イベントレポート


2018.04.24
4/20(金)キネプレ講座開催!

映画<の宣伝>とは何か?
観客の一人ではなく映画に少しでも関わるために!
映画サイト「キネプレ」編集長の森田和幸さんに教えていただきました。

この度キネプレは第6期キネプレアカデミーを開講します。
そのプレイベントとして今回の講座が行われました。

映画宣伝の話に行く前に森田さんは映画業界全体ついて俯瞰されました。
大きく三つあります。製作会社、配給宣伝会社、映画館です。
映画は製作会社が資金調達をして作り、配給宣伝会社が上映権を買い付け各地の映画館への仲介をし、映画館は観客の前で映画を映す。

今回の講座の大きな題目は「映画を観客に届けるために必要な5つのこと」でした。
宣伝は「映画を観客に届けること」なので、そのために必要な「5つのこと」とはなんでしょうか?
文章・分析・編集・企画の4つの力と「客観性」だと森田さんは断言しました。

「私」が思っていることを相手に正確に伝えるための文章、映画の良さを要素(物語・演技・カメラワークなど)に分けて比較検証する分析、対象に取材して調査したことを取捨選択して簡潔に提示する編集、これらの思いついた独自のアイデアを実現へと至らせる企画、そして森田さんが最も強調された客観性とは、各映画作品への「私」の好悪をいったんおいといて、「私たち」の多様な価値観に共感する能力だったと思います。

以上、森田さんの講座を聞いた割にはお粗末なイベントレポートですが、今度開講するキネプレアカデミーでは各専門家を講師にお招きして、講座という理論と現場に行っての取材レポートの実践で技術が習得できるはずです!

元町映画館でもこの春キネプレアカデミー卒業生の一人が就職されました。
文章が上手な彼女の活躍に期待しています。

(高橋)


2018.04.24
『唾と蜜』舞台挨拶開催

4/14(土)、ヒップホップの魅力に取り付かれた青年たちの葛藤や苦悩を描いた本作。上映を記念して主演のEINSHTEINさん、Sh0hさん、クラブなどで活躍するパフォーマンス集団「POKER☆FACE」よりパフォーマーのお二人、そして牧賢治監督による舞台挨拶を開催しました。

いやぁ、21時30分から始まった舞台挨拶、熱のこもった、アツイ、アツイ時間でした。

監督からまずご挨拶で「撮影の舞台となった神戸のこの劇場でこうやって舞台挨拶できることが嬉しい。ありがとうございます」とおっしゃいました。また撮影にはかなりの苦労があったと言い「本作は自費も込みで完成させた。実はSh0hくんの出演は無かった。思わぬハプニングで出演者が急遽降板、「一番日本で有名なヒューマンビートボクサーは誰だ?」ということで名前が挙がったのがSh0hさん。自分の気持ちものらないと出演しないそうですが、初演技ながら大役を務めてくれて監督も満足気でした。

舞台上の皆さんの言葉にはとにかく進歩、前に前に進んでいく気持ちが現れていました。

最後には監督の無茶ぶり、いや会場にいた人みんなが待ちにまっていたSh0hさんによる生ヒューマンビートボックス。先程の挨拶「No.1、トップを目指す」通りに、その実力に圧倒されました。元町映画館の舞台上で人の身体だけで音を奏でた人がいたでしょうか。私の記憶にはございません。まるでスピーカーから音が流れているような感覚、2chではなく5.1ch。鳥肌が立ってしまいました。「これぞ、ホンモノ」。観客の皆さんにとっても嬉しいサプライズだったのではないでしょうか。

そして最後に監督から「ここに立てたことが、今壇上に上がっているメンバーにとってチャンスだと思っている。ぜひこれから、作品ともども応援してほしい」で締めくくりました。

作品への想いはもちろん、各分野で活躍している出演者の今後が楽しみになる舞台挨拶でした。

『唾と蜜』4/20(金)までの公開。

(芋羊甘)


2018.04.24
ドキュメンタリーとは何か!「池谷薫ドキュメンタリー塾」を開催しました!

