イベントレポート


2017.12.02
『蟻の兵隊』解説付き上映会 開催しました!

第2次世界大戦終結後、中国に残留して内戦に巻き込まれた日本兵・奥村和一に迫ったドキュメンタリー映画『蟻の兵隊』。11/16(木)に「池谷薫ドキュメンタリー塾」の番外編プログラムとして上映と池谷監督による解説を行いました。

『蟻の兵隊』で描かれることは「中国山西省日本軍残留問題」と呼ばれています。重大な事件であることは間違いありませんが、2006年にこの映画が公開されるまで多くの人がその存在を知らなかったのではないでしょうか。

池谷監督はこの映画を「狂ったように撮った」と言います。『蟻の兵隊』は、残留問題を明るみに出すんだ、真実を解き明かすんだ、という奥村さんと池谷さんの「使命感」がぶつかり合って生まれたような作品です。平静ではいられなかったことは納得できるような気がします。

具体的には、池谷さんが奥村さんの発言に対して「それは違う」と否定するようになったことが挙げられます。当事者が話すのだから真実だと判断するのが一般的ですが、池谷監督は記憶を改ざんされるものだとし、さらに自身の過去と向き合うように迫っていきます。このように対象に大胆にも介入していくやり方は、客観・中立等の従来のドキュメンタリー像からは大きく異なります。

他方、奥村さんも狂ったように、とは言わないまでも平静ではなかったのではないでしょうか。奥村さんは目的を持ってカメラの前に立っています。それが故、奥村さんも奥村和一を演じていくようになった、とのエピソードが池谷さんから語られました。「池谷薫ドキュメンタリー塾」で度々出てくる「共犯関係」という言葉の意味をよく理解することができる回となりました。

(斉藤)


2017.12.02
「池谷薫ドキュメンタリー塾 #4」開催しました!

ドキュメンタリー映画の知られざる魅力に迫る「池谷薫ドキュメンタリー塾」。4回目の講義を11/30(木)に開催しました。今回鑑賞した作品はNHKスペシャルの『広州青春グラフィティ』。池谷さんが構成を務めたテレビ用の作品です。この作品の解説を上映と合わせてたっぷり2時間半行いました。

『広州青春グラフィティ』では1994年、中国・広州に生きる若者たちの姿を追っています。1994年と言えば天安門事件から5年後。本作はその余波も捉えようとしており、言わばタブーに挑んだ作品です。この「タブーに挑む」ということをドキュメンタリーを制作していく上で大切にしていると池谷さんは語ります。

今回の講義では「音」に関する言及が多かったです。作品の冒頭では、後に登場する若者たちによるロックバンドの楽曲を使用したりなど、掴みに対するこだわりが感じられます。

ただナレーションは不要だな、と池谷さん。テレビで放映するということでやむをえなかったようですが、映像が持つ普遍的な力を矮小化してしまっているとのことでした。確かにナレーションの言葉によって説明が加えられるたびに、その内容が示す映像としてしか見えなくなってしまいます。

本作はラジオの音声もうまく利用しています。当時の若者の心情を直接的に描いていますが、それがインタビューやナレーションではないので、素の感じがあり自然に受け止めることができる、と私は見ながら思いました。

音に関することで言えば、無音も効果的に使っています。しかしこれももっと長めに使いたかった、とやはりテレビの制約に苦しめられているご様子。これ以上長くしたら放送事故になってしまうとのことです。

その他にも字幕に関するお話など、今回は細かい技術的なお話も多かったです。次回の「池谷薫ドキュメンタリー塾」は12/14(木)開催です。

(斉藤)


2017.11.29
11/26(日)『アメカル映画祭《神戸出張編》』開催!

名古屋のテレビ番組から生まれた映画『劇場版 シネマ狂想曲 名古屋映画館革命』の主役、坪井篤史さん(シネマスコーレ副支配人)、名古屋イチの動員があるシネコン、ミッドランドシネマ名古屋空港の支配人、森裕介さん、このお二人が定期的に開催しているイベント『アメカル映画祭』を神戸出張編として、元町映画館のスクリーン前の舞台にて行いました(紹介画像の左が坪井さん、右が森さん)。

アメカル映画祭とはアメカル(アメイジングでカルトの略)な映画たちについて話す(上映はなし)トークイベントです。
VHSを中心にDVDやレーザーディスクを現在約1万本?!所蔵している二人にしか語れないトーク、なおかつ映画を知らない見ない人も大歓迎で楽しめるトーク、です!
2時間20分の持ち時間を絶え間なくしゃべり通していただきました。
お二人は芸人ではありませんがプロであることに間違いはなかったです。

圧巻トークの内容、その軽妙さ面白さの再現は到底不可能なので、予告編的に記憶に残ったものを繋いでみました。

来場者へのご挨拶で7分間、そろそろ座りたいということで椅子に座って2時間13分(休憩なし)、発端となった名古屋のTV局メ~テレ(名古屋テレビ放送)の若きAD樋口くんの純粋な企画(しかし打合せの支払いは坪井さん)、シネマスコーレの設立者、故若松孝二監督の鬼社長ぶり(電話「俺だけど」に「どちら様ですか?」と訊くとクビ)、スコーレ木全支配人の聡明さと堅実さ(社会的背景が必要だけど、坪井、いくらもらえるの?)、映画の著作権、肖像権との闘い(某大手配給「アメカル映画祭で弊社の映像を使ったと聞きましたが」)、そして、お客様全員が覚えたであろう、これ持ち帰ってもらえるだけでもいい(坪井さん)、

『ウルトラクッキング』

料理のビデオかと思ったら、あのウルトラマンがですね、3分間を超えて?料理を作っているわけです、vol.5とあるから、1から4まで出ているんですね、ただ円谷プロに聞いたらですね、うちのウルトラマンは料理はしません、別の星のウルトラマンです、というお答えをいただきましたです、はい。

紙数が尽きました。 アメカル映画祭は今後、アップリンク、京都みなみ会館への出張を予定しています。
そして『シネマ狂想曲』最終上映回@元町映画館11/29(水)15:50~をお見逃しなく!

