を迎えたサンテレビジョンの記念事業として、そして2015年1月17日阪神淡路大震災から20年目を迎えるにあたり、同局が製作した映画がこの『神戸在住』です。監督を務めたのは1993年震災前の神戸を舞台に描いた『She's Rain』の白羽弥仁監督。
今年の1月17日にサンテレビで上映し、同時に「劇場版」を映画館で上映するというかたちで上映されました。今回の当館での上映は「神戸100年映画祭2015」の一作としてアンコール上映です。

監督の舞台挨拶ということで、今日はサンテレビの撮影クルーも来られて、観客席から舞台挨拶のもようを撮影していました。監督は甲南女子大学でも教鞭を執っておられるということで、そちらの生徒さんも映画を観に来られています。

実は、白羽監督の『She's Rain』は奇しくも今年の8月の元町映画館5周年記念特集の企画「映画ビブリオバトル」で選ばれ、35㎜フィルムでのリバイバル上映をし、監督にもトークなどで来館頂いたところでした。今回は当館2回目の舞台挨拶となりました。(『She's Rain』の舞台挨拶のもようはこちら→

今日の舞台挨拶で、監督は「いわゆる"震災映画"のようにはしたくはなかった」と言います。直接的ではなく、もっと広い意味での「命の大切さ」を描きたかったと。直接震災を描くよりも、今の(震災以降に生まれた)若者を描くことで、逆に震災を「忘れない」「未来に語り繋ぐ」ということに挑戦したとのことです。

その後は、やはり神戸のご当地映画という、この映画の性質上、地元ならではのロケ地のお話になりました。実際、メリケン画廊さんや、乙仲通り、当館の直ぐ横のポートタワーがキレイに見える路地など、すぐ近所もたくさん出て来て、さすが神戸をよく知ってらっしゃる。と思っていたら、実は、なんと『She's Rain』で使用したロケ地を、今回は努めて入れています。とのこと。震災前の『She's Rain』に出て来る場所と同じ場所を敢て『神戸在住』には盛り込んだ。というのです。震災前と現在との違いは、この2作品を見比べてもらえば解ると。
ほー!さすが神戸を愛している白羽監督だから出来る、隠れたメッセージなのですね。
皆さんも、『She's Rain』と『神戸在住』を観て、どこがどれぐらい変わったかを見比べてみて下さい。
舞台挨拶終了後、サイン会までして頂き、お客様も満足気。

『劇場版 神戸在住』は11/6(金)までの上映です。神戸の街がふんだんに出て来ます。

(おもしろ)

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