映画監督である池谷薫さんから直接ドキュメンタリー映画について学ぶ全7回の連続講義、「池谷薫ドキュメンタリー塾」。今回は4/19(木)に行われた第2回目の講義模様をレポートいたします。

今回の鑑賞作品はNHKスペシャルの『西方に黄金夢あり』。1992年、ソ連崩壊後間もないロシアで俄かに注目を集めた中国製の安価な防寒着。そこに目をつけた中国人ブローカー達が一攫千金を夢見てシベリア鉄道へと乗り込んでいく。「人間を撮る」という言葉を標榜する池谷さんが、特に「人間の欲望を撮った作品」と評された今作。「僕がワクワクしながら撮った」という言葉の通り、創作物にでてくるような魅力的な人物が次々と登場し、人間の欲望と活き活きとした熱気が渦巻くドキュメンタリーです。(「スネークヘッド」の登場シーンは必見です!)

  鑑賞後の講義では、音響効果のあり方、シーンとシーンの繋ぎ方、各シーンの撮影法の意図等を、映像を見返しつつたっぷりと解説いただきました。さらに、ハプニングやエピソードといった撮影時の裏話をふまえながら、いかに撮りたいシーンを撮るために時間をかけるか、いかに撮影の現場や対象の人々から信用されるか、といった実践的なお話をしていただきました。何か起こるかもしれないと少しでも思えば、目的地につく一時間以上前からカメラを回すというので驚きです。また「物語に出てくるのは氷山の一角」と表現されていましたが、池谷さんの裏話からは、いかに現地の人々とコミュニケーションをとり、いかに多くの情報を現地から吸収しようとされているか伝わってきます。

話を聞けば聞くほどに、ドキュメンタリーとはただカメラをまわして出来上がるものではなく、作為的な撮影・編集・音響を用いながら「作り込んでいく」ものだとわかります。池谷さんが当塾で一貫して語る、「ドキュメンタリーはフィクションだ」という言葉の意味の一つはこういったところにあるそうです。同時にそれは事実の捏造とは全く別のもので、「被写体になってくれる方々への(撮る側の)責任を果たすという、ある種の覚悟」であると語って下さいました。今回の鑑賞作、『西方に黄金夢あり』に登場する中国製防寒着のバブルと人々の熱気は、わずか一年半で収束し、シベリア鉄道からの一攫千金の夢は消えていったそうです。まさに限られた時間の中、刻一刻と変わり続ける時代の「ドキュメント」を捉えた作品だったのではないでしょうか。

次回は5/10(木)。池谷さん初の映画作品『延安の娘』を鑑賞します。

参加者達の熱気渦巻くドキュメンタリー塾 予約・詳細はこちら!→

(酒見)


2018.04.24
「池谷薫ドキュメンタリー塾」から生まれた映像制作サークル【元町プロダクション】2度目の撮影・編集ワークショップを開催しました!

〈池谷薫ドキュメンタリー塾〉受講者で、「自分でもドキュメンタリーを撮りたい!」というメンバーが集まり発足した映像制作サークル【元町プロダクション】。2度目となる撮影と編集のワークショップを4/22(日)に開催しました。

前回は撮影も編集もほぼ初めてのメンバーで、2人1組になりインタビューを撮り合ってその映像を編集するという練習に1日かけてじっくり取り組みましたが、今回はほぼ全員が自分で撮影した映像素材を持ち込み、朝10時に開始するやすぐ編集に取りかかりました。

映像編集ソフトAdobe Premiere Proの使い方を指導する講師役は2名、息をつく間もないくらいにあちこちからヘルプの声が上がります。池谷さんは前回参加できなかったメンバーのインタビュー役を自ら務め、どんどん切り込んで話を引き出していきます。慣れないインタビューでは、ともすれば打ち合わせした内容の一問一答に陥りがちですが、さすが池谷さんのインタビューはまったく違います。第一線で活躍するプロのこのような姿を目の前で見られる贅沢さ!