余談ですが、トークを終えられた坪井さん、森さん、元町界隈の穴場で珍しいVHSを発掘されていました。
そして元町駅近くの丸玉食堂でお食事をされてお帰りになりました。
丸玉食堂は昨年、足立正生監督(若松孝二監督の盟友)が当館へお越しの際に行かれた名物食堂です。

最後に嬉しいニュースを。
つい先日『シネマ狂想曲』は栄誉あるギャラクシー賞テレビ部門にノミネートされました!

(高橋)


2017.11.29
フィルムカメラ講習会&即売会 開催しました!

写真家レイモン・ドゥパルドンが、自身の過去と現在をつづったドキュメンタリー映画『旅する写真家』。公開を記念して、初心者向けのフィルムカメラ講習会&即売会を開催しました!

講師はOctober Studiosの佐藤昌也さん。基本的なフィルムカメラの撮影方法はもちろん、フィルムとデジタルの違い、フィルムカメラの魅力までわかりやすくお話し下さいました。

フィルムカメラよりデジタルカメラの方が断然便利です。何枚でも撮れる。撮った写真をすぐ確認できる。撮った後にPhotoshop等で加工できる。しかし、これらができない、不便な点にこそフィルムカメラの魅力があるのかもしれません。

代表的なのは、撮れる枚数が限られているが故の「緊張感」があります。ご飯も三度だからこそ有難い。ノンストップでご飯を与え続けられたとしたら、一回に込める気持ちが薄まってしまいます。例えが変か…

とはいえ今の時代だからこそフィルムに惹かれたのか、今回のフィルムカメラ講習会では若い方の参加者が多かったです。フィルムを製造する会社も次々と倒産している昨今。ぜひ文化を継承していってほしいと思います。

当日はお手頃な価格のビンテージカメラも販売しました。私(斉藤)もニコマートELを購入。今度これをぶら下げて遊びに出かけたいと思います。レイモン・ドゥパルドンもフィルムカメラ(ビューカメラ)を使用。シャッタースピードが遅いから人がいなくならないと撮影できないんです。やはり不便…。でも愛用し続けるのには理由があるはず。12/1(金)まで上映です。

(斉藤)


2017.11.29
『100人の子供たちが列車を待っている』公開記念、「マジックロールワークショップ」開催。

11/25(土)、特集上映「映画に愛をこめて」の中で上映された『100人の子供たちが列車を待っている』の公開を記念して映画の仕組みを学ぶことができる「マジックロール」のワークショップを開催しました。

ゲスト講師はイラストレーターでもある西岡りきさん。机いっぱいに並べられた紙と鉛筆と描かれた動物たちのイラスト。これが動くという事で参加者はワクワクの様子。

小さいのお子様でも簡単に映像の仕組みが理解できるこのワークショップ。作業は簡単。一枚の短冊型の白い紙に絵を描いて動かすだけ。会場には西岡さんが事前に用意した鳥やタヌキの絵が並びます。そして紙を折り、鉛筆などの棒状のものを使用して左右に動かすだけで絵が動いているように見えます。

簡単なようで大人もはまっている様子。大胆な動きをつけることができなくても絵の一部分を変えるだけで絵が動いて見えるんです。動物の絵も良いですが、人などでも面白く見せることができます。絵心がない人でも大丈夫。参加者も「うさぎ」「バンザイする人」など様々。慣れてきた参加者も新しい紙を使ってどんどん制作していきます。手足だけでなく顔の表情を同時に変化させる工夫など時間を忘れて大人も夢中になって取り組んでいました。

そして最後は西岡さんと軽く映画談義。「映画は同じ作品を何度も見ると良い。年齢によって同じ作品を見ても全く違って見えるから面白い」とおっしゃいました。西岡さん自身も映画が好きだからこそ、今回のワークショップを続けていきたいとおっしゃいました。

映画の楽しみ方は人それぞれ。小さい時から映画の仕組みやどうやって映画が生まれるのかが分かるともっと映画の楽しみかたが増えますね!

特集上映「映画に愛をこめて」は12/1まで開催中。

(芋羊甘)


2017.11.25
元町シネクラブvol.49開催!

映画についてお話しするシネクラブを開催しました。
普段から映画を見ている参加者の皆さん。今回も濃いお話となりました。

お題映画に沿って今回もお話は進みました。今回もドキュメンタリー映画中心。お題映画にはなかった『女になる』のお話も出てきてドキュメンタリーとは一体なんだろうかと言う話にもなりました。

『禅と骨』
禅僧でもあるヘンリ・ミトワさんの波乱に満ちた人生と彼が晩年夢見ていた映画作りという夢を追ったドキュメンタリー。
参加者は「なんと言っても長期間にわたりミトワさんを取材してきた監督の根性がすごい。ミトワさんの人生をよくあれだけまとめることができたな」とおっしゃいました。
作中ではミトワさんがご家族と喧嘩するシーンもそのまま上映され「あれだけ身内のゴタゴタを放送してしまうのはすごい」というお客様もいらっしゃいました。

一方でミトワさんのご家族の辛抱強さに驚いたお客様も。「自分のしたいことのためにわざわざアメリカから日本に家族を呼び寄せてもいる。自分はしたいことをして、妻に働いてもらう。そら家族も怒るでしょう」とおっしゃいました。

『カレーライスを一から作る』
グレート・ジャーニーでもある探検家・関野吉晴さんが教鞭をとり学生たちにカレーライス作りを通して社会を知ってもらうことを目標とした記録映画。

参加者には「武蔵野美術大学の学生さんがこの企画に参加していたことが驚いた」と映画の内容よりも設定に驚かれている方がいらっしゃいました。一方でなぜ関野さんが美大で先生として活躍するようになったのかが疑問だとおっしゃいました。
一番の盛り上がりでもある鶏の屠殺シーンについても触れて「私たちの子ども時代にはお店や近所で鶏を捌いていたのでそんな光景は身近にあった。現代の子は触れる機会もないので新鮮だったのか、ギャップを感じた」とおっしゃいました。

次回は記念すべき50回目。
年末のお忙しい時期。2017年に見てきてよかった作品もお話できればと思います。
ご参加お待ちしております。

(芋羊甘)


2017.11.25
ロベール・ドアノーを追体験する撮影ワークショップ開催しました!

meriken gallery & cafe(メリケンギャラリー)とのコラボ企画「元町の街角。日常に隠れた“小さな物語”を探すワークショップ 」を11/23(木・祝)に開催しました。

これは、写真家ロベール・ドアノーに迫ったドキュメンタリー映画『パリが愛した写真家』で企画されたイベントの2つ目です。「ロベール・ドアノーがパリの街を舞台に撮った写真の様に、私たちも元町の中から“小さな物語”を見つけよう」をコンセプトにした撮影ワークショップでした。

撮影に出かける前に、写真家の北義昭さんと木下アツオさんから1時間ほどレクチャーを受けました。ロベール・ドアノーがどのような写真家だったのか、またその魅力とは。ドアノーに倣って良い写真が撮れるように、撮影のコツなどと一緒に教えていただきました。

私(斉藤)も今回は生徒として参加。実は立派な一眼レフを購入したにも関わらず、長年活躍する機会を作ることができずに放置していました。なので、これはカメラを始める絶好の機会(!)と意気込んで街へ繰り出しました。

撮影した中で満足のいった写真は左の2枚です。上は南京町で撮影。下はJRA(日本中央競馬会)ウインズ神戸で撮影しました。なんと講師のお二人からもお褒めの言葉が!木下さんからは波止場の写真学校(メリケンギャラリー運営のフォトスクール)に通いませんか?と。うまい具合に勧誘されている…

とはいえ写真に興味のある方はぜひ一度メリケンギャラリーへ足を運んでいただきたいです。きっとカメラ・写真の魅力に出会えるはずです。ワークショップに参加するとそれぞれの写真を見せ合う「講評」の時間もあったりと刺激的ですよ。

コラボ企画の締めくくりとしてお次は「公募写真展」が控えています。どなたでも参加できますので気になる方はこちらのサイト→ をご覧ください。

(斉藤)


2017.11.25
田中誠一さんトーク「スクリーンの前に座る者はすべて子どもである」開催しました!

映画を題材にした映画を集めた特集上映「映画に愛をこめて」では、映画に関する仕事や活動をしている方をお招きしてのトークイベントも開催しています。11/23(木・祝)の『劇場版 シネマ狂想曲 ~名古屋映画館革命~』上映後、京都を拠点に映画の制作配給等を行うシマフィルムの田中誠一さんにお越しいただきました。

まずは『シネマ狂想曲』の感想を伺うと、「坪井さんはパフォーマー。僕はもっとシニカルな人間なんで…ダメですね。でも今日は坪井イズムを注入して、みなさんに何か持ち帰ってもらえたら嬉しいです」と田中さん。

映画の仕事を始められたきっかけをお聞きすると、「仕事と思ったことがない」と言います。大学時代は映研に属し、在学中にスタートした京都学生映画祭では運営に関わり、中島貞夫監督や松本俊夫監督らとの交流もあったそうです。

その後も京都造形大の学生を仲間に引き込み、大学の図書館ホールを使ってファスビンダーやルビッチなどの古い作品や、現在『南瓜とマヨネーズ』が公開中の冨永昌敬監督など新しい才能を紹介する上映会を続けていた田中さん。とにかく自分が観たいから企画していたと話します。

学生時代から京都朝日シネマ(2003年に閉館)に勤務し、ロビーの壁に勝手に自作のコラムを貼り出したりこれまた勝手に映画祭のパスを申請したりと「会社を困らせてばかりでした」。閉館が決まってのラスト興行では自分に枠をくれと志願し、山下敦弘監督の『ばかのハコ船』を上映し満席に。生意気で嫌なスタッフだったとご自身では言われますが、自主的に企画をする優秀なスタッフだと思います!

「自分が好きな作品を上映し、観てほしいから宣伝もする。その延長でずっと来ているだけで仕事なんて意識が無いんです」と田中さん。冒頭でも言われたこの言葉のベースには、坪井さんと同じく限りない映画への愛情を感じました。

シマフィルムが廃校となった小学校に開設した「立誠シネマ」がこの夏終了し、現在は京都に新拠点「出町座」を準備中です。現在工事中の写真もいくつか映しながら出町座についてのお話もいろいろとしていただきました。11/29(水)には、プレイベントとしてスペインのアルベルト・セラ監督を迎えて上映とトークが開催されます。出町座の情報はHPやSNSで随時発信しているのでぜひチェックしてみてください!

出町座HP→
Twitter→
Facebook→

(み)


2017.11.25
「映画に愛をこめて」プレイベント開催しました!