お昼休憩をはさみ、まだまだ編集作業は続きます。みなさんよく集中が続くな~と感心するほど、真剣な眼差しで何時間もパソコン画面と向き合っています。一見するともはやプロの職場!誰も「疲れた」「休みたい」などとは口にせず、だらけた雰囲気など微塵もありません。

夕方になりそれぞれ作業に目処が立った頃、編集した映像を書き出して全員でのプレビューを行いました。元町映画館のイベントルームはスクリーンを備えていますので、大画面でのお披露目です。

何を/どういう意図で/誰に見せるために撮ったのかをプレゼンし、みなさんの作品を鑑賞します。池谷さんはひとりひとりに丁寧に講評し、どこをどうすればより良くなるのかアドバイスしていきます。撮影の初めと終わりにもっとゆっくりと時間を取ること、カメラをパンする時はゆっくり動かすこと、カメラに搭載されたズームは使わず自ら対象へ近づくこと…ためになる言葉がたくさんです。この日はNHKのクルーが撮影に来ていたこともあり、プロのカメラマンからも実践的なアドバイスを聞けました。

障害を持つ妹さんを撮ったもの、大好きなダイビングで撮った水中映像、建築家の夫が手がけた家の上棟式など、それぞれ撮影対象は様々ですが、どれも撮った方の思いがギュッと詰まっています。慣れないソフトの操作に懸命に頑張る姿を目の前で見てきたこともあり、私も感無量のプレビュータイムでした。

それぞれの映像がどのような作品に育っていくのか、今後も目が離せない【モトプロ】です!

(mirai)


2018.04.24
『ニッポン国 VS 泉南石綿村』原一男監督と出演者の方々のトークイベントを開催しました!

ドキュメンタリーの鬼才・原一男監督が、国賠訴訟を闘う大阪・泉南の人々にカメラを向けた最新作『ニッポン国 VS 泉南石綿村』。4/21(土)初日上映後に原一男監督の舞台挨拶と、泉南アスベストの会の柚岡一禎さん、山田哲也さん、山田直美さん、藤本幸治さん、弁護士の伊藤明子さんを交えてのトークイベントを開催しました。

8年間追い続けるなかで強まった「この人たちはなぜ怒らないのか?」という原監督の苛立ちと真正面から対峙した山田さん。理性的に裁判を進めようとする弁護団にしびれを切らし行動を起こす柚岡さん。劇中でも“見せ場”だったこの場面を再現するかのようなエキサイティングなトークとなり、大いに盛り上がりました。

伊藤弁護士を〈天敵〉と宣言しつつ、「弁護士の思う“こうあるべき闘い”からちょっとはみ出すだけで非難される」と柚岡さん。対する伊藤弁護士は「石を投げて解決するならそうしたらいい。でも意味がない」と応戦。厚労省での顛末についても、「下っ端といえど人間。いろんな人に話を聞いてもらったことは無駄ではない」と言う伊藤弁護士に対し、「厚労省の人間に赤い血なんて流れてない!伊藤さんは甘い」と柚岡さん。お互い遠慮することなく本音をぶつけ合う姿に会場の熱も上がります。そんな柚岡さんは本音もぽろり。「実は、伊藤さんには絶大な信頼を置いている。彼女がいるから自由にできる」。

「柚岡さん、弁護団、支援者…いくつものタイヤで進んでいる。1つのタイヤではここまで進むことはない」とは、キネマ旬報で原監督と対談したノンフィクション作家の吉岡忍さんの言葉です。原監督も、「柚岡さんのような人が引っ掻き回すことでエネルギーを生んでいく。水俣では、意見の異なる者は排除されてきた。泉南ではそれぞれ反目したりしながらも全員が最後まで一緒になって闘った。これは奇跡だ」と話されました。

トークの最後に柚岡さんは、「最後にこれだけ聞きたい。監督はこの映画に満足してるの?」と問いかけられました。これまで原監督が被写体としていた人たちとあまりに異なる対象を追った作品で、従来の原監督ファンは満足しているのか疑問に思ったのだそうです。「これまで撮ってきたような人は今の時代にはもういないし、現れない。ドキュメンタリー映画はその時代ごとの空気を映し出すものだから、泉南の人にカメラを向けることによって“なぜ今、そういう人がいないのか”を問いかけている」と原監督。

『ニッポン国 VS 泉南石綿村』は5/11(金)までの上映、さらに5/5(土)からはこれまでの作品の特集上映も開催します。ぜひご覧ください。

(mirai)


2018.04.24
『君の笑顔に会いたくて』洞口依子さんトークイベント開催しました!