映画を題材にした作品ばかりを集めた特集上映「映画に愛をこめて」。この企画のプレイベントとして11月18日(土)にトークイベント「映画好きに聞く」を開催しました。

ゲストにお招きしたのは映画好きの清水靖幸さん。清水さんは年に何百本もの映画を鑑賞する映画狂で、もちろん元町映画館の常連さんでもあります。1日に4本連続で鑑賞するなんて当たり前。劇場スタッフである私(斉藤)も映画好きを自負しておりますが、同じ好きでもまた違ったものを感じます。そこで清水さんの好きの源泉には一体何があるのか明らかにしようと思い、今回トークイベントを企画しました。

休日の過ごし方・映画をよく観るようになったキッカケ・映画グッズの紹介など、いろいろな角度から清水さんの映画愛を探っていきます。VHSコレクションを写真で拝見しているときに「捨てたりしないんですか?」とトークの聞き手役を務めていた私は迂闊にも口を滑らせてしまいました。それに対し清水さんは間髪入れず「捨てるようなもんは買わない!」と返答。お話の内容はもちろんですが言葉の節々にも映画愛を感じます。

ここまで映画が好きだと、やはりコダワリも生まれてくるものです。印象に残ったのはスクリーンサイズのお話。清水さん曰く、作品それぞれに合うスクリーンサイズ・劇場があるとのこと。私は大きければ大きい方が良いくらいにしか考えていなかったので、むしろ小さい方が良い作品もあるという清水さんのお話は大変興味深かったです。今回明らかになったことは清水さんの映画愛は劇場愛でもあるということでした。

TV番組などを見ていても思いますが、何かに異常な情熱を傾けている人の話はもれなく面白いのではないでしょうか。「映画に愛をこめて」では「アメカル映画祭《神戸出張編》」と称して、同じく映画狂の方をお招きしてイベントを開催します。名古屋のミニシアター「シネマスコーレ」の副支配人・坪井篤史さんのことですが、こちらも見逃せない!11/26(日) 15:40からです。

(斉藤)


2017.11.22
11/19(日)『DARK STAR』公開記念!大衆SHOCK堂さんトークイベント開催!

エイリアンの造形デザインで有名なアーティスト、H・R・ギーガー。
彼のドキュメンタリー映画『DARK STAR/H・R・ギーガーの世界』公開を記念して、特殊造形と特殊メイクのお仕事をされている大衆SHOCK堂さんのお二人、喜多總くんとnocoちゃんにトークイベントをしていただきました。

お二人とも特殊造形作家、特殊メイクはnocoちゃんが主に担当していますが、イベント画像にあるような造形物は二人の共同制作です。
実は元町映画館、お二人には随分前からお世話になっています。

2013年ゾンビ映画の特集をした時には特殊メイクをnocoちゃんがしてくれて元町商店街を練り歩くソンビウォークをしました。
2015年『ムカデ人間』シリーズ3作上映時には、等身大ムカデ人間と小型フィギュアを作っていただき、2階ロビーに設置した等身大はお客様に大好評、SNSにあげた画像が監督にRTされたりと大いに話題になりました。
nocoちゃんは元町映画館でボランティアさんをしていたこともあります。
その他の詳しい経歴は大衆SHOCK堂さんのHPでご覧ください。

さて今回は二人が結成してから作ってきた造形物とメイクの映像をスクリーンに映しながら、そして舞台上に持ち込んだ実物を見ながらトークをしていただきました。

少ない字数の許す限り紹介します。

須磨海浜水族園から頼まれてマナティーという海棲哺乳動物を実寸で作った時は、3メートルの巨体を運ぶのに4tトラックを喜多くんのお父さんが運転しました。
映った写真はそれを水族園の天井から吊り下げた様子、見た目の重量感とは逆に特殊造形は軽い素材で作られています。

喜多くんの顔にnocoちゃんが特殊メイクを施して、半分は普通、半分は老人。
このメイクができて仕事の自信がついたというなかなか珍しい写真でした。

そして舞台に設置された造形物の一つ、映画『シン・ゴジラ』の幼体ゴジラ。
これは公開当時には画像がネットになかったため、スクリーンで映画を何回も見て制作しました!

トークイベント後は観客の方々が舞台上の造形物をとても珍しそうに手に触って見ていました。
なかなか特殊造形の実物を間近で見れる機会はありません。

大衆SHOCK堂さんからは、その名前のように、みんなに身近な大衆食堂だけどSHOCKな感じが伝わってきて、不思議な世界に引き込まれました。

さて映画『DARK STAR』はギーガーの不思議な世界、ギーガーの制作物からはどこまでも底なしのダークなイメージを受けますが、いったい本人はどういう人なんだろうか?
皆さん、ギーガーは知らなくてもエイリアンは知っていますよね。

映画『エイリアン』で宇宙空間の暗黒に沈み込んでゆく怪物エイリアン。
皆さま、映画館の暗闇でH・R・ギーガーの世界へ沈んでください!

『DARK STAR』は特集「映画に愛をこめて」(11/18〜12/1)全7作品(作品日替で1日2回上映)の一つです。
ご来場をお待ちしております!

(高橋)


2017.11.18
『74歳のペリカンはパンを売る。』内田俊太郎監督&石原弘之さん(企画・プロデュース)のトークを開催しました!

食パンとロールパンの2種しか作らないのに、ファンが絶えない浅草の老舗パン店「ペリカン」の魅力を追ったドキュメンタリー映画『74歳のペリカンはパンを売る。』11/17(金)上映後、内田俊太郎監督と企画・プロデュースを務められた石原弘之さんをお迎えしてトークイベントを開催しました。

このおふたりは、多摩美術大学在学中に『PORTRAIT ポルトレ』という吉村界人さん主演の劇映画を制作され、その上映時にも元町映画館にお越しいただいて以来、ちょうど3年ぶりのご登壇となりました。お帰りなさい!

石原さんは卒業後、映像企画制作の会社を設立されました。ある日テレビ番組でペリカンが紹介されているのを見て、この店のことをもっと知りたいと思い、内田監督に企画を持ちかけたそうです。

前作『PORTRAIT ポルトレ』は空虚な毎日を過ごす青年の日々を、一切の説明を省きモノクロで描いたエッジの効いた劇映画。一転して本作は人々に愛される老舗パン店の魅力を探るドキュメンタリー。全く異なる作品の企画を持ちかけられ戸惑いはなかったのかと尋ねると、「自分の表現の幅を探るならドキュメンタリーを撮る必要があると思っていました。ペリカンのことも以前から気になっていて、時代に逆行するようなその姿勢に学びたいものがあると感じた」と内田監督。

この映画を観ると、ただパン屋さんを紹介した作品ではないことに気づきます。店主や職人さんからじっくり聞き出したペリカンを営むことへの姿勢、そのパンの魅力の虜になった人たちの思い、そこからは自分の人生にフィードバックできる重要な言葉がたくさん見つかります。おふたりも「ペリカンに出会ったことで生き方を考えさせられた」と口を揃えます。

そしてペリカンのパンの魅力や美味しさをたっぷりとお話しいただいたあと、ご来場のみなさまにお土産のペリカンのロールパンを配布しました。コロンとした形状は、内田監督いわく「苔の魅力がわかる人にはこのパンの可愛さがわかる」のだそうですよ。

そして神戸では、「神戸パンのまち散歩」という企画が開催されています。お客さまから「フロイン堂の食パンもぜひ!」とおすすめされ、早速予約していたおふたり。神戸のお客さまからはどこよりも“パン愛”を感じると話されていました。

『74歳のペリカンはパンを売る。』2日間限定上映です。ぜひご覧ください!

(mirai)


2017.11.15
『AMY SAID』三浦誠己さん、渋川清彦さん、山本浩司さんによる舞台挨拶開催しました!

数多くの実力派俳優が所属するマネージメント会社ディケイドの設立25周年を記念して、ディケイド自ら企画・制作を行った『AMY SAID』。11/11(土)の公開初日に主演の三浦誠己さん、出演の渋川清彦さん、山本浩司さんのお三方をお招きして舞台挨拶を行いました。

かつて大学の映画研究会で、一緒の時間を過ごした仲間たちが、20年前に亡くなったファムファタル的存在であったエミの最後の一言を発端に再会する、一夜の大人たちの青春群像劇。

今回の役柄は演じやすかったかという司会者からの質問に対して「ほとんど当て書きをしてあったんじゃないかな。だいぶ演じやすかったです」と渋川さん。隣で山本さんも頷きつつ「そう、あて書きなんですよ。役のとおり、売れない役者を続けてますから」とおっしゃると、隣にいたお二人から「そんなことない!」「めっちゃ稼ぎ頭やん!!」との素早いツッコミが。まるでコントのような掛け合いに、会場から笑いが湧きました。

また山本さん演じる岡本が、本気でハリウッドを目指してることを皆の前で示すため英語で演技を披露するシーンは、監督からのなるべくネイティブに近い発音でという要望に応えるため、4ヶ月間に及ぶ猛練習をしたといいます。以前に海外の作品に出演した際、ネイティブの発音でと指示されたことがあるという三浦さんも「ネイティブの発音って習得するの、めっちゃ難しい!」と山本さんの演技を絶賛。

今作の主な舞台となったレストランでのシーンは5日間、毎日夜中から朝まで撮影だったそうです。それも珍しく順取りだったといいます。 「ただカメラ3台くらいで撮っているから、下手に動くとシーンを繋ぐのが難しい。本当はトマトを食べるたりするのって難しいんです。汁が出るし、角度によって映りが変わるから。取り直しもしたりするので、実際に映ってるトマトはカピカピだったり」と三浦さんからは裏話が。

劇中でも折に触れて数多くの映画について話の飛び交う本作。レストランでの全員が見渡せるアングルの会話劇は演劇の舞台のようでもあり、出演者たちの演技合戦も見所。個人的には『何者』や『桐島、部活やめるってよ』が頭に浮かぶ作品でした。

パンフレットの販売はないですが、各出演者の過去出演作が書かれた用紙の挟まったクリアファイルを販売しております。(裏面には精巧な各出演者の似顔絵も。)本作をご覧になって、出演者の過去作をご鑑賞するのも感慨深いものがあるのではないでしょうか

ディケイド所属の俳優たちが織り成す青春群像劇『AMY SAID』は、11/24(金)までの上映です。

(まりこ)


2017.11.15
『空と風と星の詩人 ~尹東柱の生涯~』愛沢革さんトーク開催しました!

2017.11.15『空と風と星の詩人 ~尹東柱の生涯~』 愛沢革さんトーク開催しました!

人と人、心と心をつなぐ強いメッセージを持つ韓国映画の特集「ハートアンドハーツ・コリアン・フィルムウィーク」上映作品の1本で、韓国の国民的詩人・尹東柱(ユン・ドンジュ)の青春を描いた『空と風と星の詩人 ~尹東柱の生涯~』。11/12(日)の上映後、詩人・翻訳家の愛沢革さんにお越しいただき、「尹東柱―その詩と詩人のいのちについて」と題してトークを行いました。

尹東柱が治安維持法違反の嫌疑で逮捕されたときに、彼の手もとにあったと思われる詩の原稿や手記、ノート類はすべて押収され、その後、見つかっていません。つまり、日本に留学後どんな出来事があり、そのとき彼自身は何を考え、どんな作品を書いたのかについては、想像する以外にないわけですね。その点、映画では、彼が捕らえられた後の場面と、囚われていない存在であったときの姿が交互に現れる、この映画の方法が成功している、と愛沢さんは評価されました。

映画で尹東柱を演じたのは、愛沢さんいわく「兄弟のようによく似ている」カン・ハヌルという若手俳優。彼は顔だけでなく声もいい、つぶやくように語りかける口調で朗読するところも、尹東柱の詩にとても合っている、とのことです。

愛沢さんは、いくつか尹東柱の詩を紹介しながらその特徴について話されました。たとえば「道」という詩は、「失くしてしまいました」という1行で始まり、「わたしが生きているのは、ただ、/失くしたものを探しだすためなのです。」というふうに結ばれる、いわば自分探しをテーマにした詩といえます。詩語は読めばわかる易しさで、ひょっとしたら小学高学年の児童にも身に覚えのある子がいるかもしれない、そんな内容ではないか、と愛沢さんは言います。「尹東柱が生きた時代は、日本が朝鮮を呑み込んで植民地としていた時代。学校でも出版物でも朝鮮語を使うことが禁じられ、名前も日本風に変えることを義務づけられた。土地や働く場を奪われた多くの人が日本や満洲に渡っていった。国全体が奪われたのでした。尹東柱は、人として生きるために大事な多くのものを失くしていく時代に、声を荒らげることなく(独立のドの字も“奪われた”という言葉も使わず)むしろ自らの歩むべき道を切々と祈る響きで、われひとへ共に問いかけるように詩を書いた詩人です。」