犯罪を犯してしまった子どもたちに寄り添い更正を助ける“保護司”を主人公に描いた映画『君の笑顔に会いたくて』。公開を記念して、4/21(土)に主演の洞口依子さんをお招きしてトークイベントを開催しました。聞き手役は、公式ファンサイト「洞口日和」の運営を務める夢影博士さん。ここでは公開初日に開催されたこのイベントの模様を少しお届けします。

まず、保護司という役柄を演じたが、実際の洞口さんは保護司になれそうか?というお話からスタートしました。これまで「不良少女」や「不倫相手」など、社会の規範からはみ出した役柄が多かった洞口さん。それを受けてなのか「いや、わたしは保護“される”側です」と回答し、会場の笑いを誘いました。

このように従来のイメージにはないキャラクターに挑戦した本作。どのような役作りをしたのか?という質問には、赤いコートを自分でオーダーして作った、というエピソードが語られました。劇中に出てくるそのコートはかなりのオーバーサイズ。ブランケットみたいに使えます。包むことができるということで保護司の包容力を表現されたようです。体重を増量して本作に臨まれたことももちろん驚きでしたが、衣装までご自身で拘っていることにまた驚きを覚えました。
ちなみに赤色がすごくお似合いです。

イベントの後半は、お客さまからの質問とご感想を受ける形で進められました。ファンの方も多く、洞口さんとの出会い(作品を通してですが)がいくつか語られ、あたたかくも感動的な空気に会場は包まれました。その中のお一人から今後やってみたい役は?という質問が出ました。それに洞口さんは「老婆」と即答。30代の頃からだという憧れの役柄への抱負を熱く語っていただきました。洞口さんのことがもっと好きになる!そんなトークイベントとなりました。『君の笑顔に会いたくて』は当館にて4/27(金)まで上映です。

(齊藤)


2018.04.21
「JISYU vol.5 ヴィジュアリストの伝説 映像の魔術師 手塚眞」開催しました!

作られた時代によって、映画を志した若者たちが何を表現しようとしたかを発見できる〈自主映画〉。そんな〈自主映画〉の歴史を発掘し上映する、シネアスト・オーガニゼーション大阪(CO2)による企画「JISYU」。その第5弾では、『星くず兄弟の新たな伝説』の公開も記憶に新しい手塚眞監督を取り上げ、大阪のプラネット・プラス・ワンと当館で2日間にわたり「JISYU vol.5 ヴィジュアリストの伝説 映像の魔術師 手塚眞」を開催しました。

当館では1日目の4/14(土)、16mm作品を中心に2つのプログラムの上映とトークを行いました。2Fの小さなイベントルームに16mm映写機を持ち込み、カタカタ回る映写機の音を感じながらの上映です。2つのプログラムの上映後には、神戸映画保存ネットワークの田中晋平さんと手塚さんのトークを行いました。

今回上映したような実験映画・アート映画から『星くず兄弟の伝説』などのエンタテイメント作品まで、手塚さんの作風は多岐に渡りますが、それらを行ったり来たりするスタンスは最初からで、違いはないのだそうです。今回の作品はどのような上映環境が良いかという田中さんの問いかけに、「映画館よりもこのようなスペースの方が非日常感があって良いかも」と手塚さん。