尹東柱は日本の刑務所でいのちを奪われましたが、その詩は2人の友人や遺族によってひそかに保管されていました。そして、没した1945年2月から3年目(1948年1月)に、ついに詩集『空と風と星と詩』が出版されました。彼の母国はその後も南北分断と朝鮮戦争の苦難を経なければなりませんでしたが、尹東柱の詩集は再刊され、人々の心にひろく深くしみこんでいき、今や韓国では彼の名を知らぬ人はいない「国民的詩人」となりました。「それは“詩人の勝利”だといえる。その一方で、日本が詩人を殺す国であったときに“失くしたもの”を、今の私たちが探しだすことができなければ、日本人の未来は危ういだろう」と愛沢さんはトークの最後を結ばれました。

『空と風と星の詩人 ~尹東柱の生涯~』は11/17(金)まで、特集「ハートアンドハーツ~」は11/24(金)まで上映中です。愛沢さんが翻訳された「空と風と星の詩人 尹東柱評伝」も上映期間中販売しています。

(mirai)


2017.11.15
『女になる』未悠さん、歩夢さんによるトークイベント開催

11/11(土)ドキュメンタリー映画『女になる』。未悠さまのパートナーでもあり男性から女性となった歩夢さんとのトークイベントを開催しました。

トークタイトルは「ありのままに生きたい!」。映画のことだけでなく、今の日本での心と身体の違和に苦しむ人にぜひ聞いてもらいたいトークとなりました。

まずは本作で印象的だった未悠さんが女性へと変わる手術シーンがお客様もお客様にとって印象深かったようです。そのような光景を初めて見たという声もあり、未悠様は当時の状況を細かく説明されました。

参加者には自身が手術を経験したり、ご家族にそのような違和に苦しむ方がいるなど、社会にはそのような悩みや葛藤を持っている人が案外近くにいるのだと感じました。「お客様からの質問にはなんでも答えるんで、どんどん質問してください」とおっしゃるゲストのお二人のファンになったかたも多いのではないかと思います。

未悠さんは自身の過去を掘り下げて「自分は本当に家族や友人などに恵まれていた。自分が女性として生きたいと告げた時も周りはすぐに理解してくれた。本当にありがたい」とおっしゃいました。

歩夢さんは日本での性転換する上での苦悩を語り、「医師から診断書を受けて初めて手術することが認められる。このような性別違和は生まれる前に決定している」とおっしゃいました。生活する上で様々な悩みもあったと語り、「毎日がカミングアウトの連続。カミングアウトして僕の周りから逃げる人もいる。逃げるなら逃げてくれ。それくらいの覚悟でいる」とおっしゃいました。一言一言に迷いがなく、こちらも引き込まれます。

未悠さんは自分と同じような悩みを抱える人に対して「オネエやオカマなどテレビに出ているタレントのイメージが広く世間には浸透している。この映画に出ることで性別に関する悩みをカミングアウトできる社会になって欲しい」とおっしゃいました。

最後には男性の大切なソレの行方も話されました。やはり使い続けないと錆びてくる。未悠さんの想いは身体にも現れていたようで、それを笑いながら話すお二人も素敵でした。

『女になる』は11/17(金)までの公開、お見逃しなく!

(芋羊甘)


2017.11.11
「池谷薫ドキュメンタリー塾 #3」開催しました!

ドキュメンタリー映画の知られざる魅力に迫る「池谷薫ドキュメンタリー塾」。3回目の講義を11/2(木)に開催しました。今回は前回鑑賞した映画『先祖になる』の徹底分析を行いました。

前回の終わりに、『先祖になる』は演出が少なめであることを池谷監督は語りました。池谷さんの作品の多くは、対象と「共犯関係」を結びながら作り上げていくアプローチを採ります。ただ本作に限っては、その対象への介入が少なかったとのことです。しかし、とは言いつつもやはり本作にも「演出」と呼べるものがあります。それは編集の中にあるのですが、今回の講義ではそのあたりの話を中心に進みました。

編集の中で何が行われているのか。撮影で得た膨大な映像素材の中から取捨選択をし、だいたい1時間半から2時間の映画が出来上がります。本作で言えば映像素材が約125時間あるのですが、そこから単純に時系列に沿って並べるだけでは映画は完成されません。そこでは「いかに物語を編むか」が重要となってきます。

例えば冒頭のシーン。3.11から間もないとある日の朝、主人公・佐藤直志さんの「おはよう」という掛け声から映画はスタートします。100mはあろうか、隣の民家に向ってメガホンを通して挨拶するこのシーンは、震災後の状況を説明しながら、そこに暮らす人々(佐藤直志さん)の態度も伝えています。 実はこのシーン、当初は別のものを想定していました。車で被災地に入っていく映像を考えていたそうです。どちらを採用するかで作品の印象は全く違ってきます。池谷さんは前者を採用した理由に「佐藤さんでこの映画を撮りきることを宣言したかった」と語っています。確かに震災が作品のテーマの全体なら後者でも相応しいかもしれませんが、本作は佐藤直志さんに迫った映画なので前者の方が適しているでしょう。 このように「いかに物語を編むか」を全うするには「何を描くか」にも自覚的でなければいけません。

その他にも、個人に迫りながらも普遍性を表現するアイデアや、季節・時間の描き方など、「物語の編み方」を多岐にわたってご紹介くださいました。

次回は11/16(木)に番外編を開催します。映画『蟻の兵隊』上映に加えて、解説も行います。塾の様子をつかむのには最も適した機会だと思いますので、これまでの講義に参加されていない方もぜひお申し込み下さい!