Bプログラムの冒頭では、予定になかった貴重な作品のサプライズ上映が!手塚さんが日大芸術学部映画学科在籍中の課題として、初めて16mmで制作した8分の短編『はまぐり』(なんと伊武雅刀さん主演!)です。もともと主役は坂本龍一さんをイメージしていてご本人も出演を快諾していたのですが、課題提出までの期間ちょうど『戦場のメリークリスマス』の撮影で海外にいらしてスケジュールが合わず断念したのだそうです。

「なぜかわからないけど小学生の頃に映画を作りたいと思ってからずっと映画なんです」と手塚さん。怪獣番組や怪奇映画など、〈この世にないもの〉を求めて育ち、〈目の前にないもの〉を撮りたいと希求してこられました。企画者である池添さんが初めて手塚さんの作品を観た時の衝撃を「なんて変態なんだ!」と表現すると、「その通り!」と手塚さん。笑いながらイベントを締められました。

作風と同様作品のフォーマットも様々ですが、フィルムの作品をデジタル化することには違和感があるそうで、ほとんどディスク化はされていません。このような貴重な機会を目にしたら、ぜひ参加してください!

(mirai)


2018.04.17
『STOP』プロデューサー・出演の合アレンさん舞台挨拶を開催しました!

キム・ギドク監督が単身来日し、監督・撮影・照明・録音をたったひとりで行い、ごく少数の日本人スタッフ・キャストと作り上げた『STOP』。2011年の東日本大震災に伴う福島原発事故に揺れる人々の姿を描いた作品です。本作のプロデューサーで、女優として出演もされている合(あい)アレンさんにお越しいただき、4/15(日)の上映後に舞台挨拶を行いました。

本作は、福島の原発事故に心を痛めたギドク監督が、「これは日本だけの問題ではない。この不安を映画にしなければ」との強い思いで制作されました。題材と描写の過激さから、受け入れてもらいにくい作品になるだろうとの心配もしていたそうです。実際、「実在の地名を出さなければ出資する」という会社もあったそうですが、それでは意味がないと出資を断り、思いを貫きました。

ギドク監督といえど、このような作品への出演は他の仕事への影響も小さくないと敬遠する方も多くいる中で、覚悟を決めて出演を承諾してくれたのは舞台出身の俳優さんがほとんどだったとアレンさん。どこか儚げで控えめな印象のアレンさんですが、本作の女優としては驚くような狂気を見せてくれます(どんな役かはぜひ劇場で)…!撮影は10日間で、頭の回転のとても速いギドク監督に次々出される指示のままに、操られていたような不思議な時間だったそうです。

映画は完成したものの、日本での公開は難航しました。「日本でこそ公開しなくては」というギドク監督の強い思いに動かされ、アレンさんはたったひとりで何度断られても劇場に足を運び粘り強く交渉されました。おふたりの思いがこの映画を神戸まで連れて来てくれたんですね!

映画に登場する人物たちは、すべて原発事故で感じたある感情のメタファーなのだそうです。荒唐無稽に見える描き方をされている部分も多いですが、これはギドク監督の《寓話》なのです。現実にあり得る/あり得ないという部分ではなく、そこに込められた感情をこそ受け止めてほしいと思います。「私自身、事故からしばらくは気をつけていたことを徐々に忘れつつある。作品への批判も含め、この映画を契機に改めて考えたり対話をしてほしい」とアレンさん。

『STOP』は4/20(金)までの上映です。あなたはこれを観て、いったい何を感じるでしょうか。

(mirai)


2018.04.10
毛糸でバッグを編むワークショップを開催しました!