(斉藤)


2017.11.08
『逆光の頃』小林啓一監督による舞台挨拶開催

11/5(日)、京都で長期ロケを実施し、祇園や鴨川などの名所が随所に見られる青春映画『逆光の頃』。思春期が抱える不安や葛藤などを描いた本作の上映を記念して小林啓一監督による舞台挨拶を開催しました。

原作は「コップのフチ子」などのマンガ家・クリエイターでもあるタナカカツキさんによる処女作。小林監督は本作の熱烈なファンであり、「誰か映像化してくれないかな」と思っていたそうです。そんな作品の大ファンでもある映像化をご自身で実施する上では緊張もあったそうです。

主演の赤田孝豊を演じるのは黒沢清監督の『散歩する侵略者』など話題作に出演する高杉真宙さん。なぜ高杉さんを主演に据えたかというと「『ぼんとリンちゃん』という私の作品がキッカケです」と語り、「高杉さんは演技に対して素直で役にひたむきで、良い意味で本当に真面目。できていないところは自分でも工夫できる。そういうところが良い」とおっしゃいました。

他にも出演者の一人である俳優・金子大地さんのことを司会者が「非常に存在感のある存在だった、京都が舞台ということもあり伏見稲荷の狐の神様っぽい」と監督に伝えると会場からは笑いが起こりました。監督も「確かに神様っぽいかもしれません、彼は」とおっしゃいました。

最後に監督は「一生懸命作った作品です。楽しんでいただければと思います」と締めくくりました。

本作の幼馴染・みことを演じるのは10月から放送されているNHK連続テレビ小説『わろてんか』のヒロイン、葵わかなさん。話題の二人が出演した、大人でも楽しめる青春映画『逆光の頃』は11/17まで公開。

(芋羊甘)


2017.11.08
『リミット・オブ・スリーピング ビューティ』舞台挨拶付き先行上映会を開催!

中学時代から自主映画を撮り続け、『SLUM-POLIS』を25歳の二宮健監督の商業デビュー作。巷では『リミスリ』と呼ばれる本作の上映を記念して、10/28(土)舞台挨拶付きの先行上映会を開催しました。

ゲストは主演オリアアキを演じた桜井ユキさん、二宮監督、『ヒミズ』(園子温監督)なども手がける梅川プロデューサー。

まずはお三方から、劇場に集まった観客のみなさまに挨拶を頂きました。 二宮監督は学生の頃、当館で『わたしはロランス』をご覧になったことがあるそう。学生の頃、ロランス…何か時代を感じてしまうのは私だけでしょうか。

挨拶前の舞台裏ではエンディング曲に合わせて桜井さん、監督ともにステップを踏むくらいノリノリでした。そんな勢いそのままな舞台挨拶がスタート。 『過激派オペラ』など当館で上映した作品にも出演した桜井さんですが、当館での舞台挨拶は初。本作ではすっと役柄に入ることができたと言います。「難しい役柄だったのでは?」という問いには「監督の演出もあり良い雰囲気で入ることができた」とおっしゃいました。

二宮監督の演技方法はすばりスキンシップだったようです。屋上での高橋一生さん演じるかつての恋人カイトとのラブシーンも自由にできたといい、演じやすかったとおっしゃいました。テレビ番組の司会者のチャーリーなど個性的なキャラが立っています。そんな皆さまをまとめあげる二宮監督の手腕が本作では随所に見られます。

お客様から出たQ&Aでは劇中の音楽に関しての質問が出ました。

本作にはシーンに合う音楽も印象的です。これは監督が探してきた音源だそうです。使用許可をとて来るのは梅川プロデューサー。梅川さんは「どこでこんな音楽見つけてくるんだろう」と不思議に思っていたそうですが一方で「すごい音楽を見つけてくるな」と思い、監督は「本当にありがたかった」とおっしゃいました。 桜井さんも監督の音楽プレーヤーを借りて「この曲良いな」と思った曲が劇中で使用されるなど関係者の息もやはりぴったりのようでした。

25歳の二宮監督が作るリミスリの世界観をぜひ劇場で。11/17(土)まで公開。

(芋羊甘)


2017.11.08
『女になる』田中幸夫監督、未悠さん、みむさん、NAOさん舞台挨拶開催しました!

神戸の現役大学生が、女性として社会に出るために性別適合手術を受けるまでを軽やかに描いたドキュメンタリー『女になる』。初日の11/4(土)、田中幸夫監督と主演の未悠さん、出演のみむさん、NAOさんの舞台挨拶を開催しました。

性的マイノリティや性倒錯、フェティシズムを持つ人々に焦点を当て、2014年に元町映画館でも上映した田中監督の『凍蝶圖鑑(いてちょうずかん)』を観た未悠さんが、手術をする自分を撮ってほしいと監督に持ちかけたことから本作の企画は始まりました。

「手術をしても男性だった記憶は消えない。それなら30、40歳になってから、こんなこともあったな~と明るく振り返ることができる映像がほしかった」と未悠さん。田中監督は「これは、手術をするという覚悟を持った未悠ちゃんとそれを応援する人たちのハッピーな映画」と話します。

未悠さんとは高校からの友だちのみむさん、後輩のNAOさん。映画の冒頭は3人の〈ガールズトーク〉がたっぷりと収められています。「自分は女の人が好きだけど、女の人の気持ちはわからない。でもこの〈ガールズトーク〉を見て、3人が“女でしかない”ということを強く実感した。まずは観る人にもそれを印象づけたかった」と田中監督。このシーン、思わず混じりたくなる楽しさ。私も一緒におしゃべりしたい!