糸(YARN)を使った表現活動をおこなう4組のアーティストを追ったドキュメンタリー映画『YARN 人生を彩る糸』。こちらの映画のタイアップ企画として、神戸・栄町にある毛糸のお店「ヴェアルセ」にて4/8(日)にワークショップを開催しました。どんな様子だったか、ここで少しお伝えします。

ワークショップでつくるのは左の写真にもある毛糸のバッグ。プレウールというエストニアで生産される糸を使用しています。バッグはもちろんのことプレウール自体が既にカワイイ(笑)。参加者のみなさまにはお好きな色を選んでもらいました。

今回私は見学だけさせてもらったのですが、みなさまの熱心な姿を見て、自分もワークショップに参加していたらと少し後悔。『YARN』の出演者のようにワークショップの参加者も今回は女性ばかりでしたが、本日の講師・福万さんによるとヴェアルセのお客さまの中でも男性で編み物にハマっている方がちらほらいらっしゃるとのこと。

参加者の中には編み物初挑戦の方もいました。福万さんの丁寧なレクチャーにより少しずつコツを掴んでいたご様子でした。編み物は手は忙しいのですがお口は自由(!)なので、雑談が弾んでいたことも印象的です。2時間半のワークショップ中にはもちろんバッグは完成しません。各自持ち帰っておこなうことをしっかり指示を受けてワークショップは締められました。完成が楽しみですね。ヴェアルセのゆったりとした雰囲気の中で編み物をする。とても有意義な時間が流れていたと思います。

(斉藤)


2018.04.10
『アウトサイダーズ』公開記念、トーク開催

マイケル・ファスベンダー主演、イギリスを舞台にトレーラーハウスで生活し、犯罪を繰り返す“トラベラーズ”と呼ばれるアウトロー・ファミリーを描いた本作。公開を記念してトークを開催しました。

ゲストは小笠原博毅さん。神戸大学大学院国際文化学研究科教授でもあり、本作のパンフレットにもコメントを寄稿されました。目の付けどころが違う、シャープなお話にうなずきっぱなしでした。

冒頭「クライムアクションと呼ばれるが、イギリス社会が抱える階級問題を描いている」とおっしゃいました。これが非常に興味深い。

作中にトラベラーズとしての要素は3つあったそうです。一般的な生活水準で暮らせない彼らにとって、街での生活には困難がつきもの。小笠原さんが指摘した「ジッポ」という言葉。蔑称として今でも使われるとのこと。一方で生活水準を上げるための努力はするのですが「トラベラーズ」集団からの脱却を他が許さない。彼らしか持たない独自の文化やアイデンティティが存在することに驚きました。反抗心を持ちながらも上の立場への憧れを持つ。その矛盾した環境のなかで生活するのは異常だと感じました。

その点について、イギリスの小説家アラン・シリトーの小説「長距離走者の孤独」を例にあげ、イギリス国内に存在する差別構造への反抗も説明されました。さらに「カトラー・ファミリーの上層階級への憧れが紅茶を飲むシーンでわかる」とおっしゃいました。

最後に「日本映画も部落差別を受けてきた人々をテーマにした作品がある。そんな人や文化がなければ映画も発展しなかった。部落差別を受けてきた人々の非社会的行動に良し悪しはない。生計を立てているだけ。そんな事実が世の中にはあることを考えながら生きて欲しい」という言葉でトークは終了しました。

小笠原さんの話は新鮮味があり、タメになります。参加者と同じ目線で話す姿は勉強になりました。映画はエンタメとしてだけでなく、社会を知るもの参考書のようなものだと私は思います。もう一度本作、観直します。

『アウトサイダーズ』は4/13(金)まで上映中。

(芋羊甘)


2018.04.10
「池谷薫ドキュメンタリー塾」開講しました!

先日NHKの「ニュースKOBE発」でも取り上げられた「池谷薫ドキュメンタリー塾」が、また4/5(木)からスタートしました。映画監督である池谷薫さんから直接ドキュメンタリー映画について学ぶ、全7回の連続講義です。ここでは第1回の模様をレポートいたします。

「池谷薫ドキュメンタリー塾」は実際にドキュメンタリー作品を鑑賞しながら進められます。今回は池谷さんがディレクターを務めたNHKスぺシャル『黄土の民はいま』(1994)を鑑賞しました。舞台は中国で最も貧しい地区の一つである陜西省・延安。本作は、ここに暮らす農民たちのドラマを描き出しています。

「ドラマを描き出している」と書きましたが、ドキュメンタリーと聞いてまず連想される記録性よりも、むしろドラマ性を覚えるところに本作の肝があるように思われます。作品の鑑賞後に行われた解説では、その理由が解き明かされたのでいくつかご紹介します。