この日は地元・神戸での初日とあって、客席には3人の友人やご家族たちがたくさん駆けつけてくれました。未悠さんは「どうしても感想を聞きたい人がいる」と、映画にも出演していた大学の先生、アルバイトをしているおそば屋さん、そしてお母さんを次々指名し、感想を発表してもらいました。それぞれ未悠さんへの思いも熱く語り、周囲の人たちの温かい支えを改めて実感できる一幕でした。

NAOさんは「いろんな人に出会うことができ、自分自身も変わろうと思えるきっかけになった。周りに悩んでいる子がいたら声をかけたい」、みむさんは「未悠とはライバル意識があったけど、もっと仲良くなったし自分も成長した。よりステップアップしたい」、未悠さんは「同じような悩みを持つ人じゃなくて、一般の人に向けたメッセージ。普通の女性と同じ生活を送ってることをまず知ってほしい」とそれぞれ締めくくり、田中監督は「この映画が、これからの彼女たちの人生の後押しになれば嬉しい」と締めました。

『女になる』は11/17(金)まで上映中。ぜひ彼女たちに会いに来てください!

(mirai)


2017.11.08
11/4(土)『禅と骨』初日舞台挨拶開催!

禅僧ヘンリ・ミトワを追ったドキュメンタリー映画『禅と骨』が当館で公開になり、11/4(土)公開初日にゲストをお迎えして舞台挨拶を行いました。
監督の中村高寛(タカユキ)さん、ヘンリ・ミトワさんの長女で出演もされている京子・ミトワさん、そして本作のプロデュースをされてご自身も映画監督である林海象さん、にご登壇頂きました。

製作はヘンリ・ミトワさんを面白いと思った林プロデューサーが中村監督に話を持ちかけて始まります。
2008年から2011年まで3年間を取材に費やして、それからやっと撮影という長期プランだったということです。

『禅と骨』は、『赤い靴』という映画製作が夢のミトワさんを追いかけた特異な内容となっており、撮影当時90歳を超えるミトワさんのためにというモチベーションが製作スタッフにあったそうです。

中村監督は横浜出身で『ヨコハマ・メリー』という作品でデビューされました。
2006年に公開されたこの作品は横浜のホームレスの老嬢メリーさんを追ったドキュメンタリー映画です。
今回の『禅と骨』もそうですがじっくりと年月をかけて映画を撮る方なんですね。

京子・ミトワさんが中村監督のことを「しつこくて」と仰って笑いが起きましたが、一人の人物を追いかけて掘り下げていく情熱はすごいです。
そういう風に撮られた映画にはその人物と共に生きた時代が映っているんでしょう。

舞台挨拶は約10分と短い間でしたがゲストのお三方とも舞台挨拶後、神戸を楽しまれていました。
中村監督の地元である横浜と神戸は街の様子が似ていて親近感を抱かれたそうです。
林海象さん曰く「豚まんは旨かった」
京子・ミトワさんも元町近辺を散策されていました。

ところで舞台挨拶では触れられなかったのですが『禅と骨』の骨ってどういう意味があるんでしょう。
まさに禅問答のような作品名ですがとても気になります。
その由来とその先がきっと書かれている本作のパンフレットは、映画のパンフレットにしては分厚く83ページもあり、映画のサブテキスト(中村監督)として読み応え十分です。
皆さま、ご鑑賞後に手に取られてはどうでしょうか。

『禅と骨』は11/16(木)まで当館で上映しております!

(高橋)


2017.11.04
『すべての政府は嘘をつく』田畑暁生さんトーク開催しました!

真実を追究するフリージャーナリストたちの闘いを描いたドキュメンタリー『すべての政府は嘘をつく』。10/29(日)の上映後、神戸大学大学院人間発達環境学研究科教授の田畑暁生さんにお越しいただき、メディアとジャーナリズムについて考えるトークを開催しました。

〈ニュース〉とは一体何でしょうか?19世紀の新聞編集者チャールズ・デーナは「犬が人間を噛んでも大したニュースではないが、人間が犬を噛めば立派なニュースだ」という言葉を残したそうです。ニュースの価値はその異常性や意外性、非日常性に現れるという考え方は、それから100年以上経った現在も変わっていないように感じます。

ジャーナリズムは、センセーショナルに書き立てて読者の注目を引こうとする一面からは逃れられません。映画『市民ケーン』のモデルにもなった新聞王ハーストは、当時の反スペイン感情を煽る記事(でっちあげの嘘だったと言われています)を掲載し、翌年には開戦となりました。ハーストは社員に、「戦争を起こしてやろう」と言っていたそうです。センセーショナルな事件報道は人々の体感治安を悪化させると田畑さんは言います。現実の社会に与える影響は思ったより大きいようです。そして、戦争がジャーナリズムの需要を増やすことは否めないとも指摘されました。

ジャーナリズムは「番犬」なのか、はたまた「愛玩犬」なのかという問いがあるそうです。「番犬」とは権力を監視する役割で、「愛玩犬」とは政治や経済から自立しておらずそれらの見方を反映したもの。私たちが普段何気なく目にしているニュースはいったいどちらなのでしょう。

本作のタイトルにもなったI.F.ストーンの言葉「すべての政府は嘘をつく」。これに間違いはないと田畑さん。ではインターネットも含めると数多くのメディアが存在する現在、“正しい”ものを選ぶにはどうしたら良いかという参加者からの質問に、会場でディスカッションも行われました。「ニュースは無料で流れてくるもの」という認識を改め、能動的に情報を手に取り見比べたうえで自分に“合う”メディアを選ぶという姿勢が必要だということを話し合いました。

ほかにもジャーナリズムの起源や政治が介入した報道の実例など、いろいろお話しいただきました。『すべての政府は嘘をつく』は11/3(金)まで上映中。「ニュースを疑う」視点を持つために、多くの方に観ていただきたいです。

(mirai)

更新情報

2017.12.09
トピックス上映作品スケジュール前売り券更新しました

2017.12.05
トピックスイベントレポート更新しました

2017.12.02
トピックス上映作品イベントレポートスケジュール前売り券更新しました

2017.11.29
イベントレポート更新しました

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