はじめにカメラの撮り方です。作中ある村人が役人から何かを告げられるシーンがあります。その後カメラが詰め寄り村人に何を言われたのか聞き取るのですが、その時カメラは歩く村人を後ろから追いかけるようにして撮影します。何気なく観ていましたが、この撮り方は意図的で緊急感を出すための演出だそうです。思えばスキァンダルなどでよく目にするカメラワークとも言えます。撮り方ひとつ取ってもドラマを引き立てる演出になることに驚きを覚えました。

次に紹介したいのは、池谷さんの登場人物に対する考え方です。事物を伝えようとするとき、たくさんの人間の証言を集める方法がありますが、一方池谷さんは主役となる人物を先に決めてから撮影を始めます。「役者を揃える」という表現もされていましたが、この言葉からも分かるように記録性という従来のドキュメンタリーのイメージからはかなりギャップがあります。例えば本作のある人物は頭にすぐ血がのぼるタイプなのですが、この人選は物語を劇的に編むための巧妙な仕掛けでもあるようです。

いかがでしょうか。このように「ドキュメンタリー塾」では制作者本人が撮影の裏側や演出方法を語ることによって、ドキュメンタリーの思いもよらぬ魅力が発見されていきます。なんと昨年は受講生の中から「実際に映画を撮ってみたい」という人が現れ、映像制作サークル「元町プロダクション」が結成されるに至りました。

刺激的な「池谷薫ドキュメンタリー塾」。ご予約・詳細は →

(斉藤)


2018.04.04
シネクラブvol.53開催

3/25(日)、映画について感想などを共有する、シネクラブ。
お題映画となったのは大林宣彦監督の『花筐/HANAGATAMI』やアメリカの鬼才デヴィッド・リンチ監督の傑作映画など。多くの意見が出ました。

『花筐/HANAGATAMI』
「大林監督の原点に戻った。そんな印象だ」、「大林監督はやっぱりこうでなくっちゃ」などなど原点回帰した作風に喜んでいるお客様が多かったです。「80年代で商業映画に取り組んでいた監督の抑圧されていた映画欲が飛び出したような映画だった」という意見もありました。
反戦へのメッセージと登場人物の仕草や“血”を吐き出すシーンに対して「『耽美派』的なメッセージが込められている」というコメントもあり、参加者の皆さんも納得しておられました。

「デヴィッド・リンチの映画」
『イレイザーヘッド』や『エレファント・マン』を含めたデヴィッド・リンチ監督の特集上映ですが、公開当時にご覧になったかたも多いようでした。『マルホランド・ドライブ』では「主演のナオミ・ワッツのベストムービー」、「リンチ監督の構成力はすごいなと。観客を不安にさせたままにしてくれる。病的に飽きさせない」というベタ褒めの方がいらっしゃいました。さらに劇中の音楽に触れる方もおり「リンチのすごいところはポップソングをポップに聴かせないところ」とおっしゃいました。

当館以外での上映作品では第90回アカデミー賞作品賞受賞『シェイプ・オブ・ウォーター』(監督:ギレルモ・デル・トロ)で盛り上がりました。「水滴を使って登場人物の心情を表現するのは流石だ」といった意見もありました。

一旦休会となる「シネクラブ」。53回という数を重ねてきて、参加者のみなさまの映画に対する想いやできごとを共有し、有意義な時間を過ごしてきました。最後は参加者のご提案でまさかの三本締め。撮影者も参加したためについ写真がブレてしまいました。でもみなさん喜んでご参加いただきました。もっと多くのかたにご参加いただけるようにシネクラブは生まれ変わります。その時まで乞うご期待ということで、みなさま本当にありがとうございました。

(芋羊甘)

更新情報

2018.09.18
上映作品イベントレポート更新しました

2018.09.14
トピックス上映作品前売り券情報スケジュール更新しました

2018.09.11
トピックス更新しました

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